Kenta's ... Nothing But Pop

Steve Earle &
the Supersuckers
Steve Earle &
the Supersuckers

(Sub Pop)


10th July, 1997




Must've Been High
(Sub Pop)

 びっくりの組み合わせによる5曲入り。まあ、考えてみれば今年出たスーパーサッカーズの新作『Must've Been High』も彼らお得意のパンカビリーではなく、もろカントリー〜フォーク路線だったし、スティーヴ・アールも既成のカントリー・マーケットに対する決別宣言を経て今やオルタナ・カントリー系シンガー・ソングライターとして名を馳せているわけだし。ありえない話ではないのだけれど。何にせよ、けっこうワクワクする顔合わせではある。

La Mano Cornuda
(Sub Pop)

 といっても、ここに収録された両者の共演ヴァージョンは全5曲中3曲。節分の鬼のお面みたいなCDデザインが笑わせてくれたスーパーサッカーズのアルバム『La Mano Cornuda』に収められていたスピーディなパンク・チューン「Creepy Jackalope Eye」をスティーヴ・アールのリード・ヴォーカルでアコースティカルにリメイクしたものと、スティーヴ・アールのアルバム『Train a Comin'』に入っていたホンキー・トンク調の「Angel Is The Devil」をスーパーサッカーズ中心に勢いよくリメイクしたものと、ローリング・ストーンズのアルバム『Some Girls』に入っていた「Before They Make Me Run」を泥臭くカヴァーしたもの……というラインアップだ。

Train a Comin'
(Warner)

 この3曲に、「Creepy……」と「Angel……」それぞれのオリジナル・ヴァージョンを加えた全5曲。

 これは思った以上に面白い成果をあげているみたい。なんでも、時間がなかったとかで、たった2日間しか共演スケジュールがとれなかったらしく、スティーヴ・アールの次のアルバム用にもう1曲レコーディングするのが精一杯だったようだけど、もうちょい長期間コラボレートすれば、もしかして“平成のニール・ヤング&クレイジー・ホース”になれるかもしれないのになぁ。


List of Previous Picks.



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