The Inner Flame Various Artists (Atlantic)
ストレートにアコースティカルなアプローチをする人がいるかと思えば、ハイブリッドに迫る人もいる。参加ミュージシャンみんな、自分のスタイルをくずすことなく、しかしレイナーへの敬愛の念をきっちり表明した仕上がり。レイナー作品を通して、アメリカン・ルーツ・ミュージックの奥深さを思い知ることができる1枚だ。
|
Interiors Brad (Epic)
ファルセット・ヴォーカルが切ない「I Don't Know」もいい曲。70年代サザン〜スワンプ・ロックみたいな手触りの曲もあるし。嫌いじゃないです。
|
Songs From Northern Britain Teenage Fanclub (Creation/Columbia)
でも、なかなか楽しい仕上がりだ。あまり批評性のないアプローチではあるけれど、とりあえず今、本人たちが60年代アメリカン・フォーク・ロック・サウンドを好きで好きでしょうがない感じはしっかり伝わってくる。それが本盤のすべてって感じ。もともとそういう気分で接すればいい1枚でしょう。おセンチでそこそこいい曲が揃っている。
|
Venus Again The Vents (MCA/Way Cool/Cargo)
ラズベリーズとかトッド・ラングレンとかチープ・トリックのような米アーティストがビートルズら往年の英国ポップへ投げかけるまなざしと、ニック・ロウとかデイヴ・エドマンズのような英アーティストがビートルズの向こう側にあるエヴァリー・ブラザーズやバディ・ホリーら米国ロックンロールにアプローチする感触。一見別モノとも思えるこの両者に通底する、こう、なんともポップな、でもどこか屈折をはらんだ“手触り”こそがパワー・ポップの正体だと思っているぼくにとっては、このザ・ヴェンツさんたちはちょっとまっすぐすぎるかな。
でも、わりと好感持ちました。ぼんやり聞くには悪くない。
|
Via Satellite Super Deluxe (Revolution)
“オーライ、オーライ”とか“オー・イエー、オー・イエー”とか、随所に挿入されるキャッチーなフレーズがポップス・ファンの甘い記憶をくすぐってくれるね。アルバム中盤、少々だれるけど、後半また盛り返す。バカっぽさは少なめながら、これはパワー・ポップって感じ、しますわ(笑)。
|
Floored Sugar Ray (Lava/Atlantic)
アダム・アントの「Stand And Deliver」をカヴァーしてるのも、おいしいぞ。
|
No Way Out Puff Daddy and The Family (Bad Boy)
パフィも素晴らしいプロデューサーながら、ラッパーとしては脆弱なところもあり、そこんとこがちょっと引っかかる。“riches and bitches”系の世界を抜け出しきっていない歌詞も今ひとつ。とはいえ、音作りの面はやはり見事。アイデア豊か。前述した「Can't...」、「I'll Be...」に加えてデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」をまんま使った「Been Around The World」とか、おいしいネタを持ってきているし。フル・オーケストラを配した曲もあるし。歌メロを巧妙に各曲に織り込んでキャッチーに聞かせるし。堂々たるポップ・アルバムとして楽しむべき一枚か。
|
![]() Copyright © 1997 Kenta Hagiwara kenta@st.rim.or.jp |