いまさらながら
TOSHIBA PX100 静音化
改造のメリット
1.ファンが静かになる(静音化)
2.改造はプラスとマイナスドライバーだけ!(面倒な道具も、半田付けも、穴あけも一切不要)
3.買った状態に戻す事ができる
▲警告:これらの情報は、趣味としての個人解析です。この件に関してのメーカへの問い合わせは、メーカに迷惑となるので問い合わせをしないで下さい。この改造を施して発生した損害等は一切受け付けられません。改造は自己責任でお願いします。
1999年暮れに買った東芝製ノートパソコン。ダイナブックシリーズというものの、型番体型がダイナブックと外れている。それもそのはず、これは台湾製のノートパソコンのOEMなのである。
スペックはこの当時としてはまずまずであり、TFT液晶なのに実売15万円台は安かったのである。
機種名/型番 | DynaBook PX100 / PX010K402Cxx |
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プロセッサ | AMD K6-2-P 400MHz (物によっては、K6-2/400 2.0VCORE採用あり) |
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メモリ(最大) | 64MB(192MB) |
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ハードディスク | 4.8GB |
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表示機能 | ディスプレイ | 12.1inch TFT 800x600 |
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グラフィック アクセラレータ | NeoMagic NM2200 |
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ビデオRAM | 2.5MB |
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サウンド コントローラ | PCI |
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PCカード コントローラ | CardBus x2 |
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IrDAコントローラ | IrDA1.1 |
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USBコントローラ | 1port |
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Modem | 56Kbps |
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その他の仕様はGoogleで検索すればいっぱい引っかかる。
キーも打ちやすく、電源を切っていてもCDプレイヤーになるから便利である。Windows98SEがインプリメントしてあったのだが、やっぱりWindows2000のほうが何かと便利なので、メモリーを最大の192MBまで増設して、Windows2000をインストールした。色々なサポートはここから取ってこれるので問題ない。
(ちなみに、Windows2000にするとGS WAVE TABLE
MIDIの再生テンポがむちゃくちゃになりますが、これでMIDIは聴かないので問題なしとしよう)
暫く普通につかっていたのであるが、ここでどうしても気になる事が出てきた。
ファンの音がうるさいのである。この騒音は、耐えがたい。ヘヤードライヤーに匹敵する騒音だ。GeforceFXにも通じるんじゃないかと思うほどの騒音だ。使っている人は必ずそう思うはずだ。
このパソコンのファンは2基搭載されており、外部から吸引するファン(背面)と、CPUを冷却するファンがある。うるさいのは外部から空気を取り込むファンである。
このファンは内部温度が上昇すると、自動的に回るようになっていて、Windows98で使っている場合は、クールダウンするとファンが停止するようになっている。
だから、ファンが回ってうるさく感じても3分くらいしたらファンが自動的に止まっていたので何とかなった。
しかしWindows2000の場合、この機能が働かなく、一度ファンが回り始めると、電源が切れるか休止状態になるまで爆音と共に回り続けるのである。(東芝のサポートHPのどこかにも記載されていた気がするが、今観たらもう書いていない)
あまりにもうるさいから、外側のファンのコネクターを外して使ったのだが、たまに熱暴走を起こしてしまいブルースクリーンで自分もブルーになってしまう。ならば、なにか同じ悩みを持っている人が居ないかと思ってGoogleとかをつかって検索したが、PX100の情報の少ない事。試行錯誤で、なんとか実用になったので、そのノウハウを公開する。
掲示板で以下の情報を頂きました。お礼申し上げます。
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400MHzのCPUを400MHzで動かしてるから熱くなるわけで、それなら500MHz動作のCPUを換装して、動作クロックを450MHzくらいと定格より低めに動かし、電圧も定格より下げて運用すればファンレスが可能では?!ということで、AMD-K6-2/500を探しにオークションやら秋葉原やら・・・・
若松通商に、AMD K6が1800円位であるということなので、早速買いにいってみた。
正式型番はAMD K6-2/500AFX 2.2VCORE 3.3VIO
実際にPX100に搭載されているCPUは、AMD K6-2-P/400ACK
2.0VCORE 3.3VIO
1800円なら勉強代だとおもって購入。いきなり換装であっさり起動。
ま、これならなんとも面白くないので、CPUの横のDIPSWを調べてみた。
多分、倍率と基本クロックと電圧の設定と思うが、そこら辺の解析はこれでも元にしてもらうとして、いきなり解析結果。
東芝命さんから貴重な解析情報を頂いております。ありがとうございました。
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これを元に表を新たに作り直しました。
FSB設定
DIP-SW | FSB clock | Condition | ||
1 | 2 | 3 | MHz | |
OFF | OFF | OFF | 100 | Default setting |
ON | OFF | OFF | 95 | |
OFF | ON | OFF | 83 | |
ON | ON | OFF | 75 | |
OFF | ON | ON | 66 | |
それ以外の設定 | 禁止 |
倍率設定
DIP-SW | FSB | Condition | ||
4 | 5 | 6 | multiplier | |
OFF | ON | OFF | x3.0 | |
OFF | OFF | OFF | x3.5 | |
ON | OFF | ON | x4.0 | Default setting |
ON | ON | ON | x4.5 | |
OFF | ON | ON | x5.0 | |
OFF | OFF | ON | x5.5 | |
ON | OFF | OFF | x6.0 |
CPUコア電源設定 ※これはC117の両端電圧の実測値です。
