top > 中国河北省(プロジェクト報告書)

5.今後の課題

(1)実施体制の整備

当プロジェクトには滄州市農林科学院及び畜牧水産局の二つの機関が実施機関として参画しているが両者の間に調整能力がなく日本側が調整しなければならない状況にあった。特に滄州市農林科学院は組織の体をなしておらずカウンターパートも個人的には業務に対する意欲はあっても組織的な業務の遂行ができない状況であったが、昨年末に指導者層が替わってから改善の兆しが見えてきた。

今後、自立発展を図って行くに当たっては、滄州市政府が積極的に介入し両機関の協力体制を築いて行くことが不可欠となってくる。

(2)活動資金の確保

当プロジェクトの実施に当たって、滄州市政府は、毎年10〜20万元、滄州市農林科学院は毎年50〜80万元、畜牧水産局は毎年8〜10万元の予算を確保するよう努力しなければならないことがr/dに明記されているが、日本側から見える形跡としては、事務室で使う机、椅子、ロッカー、供与した車輌の燃料費、事務室の光熱水量費、機材の引取料程度であった。

今後、自立発展を図って行くためには、積極的な啓蒙普及活動、技術指導及び各種の調査活動に資金を必要とすることを自覚し、必要な資金の確保に努める必要がある。

(3)優良種子の確保

今後、自立発展を図って行くためには、実施体制の整備、活動資金の確保に加えて必要な資材を確保できる体制を整備して行く必要がある。

現在、大部分の資材は資金を準備すれば確保できるが、優良な牧草の種子については円滑に購入できる状態にない。

従って、牧草の栽培を普及させて行くためには、公的機関による牧草種子の流通体制の整備に対する支援等を行って行く必要がある。

(4)その他

現在、生産された牧草は乾草に調製して販売しているが、将来、作付面積が増加し乾草生産量が増加すれば供給過剰となり販売価格が下がること、地力の低下による収量の減少も十分考えられるので将来的には地域の家畜のために生産し、堆肥を圃場に還元する体制を作ることを考えておく必要がある。