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糖尿病について

 糖尿病の食事指導は現在カロリーを抑え、各栄養素をバランスよくとるというのが主流である。それに対して館一男先生は血糖をあげるのは炭水化物だから炭水化物を減らした食事をとるべきだと主張している。卓見である。各食品を摂取することでどの程度血糖があがるかを示すGI値(glycemic index)がある。カロリーをあまりうるさく言わず、GI値の低いものをとれというのである。カロリーをかなりとれることになると糖尿病の食事療法が楽になる。糖尿病患者のQOL(生活の質)がかなり改善するのである。
 アメリカ人の糖尿病患者は90%が肥満である。しかもアメリカ人の肥満ははんぱな肥満でない。日本人からみると大変な肥満である。こういう肥満患者が糖尿病になっている時、カロリー制限の食事制限を課すのは確かに意味あることであるし、有効な方法である。しかし日本の糖尿病患者はそんなに肥満でない。こういうあまり肥満でない糖尿病患者に一様にカロリー制限の食事制限を課すのはどうか。アメリカのやり方を直輸入しているだけでないのか。血糖が上がりやすい炭水化物を控えるという館先生のやり方のほうがはるかに合理的である。
 これは私見であり、もとよりきちんと証明されているわけではないが、私は頻回にものを食べるのもいけないのでないかと思っている。今の人はお菓子を食べたり、ドリンクを飲んだりと一日三回の食事以外に頻回にものを摂取している。ものを摂取するたびに血中のブドウ糖があがると膵臓は頻回にインスリンを出さなければならない。あまり休む暇もなく膵臓を酷使したのでは、膵臓は疲弊しインスリンの分泌に異常をきたすのでないか。戦時中の食料不足の時に糖尿病がほとんどなかったというのも、たまにしか食事の摂取ができなかったから、膵臓には十分の休息となり、決して疲弊しなかったからでなかろうか。

参考文献
アントニオ猪木 館一男. あなたの体も危ない!ー糖尿病1600万人を救う魔法の杖. PHP研究所 

2007年1月19日更新

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