DIP-SW | Core Volt | Condition | |
7 | 8 | (C117) V | |
OFF | OFF | 2.19 | |
OFF | ON | 2.00 | Default setting |
ON | OFF | 1.97 | |
ON | ON | 1.79 |
以前私が公開していた表の一部(参考)
off=0 on=1 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 起動時でのクロック表示(MHz) | 7 | 8 | 測定電圧(C117) | |||
初期設定 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 400 | 0 | 1 | 2.00V | AMD K6-2-P/400ACK 2.0VCORE 3.3VIO | ||
最速設定 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 500 | 0 | 0 | 2.19V | AMD K6-2/500AFX 2.2VCORE 3.3VIO | 定格設定だと熱暴走する | |
静音設定 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 450 | 0 | 1 | 2.00V | AMD K6-2/500AFX 2.2VCORE 3.3VIO | 私が使っている設定 |
AMD K6-2/500AFX 2.2VCORE 3.3VIOを定格で動かすと、確かに速い!と喜んでいるのも束の間、ファンが回ってから10分ほどすると、ブルースクリーンでまくり、Windowsの再インストールも出来ない程に悲惨な状況に。ヒートシンクが廃熱しきれないで熱暴走をするのだろう。もうアッチッチで大変危険な状態。
そこで、電圧とクロックを下げてみた。
500MHz→450MHz
2.19V→2.00V
今度は、Windows2000SP4のインストールがうまくいき、色々なアプリを立ち上げて動かしているけど、落ちる気配は全く無し。
熱も心持ち出ていない雰囲気。この時点で50MHzのクロックアップ成功。
ならば、外のファンを切っちゃえ!というわけで、コネクタを抜いて運用。数日間連続で使っているが、OSが不安定なことは全くなし。ファンの音がCPUだけなので、相当静かになった。
今回換装したAMD-K6-2/500AFXは古いCPUなので入手が結構難しいかもしれない。自分のPCでは、外付けファンのコネクターを抜いただけではNGであった為、CPUを換装したが、お手持ちのPX100によっては、それでうまくいったりするかもしれない。また、今回の解析によりクロックダウンや電圧ダウンの方法も、明らかになった訳なので、CPUを購入しなくともこれらの組み合わせだけで静音化、もしくはクロックアップも望める可能性がある。ひょっとしたら電圧を下げて、ファンのコネクタを抜くだけでよいのかもしれない。
改造手順
写真 | 説明 |
最初に、10分ほど通電してCPUを暖めておく。これをするとCPU放熱パッドがうまくはがれる。 不意に電源が入って壊さない為に、電源を落として、本体からACプラグとバッテリーを外す。 用意するもの: ドライバープラスとマイナス AMD-K6-2/500AFX シリコンパッドやシリコングリス(必要ならば) |
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液晶部分をめい一杯開き、シルバーブルーのスイッチエスカッション部分をマイナスドライバーで外す。これは、ネジで止まっていないので、持ち上げるだけで外れていく。ドライバの差し込む部分は、ESC-F1間、F4-F5間、Pause-Ins間、ページアップの右上の4箇所。慌てずゆっくりやる事。 | |
エスカッションを取り出す | |
キーボードの固定しているネジを外す。 外すところは、4箇所。右のヒンジ部分のネジはキーボードを固定していない。 |
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キーボードを斜め上にゆっくり引き出す。強く引っ張ると、ケーブルをいためるので慎重に。 | |
CPUの隠れている鉄板の3箇所のビスを外す。 | |
右上のネジだけ他のネジより長い。 ちなみにHDD換装は、この作業の終了後可能。 |
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CPUファンアセンブリを止めている黒のナベネジ4箇所を外し4本とも抜き取る。 | |
CPUファンアセンブリを揺らすようにして外す。血管が浮き出ているが、こんなに力は要らない。 | |
左へ引き出すように抜き取る。ハーネスとか注意。また、シリコンパッドは埃がつきやすいので丁寧に取り扱う。 | |
取ったところ | |
CPUロックを押さえているロックピンをマイナスドライバで取る。(なくしやすいので注意) | |
これがロックピン(ナイロン製) | |
CPUの上側のOPENと書いてある溝にマイナスドライバを差込み、ドライバを回すと、CPUがずれて、外せるようになる。あまり力を入れるとヤバイ。ゆっくり。 | |
新しいCPUを差し込む。向きは、この向き。 | |
下側のCLOSEと書いてある溝にマイナスドライバーを差込み、CPUを上側へずらす。 | |
さっき取った、ロックピンを元通りに戻す。 | |
DIPSWを設定 静音設定 12345678 01000101 1=ON(上) 0=OFF(下) 設定は、ペンなどでも良いが、竹串でやれば、インクで汚れなくて尚よい。 あまり薦められないが、クロックの確認はこの状態でACアダプタを刺して、電源ボタンを押せばBIOS立ち上げ時に出てくる周波数の確認くらいまではヒートシンク無しでも何とかなる。確認後すぐにACアダプタを抜く事。念のため、HDDを抜いておいたほうがよい。 |
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スイッチパネル基板が止まっている2箇所のビスを外す。 | |
基板を静かに外す。 | |
静音のツボ(外部ファンの電源コネクター) | |
外して、静音化完了! | |
基板を元に戻す | |
ここでやっておきたい事: このノートは偶に、PCIデバイスの競合エラーとか表示されてしまう事がある。この原因は、内蔵のモデム基板が抜けやすいので、抜けかかるとこういう症状がでる。ついでに点検をしておく。 |
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外した金具やキーボードを元に戻して、バッテリーをいれて念のためリセットを押す。 これで改造終了。 |
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スピードが上がっている。 AMD製のCPUを計測する場合、フリーのユーティリティは物によってはデタラメを表示します。yone CLOCK SPEED VER1.2だときちんと表示。現在のVerではNG。使い慣れたクロック計測ソフトを各自使用の事。 |
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外したCPUは、コレクションでも、もしもの時にとっとくとかしてください。 |
(C)2003
2003/12/6
2007/2/10 表の更新
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