10代若者では、新型コロナ感染で死亡した人数よりも新型コロナワクチンで死亡した思われる人数が多い
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 2021年2月17日から新型コロナワクチンの接種が始まった。2021年12月11日現在、日本で接種された人は80%を越えた。しかし新型コロナワクチンの副反応を恐れ、その接種を頑として拒否する人もいる。特に10代の若者への新型コロナワクチンの接種は問題視する人が多い。10代の若者は新型コロナに感染したとしても、重症化することがまずない。一方、新型コロナワクチンはまだ治験段階のものであり、長期のデータがない。長期的に見てどんなリスクがあるのかわからない。たとえ新型コロナに感染したとしてもほとんど重症化することのない10代の若者に、どんなリスクがあるかわからないワクチンを接種するというのは、一体どういうことか。
 新型コロナに感染して死亡した10代の若者と、新型コロナワクチン接種後にワクチンによる死亡と疑われた人はいくらいるのだろうか。2021年12月11日現在、新型コロナで死亡した10代の若者は3人であり、新型コロナワクチンによる死亡と疑われた10代の若者は4人である。それぞれについて具体的に書く。
 2021年9月7日に10代男性が新型コロナ感染により死亡した。この人は2021年9月1日に救急搬送され、PCR検査で陽性であった。基礎疾患があり、複数の重症化リスクのある人だった。
 2021年9月18日に10代女性が新型コロナ感染により死亡した。この人は慢性肺疾患があり、在宅で酸素吸入をしていた。2021年8月20日に呼吸状態が悪化し入院し、PCR検査で陽性であった。新型コロナワクチンの1回目の接種を受けていた。
 2021年9月28日に東京都は10代の人が新型コロナ感染で死亡したと発表した。交通事故により死亡した後に、PCR検査をすると陽性であった。現在はWHO、厚生労働省の指示により、PCR検査で陽性であれば、実際は交通事故による死亡であっても、末期癌による死亡であっても、新型コロナ感染による死亡として統計をとることになっている。
 新型コロナワクチン接種による死亡と疑われた人は、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の資料に基き記述する。この資料には番号を振ってあり、その番号も書く。
 コミナティ筋注(ファイザー株式会社)による死亡と疑われるもの
 961 16歳男性 2021年7月15日に1回目を接種し、2021年7月23日に死亡した。注意欠陥多動性障害があり、精神科で内服薬を処方されていた。しかし最近は自己中止しており、自傷行為が見られていた。マンション最上階から転落死した。自殺である。
 1167 16歳男性 2021年8月10日に1回目を接種し、2021年9月1日に死亡した。2021年8月16日に心肺機能停止となり救急搬送された。基礎疾患はない。
 1328 13歳男性 2021年10月30日に2回目を接種し、同日に死亡した。2回目のワクチンを接種して、約2時間30分後に食事をし、約4時間後に入浴をした。いつまでも出て来ないため確認した所、浴槽内で水没していた。気管支喘息の既往がある。
 モデルナ筋注(武田薬品株式会社)
 36 15歳男性 2021年9月16日に1回目の接種をし、2021年9月20日に死亡した。接種後、約9時間後に頭痛、嘔吐が見られ、意識障害となった。脳動静脈奇形の基礎疾患があった。脳動静脈奇形からの脳出血が直接の死因であった。
 新型コロナワクチン接種による死亡と疑われた4人はいずれも、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会は新型コロナワクチンによる死亡と認めていない。症例1328は接種当日に死亡し、症例36は接種当日に意識障害が見られた。それでも新型コロナワクチンによる死亡とは認めない。一方、厚生労働省は交通事故により死亡した一例を、新型コロナ感染により死亡したと認めている。新型コロナワクチンによる死亡認定は非常にハードルを高くし、新型コロナ感染の死亡認定は非常にハードルが低い。新型コロナ感染の死亡認定のハードルがこんなに低ければ、新型コロナ感染による死亡者を簡単に増やすことができてしまう。交通事故やその他の不慮の事故、癌の末期で死亡した人を軒並PCR検査すればいいのである。いくらかの確率でPCR陽性の者が出て来るから、新型コロナ感染による死亡者が増えることになる。またワクチンを接種し、その日の内に死んだ人でさえ、新型コロナワクチンによる死亡と認めないなら、これから出て来るワクチンの長期的な副反応により死亡する人が、新型ワクチンによる死亡と認められることは、まず100%ない。
 PCR検査陽性だけで、新型コロナ感染とは言えない。新型コロナ感染と確定診断するには、ウイルスの同定、ウイルスの遺伝子検査が必要だろう。だから私は新型コロナ感染により死亡したとされる10代の3例を以後新型コロナ感染で死亡したと疑われる3例と記述する。
 症例961は自殺による死亡であり、新型コロナワクチンによる死亡ではないと考えるかもしれない。しかし新型コロナワクチンにより、精神障害となる例が知られている。新型コロナの副反応としての自殺も否定できない。
 2021年9月18日に新型コロナ感染で死亡したとされる女性は、新型コロナワクチンの接種も受けており、新型コロナワクチンによる死亡の可能性もある。
 新型コロナ感染で死亡したと疑われる交通事故以外の2例は、大きな基礎疾患がある。一方新型コロナワクチンによる死亡を疑われる症例1167は健康体であり、症例1328もおそらく小児喘息の既往があるだけだから、現在は健康体と思われる。健康な10代の若者で新型コロナ感染で死亡したと疑われる者は1人もいないが、健康な10代の若者で新型コロナワクチンで死亡したと疑われる者は1人〜2人いるのである。よって健康な10代の若者は新型コロナワクチンのデメリットが、新型コロナ感染のデメリットを上回ると考える。健康な10代の若者に新型コロナワクチンを接種すべきでない。

参考文献
朝日新聞デジタル (2021)「新型コロナ、横浜の10代女性が死亡 ワクチンは1回接種」. https://www.asahi.com/articles/ASP9Q5WQJP9QULOB017.html(2021年12月11日アクセス)
NHK (2021)「大阪 コロナ感染の10代男性死亡 “10代の死亡例は報告ない”」. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210908/k10013249831000.html(2021年12月11日アクセス)
サンスポ (2021)「東京、新規感染248人 10代の感染者が事故死」. https://www.sanspo.com/article/20210928-5TSD5GJ4FNLLRG326XQV5B5QFM/(2021年12月11日アクセス)
第73回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第23回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 2021(令和3)年12月3日 (2021)「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注、ファイザー株式会社)」. https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000862202.pdf(2021年12月11日アクセス)
第73回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第23回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 2021(令和3)年12月3日 (2021)「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(モデルナ筋注、武田薬品工業株式会社)」. https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000861755.pdf(2021年12月11日アクセス)  

作成日:2021年12月15日