角川日本陶磁大辞典


中島晴美

1950―。陶芸家。岐阜県生まれ。大阪芸術大学デザイン科陶芸専攻を卒業後、信楽の製陶会社に勤めるが、熊倉順吉の勧めもあり、多治見市陶磁器意匠研究所の職員となる。以後、作家としての活動の拠点を美濃地域におきながら、若手作家による展覧会企画や後進の指導も行う。平成4年(1992年)国際陶芸アカデミー会員となる。同7年国際陶磁器展美濃で金賞受賞。土そのものがもつ質感と、土が陶へ変貌するプロセスに魅力を感じて作品を生み出し、そのプロセスに翻弄されながらも陶芸における本質を自らの倫理を用いて映し出そうとする数少ない陶芸家である。代表作に「苦闘する形態」のシリーズがある。
【唐沢 昌宏】