2008年グアム運用記

KH2/JH1WXT,KH2/JR1WMO

グアム旅行は4年連続になり、
最初の年こそアマチュア無線の運用はおこなわなかったのですが、
今回で3年連続のグアム運用をおこないました。

過去3回が家族同伴だったのと違って今年は長男・長女が就職したため休暇日程があわず
二人だけの旅行となったので、
今までのコンドミニアムホテルではなく一般的なホテルに泊まることとしました。
宿泊ホテルは、アマチュア無線の運用を前提としたJA方面のロケーションと、
快適なホテルライフを求め、
タモン湾沿いホテルのボイジャークラブ・オーシャンフロントルームに決め、
このカテゴリーの部屋は全600室のホテル全体でわずか3室しかないため、
昨年12月初めに航空券を押さえた直後に予約しました。
航空券は特典航空券を使うこととしたので、
2または3月で週末に空きがあるのは2月22日から26日だけでした。


2月22日(金)

午前6時に車で成田空港へ向け出発、
渋滞もなく7時過ぎには予約してあったパーキングへ到着、送迎車に乗り換え7時半前には
チェックインカウンターへ並ぶことができました。
この時間帯のチェックインカウンターはアジア近郊方面への出発便が多く
少し待つことになりましたが、問題なくチェックイン終了、
8時過ぎにはセキュリティチェックと出国審査を終え、
DFSで現地での乾杯用シャンパンを購入して出発ゲートへ入りました。
昨年までの10時出発から30分早い9時半出発となったJO941便は少し出発が遅れましたが、
ほぼ定刻にグアム国際空港に到着しました。
昨年まではグアム入国に際し、ビザなしの場合グリーンの入国カードを提出していたのですが、今回は白のカードにもう1枚別カードに記載することで指紋採取が不要となり、
今までは入国審査にずいぶん時間がかかっていたのですが、
今回はほとんど並ぶこともなく入国ができました。

ホテルにチェックインし割り当てられた部屋は21階建ての20階で、
バルコニー正面にタモン湾が広がるオーシャンフロントルームです。
JA・EU方向に遮るものはありませんので電波伝搬に期待がふくらみます。
初めてのホテルなのでアンテナ設置については様子がわからないため、
荷物にはなるのですが、
ローディングコイルをスライドして各バンドにマッチングをとるタイプのホイップアンテナと、
伸縮式のグラスファイバーポールを利用してワイヤーを張り
オートアンテナチューナでマッチングをとるタイプとの2種類を持参しました。

オートアンテナチューナを使うアンテナの方がバンド変更が容易で
使い勝手は格段にいいのですが、
バルコニーに出てみると両隣の部屋から丸見えで眺望上問題となる可能性があり、
ホイップアンテナだけを設置することにしました。
バルコニーの手すりはホームページで見た写真どおりだったので、
約30分で問題なくアンテナを取り付けができました。







トランシーバにアンテナをつないで21MHzを受信したところ、
昨年までは悩まされた都市ノイズがほとんどありません。
明日からの本格(?)運用が楽しみです。
聞こえていたJA局とQSOして飛び具合をチェックした後、
ABCストアへミネラルウオーターとビールの買い出しへ出かけました。

このホテルでは、ボイジャークラブルームの宿泊者は、21階のクラブ専用ラウンジで
朝食と夕方5時からの軽食が、無料で提供されます。
特に夕方は沈んでいく夕日を見ながらのビール・ワイン・カクテルと軽食が楽しめます。
この時間帯は18/21MHz帯ではコンディションが良好な時間帯なのですが、
5時過ぎから日の入りの6時半頃まで、4日間毎日ワインに負けてしまいました。



23日(土)

朝食後、日本に残した娘たちからリクエストされた土産品などの買い出しをすまし、
現地時間の正午前から21MHzで運用を開始しました。
プロパゲーションは悪くはないようですがパイルアップになることはなく、
1時間で30局程度の比較的のんびりとした運用です。

運用中、現地のKH2JU/Dannyさんからコールがあり、アイボールQSOをすることになり、
夕食前にホテルロビーで会い、明日昼間シャックを訪問させていただくことになりました。

この日は土曜日なので多くのJAとQSOができると期待していたのですが、
21MHzの状況はあまり芳しくなく、18MHzにバンドチェンジしましたがこちらも同様でした。

ラウンジで夕日を眺め、
7時前に18MHzSSBをワッチしたところヨーロッパがRS59でよく聞こえています。
YO4NAとQSOした後、
CQを出しているイタリア局を呼んだところ控えていたもう1局が出てきました。
このパターンはKH0から運用したときも時々ありました。
2局のイタリア局とのQSO終了後、数局がこちらを呼んでいます。
この周波数はCQに応答した周波数なのでしばらく聞いていたのですが、
イタリア局は出てこないのでQRZを出すと、ONから呼ばれました。
その後さらに2局とQSOしたのですが、アイボールの時間なのでQRTとなりました。
18MHzは明日からも期待が持てそうです。



24日(日)

