治療装いわいせつ容疑、全国展開の整体院代表逮捕へ

 治療を装って20代の女性にわいせつ行為を繰り返したとして、大阪府警は4日、
大阪市東成区の整体院代表の男(58)について、準強制わいせつと医師法違反
(無資格医業)の疑いで逮捕状を取り、事情聴取を始めた。容疑が固まり次第、逮捕する。
男は東京や広島、沖縄など全国10カ所で整体院をグループ展開し、整体師を育成する
特定非営利活動法人(NPO法人)の役員も務めている。

 東成署の調べでは、男は今年7月1、10の両日、交通事故に遭い、痛みを訴えて来院した
奈良県の女性会社員(22)に「尾骨が曲がっている。今、治さないと、とんでもないことになる」
などと言い、下着を脱がせて下半身を触るなど、医師の資格がないのに医療行為をした疑い

 男は休診日にも女性を呼び出し「治療のため」と話して下半身を触ったり、抱きついたりしたといい、
不審に思った女性が同署に届け出て発覚した。

 同署は、エックス線写真を撮らずに下半身を触るだけで尾骨のゆがみは矯正できないとの
整形外科医らの証言
から、男が当初からわいせつ目的だったと判断したという。来院した他の
女性にもわいせつ行為をしていた疑いもあるとみて調べる。

 男は89年、整体院を開業し、ホームページで「無理な力を使わず身体の狂いを矯正する」などと紹介。
98年の長野冬季五輪の組織委員会から「整体ボランティアとして公認された」とうたっている。
99年には大阪市の同整体院本部に、整体師の養成を目的とするNPO法人を設立した。

 整体師は、国家資格を必要とする、はり師や柔道整復師と異なる民間の資格で、
整体院を開設する場合にも保健所などへの届け出はいらない。