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allein in Deutchland

97年9月22日 5日目
城壁都市ニュルンベルグ

諸雑用

この日はいろいろなことをやらなければならぬ。まずフランクフルトで壊れた靴をずっと持ち歩いていたが、気に入っていた靴であり捨てるには惜しかったので、また修理さえすれば使えそうだったので日本に送り返すべく郵便局(ドイツ統一と同じ頃に民営化した)に出向く。当地では、郵便局のシンボルカラーは「黄色」であり、ここドイツでは「ラッパ・ホルン」のマークが目印になっている。ここで「シベリア鉄道経由」か「船便」かを聞かれてしまい、大いに戸惑った。その後、船便で送られた靴はどのルートを通っていったかは不明であるが、きちんと日本に届き、靴屋で修理して現在も愛用している(帰国後時間が経った頃に「Deutche Post AG」なる小包が届くのは非常に感慨深い)。42DM(3000円)と小包料は高め。その他当地で絵はがきを出す。安かったので覚えていない。

その次、服の洗濯。この旅行には2組の服しか持ってこなかった(そのうち1組はスーツ)。バス(とは行ってもシャワーのみのことが多い)付の宿につく度に洗濯するのだが、夕べはこれを忘れて寝てしまったため、換えの服がなくなった。そこでホテルのカウンターでクリーニング屋を紹介してもらう。そこまでは地下鉄で行かなければならず遠いのだが、ここ「インターシティホテル」の宿泊券には、「市内交通1日券」がついてくる(これには至極重宝した)ので、躊躇せずに出向く。店主と話をしたが「どんなに急いでも翌日午後までにしかできない」とのこと。洗濯物はその日の夜に洗うことにする。

城壁都市ニュルンベルグ

ニュルンベルグはバイエルン州第2の街であり、ルネサンスの時代はデューラーを生み、現代ドイツ史では第1回ナチ党大会や終戦後連合軍によるニュルンベルグ裁判(戦犯裁判)の舞台になった街である。

ニュルンベルグは城壁に囲まれた「Altstadt(旧市街)」を中心に広がっている。Altstadtでは建物のカラーリングに細心の注意が払われている。そのため、表通りでは町の建物から石畳舗装まで薄茶色もしくはピンク色である。日本人の感覚からすると壁と道とが同じ材質で出来ていることがなじめない。わずかに看板だけが街に彩りを添えている。

ニュルンベルグの旧市街は真ん中をペグニッツ川が流れており、その近くに聖ローレンツ教会と市庁舎がある。教会の中の店で絵はがきが売っているが、そこに第2次大戦後瓦礫の山と化した教会を写したものがあった。フランクフルトでも終戦直後の様子を見かけた絵はがきを売っていた。日本では類似の趣旨の絵はがきはまず手に入らなさそうだったので、おみやげに買ってきた。ここニュルンベルグの広場にも市場が店を連ねており、それらは200mほど先のペグニッツ川にかかる橋の上まで続いている。見ると食料品だけでなく鍋なども売っていた。

ペグニッツ川から奥はちょっとした丘になっており、その上にカイザーブルグと呼ばれる城がある。時間が来るのを待ってカイザーブルグのガイドツアーに加わる。城の中は埃っぽく、また採光も悪く、住み着こうものなら一気に喘息になりそうである。一通り見て歩いたのだが、このような石だらけの家に人間が、それも城主様であろう人が生活しているのが日本の感覚では信じられない。

昔ニュルンベルグの市街地は半径600mの城壁内に収まっていた。しかし、人口50万人にもなる現在のニュルンベルグ市は城壁の外、かなりの範囲まで広がっている。城壁に沿って市街地の外周を走る市電に乗って郊外に出てみる。城壁の外はそれほど他のドイツの街とは変わらない。

ニュルンベルガーソーセージ

カイザーブルグの一部がユースホステルになっている(当初はここに泊まろうと考えていた)が、今回はペンジオーン(ビルの1フロアを部屋にしている安宿)を借りる。部屋は3畳ほど(バス・トイレ共同)で、窓も小さく細長いものがついているだけだが、窓や机、流しやタンスの配置がヨーロッパの典型的な安下宿のような雰囲気であり悪くない。50DM(約3500円)。

夕食は市内にある有名な店でビールを飲みながら取った。ニュルンベルガーソーセージはドイツにしては珍しく小指大のコンパクトサイズである。いい味が出ており、またそのコンパクトサイズは日本人受けするかもしれないが、その小ささが自分には物足りない。フライブルグで食べた30cm程もある巨大ソーセージを思い出す。付け合わせのザワークラウト(キャベツ酢漬け)はポン酢味の白菜のお浸しの味がする。テーブルの上にある飾りもののようなプレーツェルやカゴいっぱいのパンをサービスと思って食べたら、その分もしっかり勘定を取られた。

食後ほろ酔い加減で街に出るが、時刻は夜の8時を回っており、市内の店はほとんどが閉店してしまっている。その上「コンビニ」なるものは全くなく、自販機もタバコの自販機のみ。仕方がないのでそのまま下宿に帰って、部屋の流しで洗濯して夜食に「CUP NUDELN(日清カップヌードル。容器は日本の発泡スチロールのものとは異なる)」を食べて、寝る。

翌朝、パンとハム・チーズの朝食を食べる。ゴマのかかった丸パンが香ばしくておいしい。ライ麦を使った黒パンはおいしくないのだが、クセになる不思議な味がする。「面白い」と思いながら食べる食べ物はなかなかお目にかかれないものだ。この2種類のパンは出される度に必ず食べた。

続き(9.23:ミュンヘンに向かいます)


更新日 2005.1.26
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