鳩山政権の目玉政策「ヨガ」「気功」「足裏マッサージ」…


マジかよ!こんなものまで健康保健適用


 医療が大きく変わるかもしれない。
 鳩山首相が1月の施政方針演説で表明した「統合医療」が実現に向けて動き出した。
日本の医療は明治以降、西洋医学による医療が中心に行われてきたが、今後は東洋医学に
基づく医療にも健康保険を適用しようというのである。長妻厚労相は乗り気で2月5日、
厚労省内にプロジェクトチームが発足し、「2月末までに統合医療に関する調査結果をまとめる」
(厚労省)という。

 驚くのは、保険適用範囲だ。
 漢方医療や鍼灸(しんきゅう)治療はもちろん、足裏マッサージ、ヒーリング、アロマセラピー、
カイロプラクティック、磁気治療、断食治療、ヨガ、気功、アンチエイジング、音楽療法、芸術療法
さらにインドの「アーユルヴェーダ」のようなアジアの伝統的な医療にも適用される可能性がある。
 さっそく自民党周辺からは「常識をくつがえす、いかにも宇宙人らしい発想」とのイヤミが聞かれる。
 総合病院の事務長を務めた医療ジャーナリストの西松空也氏がこう指摘する。
「西洋医療は熱が出たら下げるという対処療法ですが、東洋医療は体の調子を元から整えていこうとする
根治療法です。2つの治療に保険が適用されることで、個々人の体調や体質に合わせた治療が行えるようになります」
 しかし、実現は容易ではないようなのだ。東洋医療の医師不足に加えて、若い医師を育てる教育機関が
ほとんどないし、東洋医療の場合、本当に効果があるかどうかを証明することが難しい。証明できる有効な方法が
見つかっても、臨床実験には相当の時間がかかる。
 それに、こんなに適用範囲を広げたら、日本の健康保険はパンクしてしまうんじゃないか。難問山積なのだ。
 鳩山首相の一見奇矯な発想は、「宇宙人に誘拐されて金星に行った」などとスピリチュアルな幸夫人の
影響かもしれない。だが、どうせやるなら、難病に苦しむ人たちに手厚い補助をするとか、もっと直面する病気に
目を向けた方がいいのではないか。