日曜日はサンデーシャンパンブランチがあるので昨夜予約し、
開始時間早々にレストランへ行きました。
シャンパンが飲み放題とは知らず
1杯のグラスを大事に飲みながらビュッフェスタイルのブランチをとっていたところ、
シャンパンもおかわりができることが解り、
結局昼前から3杯のシャンパンを飲んでしまいました。

12時にDannyさんと待ち合わせ、彼のシャックへ車で連れて行っていただきました。
タモン湾の中心街から北東方面へ20分くらい走った郊外にシャックがあり,
近くに住宅は少なく、絶好の無線ロケーションです。
2本のクランクアップタワーと3台の200Wトランシーバーがメインとなっています。
クラブ局WH2DXが併設され、レンタルシャックとしても使える立派なシャックです。



シャックからホテルへの帰路、
南太平洋戦没者慰霊公苑(South Pacific Memorial Park)と
恋人岬(Two Lovers Point)へ案内していただきました。
今回が4回目のグアム旅行なのですが、
すべて個人手配だったので観光地へは全く行っていませんでした。

3時過ぎにホテルへ戻ってからは、21MHzで運用開始です。
この日はコンディションにも恵まれ、また、日曜日ということで多くのJAから呼ばれ、
1時間強で74局のQSOができました。
21MHzでのQSOが途切れたので
18MHzにチェンジして10数局のJAと1局のEUをLOGに加えました。
EU方面のプロパゲーションはよかったのですが、
この日は7時から別のホテルレストランのディナーを予約していたので、
早めのQRTとなりました。


25日(月)

午前中はIBPビーコンを聞く限りではプロパゲーションは良さそうですが、
月曜日ということか、JAはほとんど聞こえてきません。
また、W方面は建物に遮蔽されているので全く聞こえませんので、
カメラをぶら下げ外を散歩して過ごしました。

昼過ぎからは、バンド変更のたびにバルコニーへ出ることになりますが、
18/21MHzを行き来しながらのんびりQSOができました。

この日も5時過ぎからラウンジでワインを飲みながら夕日がフィリピン海に沈むまで眺め、
部屋に戻って18MHzを聞いたところ、この4日間で最高のコンディションです。
18.135MHzでCQを出してQSOを始めました。JAに混じってEUも呼んできます。
30分くらい呼ばれたところで突然S-9ほどのノイズが発生し、QSOが困難となりました。
7MHzのドラゴンノイズに似たノイズです。
ところが周波数を10kHz下げると全く問題がなくなるので、
18.125MHzに周波数を移して運用を再開しました。
この周波数ではEUが主でJAも含めて30分以上呼ばれ続けましたが、
8時にディナーを予約してあるので、後ろ髪を引かれる思いでQRTとなってしまいました。

この日は30局以上のEU局が18MHzSSBのLOGに加わりました。
EUに対しては地上高の効果が大きいようで、
出力50Wにエレメント長1m強のホイップアンテナとは思えないほどの飛び具合でした。


26日(火)

今日は帰国の日です。
出発日までは長く感じていたのに、
4泊5日のバケーションはあっという間に終わってしまいます。

今朝もJA2IGYビーコンはよく聞こえますが、
アクティビティのせいでしょうか、信号は聞こえてきません。
チェックアウトは12時、帰国便JO942は3時25分発なので時間的には急ぐ必要はないのですが、早めにアンテナの撤去を始めました。
1時間ほどでアンテナの撤去・荷物のパッキングが終わり、
チェックアウト時間までのんびり過ごすことができました。

JO942便はほぼ定刻に成田に到着、
心配していた雨が雪に変わることもなく、8時過ぎには自宅に帰ることができました。


グアムのインターネット事情

宿泊したホテルは、インターネット上では無線LANが使えると記載されていたのですが、
客室内のディレクトリにはその記載がありませんでした。
実際には802b/gが使用可能で、持参したノートPCでインターネットに接続できました。
しかし電界強度は弱く接続が時々途切れる状況でしたので、
測定はしませんでしたが、通信速度はかなり低いようです。
無線LANの使用料はかかりませんでした。
ノートPCはデジカメ画像の保存とインターネット・メールに使用し、
LOGには使用しませんでした。


IBPビーコン

今回は14/18/21MHzのIBPビーコンを受信してプロパゲーションのチェックをしました。
JA2IGYのビーコンがあまり強くなくてもJAの信号は結構強く入感してました。
送信出力・アンテナゲインの違いかと思われます。

14MHz以外ではビーコンは結構強く入感していても
アマチュア局の信号は聞こえない状況はかなりありました。
アクティビティの問題と思われます。

KH6のビーコンは弱いながらも聞こえますがW本土は聞こえません。
アンテナロケーションの問題と考えられますが、
18/21MHz帯で北米とQSOしているJA局は聞けませんでした。

ZLのビーコンは聞こえますが、VKは聞こえませんでした。
聞いていた時間の問題かと思われます。

VR2のビーコンはJAより強いときが多かったのですが、
18MHz帯では逆転する時間帯もありました。

EUのビーコンについては、EUが開く時間帯には聞いていなかったので、
ビーコンの強さと実際のEU局の入感状況の関係は不明です。


使用無線機器

トランシーバ : FT-857D 50W仕様
アンテナ   : ATAS-25 (by YAESU)
電源     : MFJ-4125 13.8V 25A