ボラボラ島旅行記

自家用車で家を出発し、成田空港へ。
先月も利用した第一ターミナルに着き、すぐさまチェックインして出国審査を受けた。
そしていそいそとビジネスラウンジへ・・・そう、今回もビジネスクラス利用の旅行。
フレンチポリネシアのタヒチ、パペーテまでは飛行時間11時間。
相方が「ビジネスじゃなきゃダメ」と言い張って、贅沢三昧旅行となった。

飛行機は12時に離陸。南東へ飛行するので2、3時間もすればもう夜。
10,000m上空では星空だった。
窓から見事な北斗七星が見えた。
ハワイ、マウナケアから見る星より綺麗。
マウナケアは4,000mで、それより6,000mも高いところから見るので、さすがなのかもしれない。

成田からパペーテまで11時間。パペーテからボラボラまで45分。
ボラボラの空港から本島までフェリーで15分。港からホテルまでバスで20分。
自宅を出発してから20時間かけてやっと目的地に着いた。
20日の朝家を出て、20日の昼に着いたのだ。何だか不思議だ。
時差は19時間。
今日の日本のお昼「正午」は、フレンチポリネシアでは昨日の夕方5時。
頭がややこしかった。

パペーテに着くと、すぐに両替。
無線の免許の受け取りに3,000CPF必要で、
出来るだけ早く受け取りに来いと言い渡されていたのだ。両替所は一カ所しか無く、しかも長蛇の列。自動両替機は「取り扱い中止中」。
どうしよう。ふっと見るとお土産やさん。
"Can I use Japanese YEN" と尋ねたらOKとのこと
、小物を買ってお釣りを現地のお金にしてもらった。
おかげで両替3分。思いっきり裏技を使ってしまった。

ボラボラ島の道路は悪路。あれなら交通事故は起こらない。
スピードを出すことは不可能。
だって、飛び上がって放り出されてしまうくらい、穴ぼこだらけ。
まぁ、信号もないくらいの小さい島だった。

やっとの思いでホテルについて、部屋に案内されてびっくり。
どこもかしこも花飾りで一杯。
ベッドも机も洗面所も、トイレまで・・・思わずあ然としてしまった。
別にハネムーンで申し込んでいたわけではないし、こんな地味な熟年夫婦に派手な花飾り。
何と不釣り合いなことか・・・





何でも、「大変よくご利用いただいておりますので、
感謝の気持ちでシャンパンをご用意させていただきました」とのこと。
いわゆるハネムーン待遇だったようだ。パレオ2枚もいただいた。
利用したホテルはクラブメッドで、私自身は7カ所で計9回宿泊している。
それでなのか?驚いた。
花もプレゼントも嬉しかったけど、シャンパンには感動。
(飲兵衛)ありがたく、晴れた日の夕方、ベランダにて飲み干した。

お天気は雨。風も強く、一日でも良いから晴れてくるようにと祈った。フレンチポリネシアは雨期。暑いけれど、風もあるので東京の夏よりは楽。

時差呆け防止のため昼間は寝ずに頑張った。
相方はアマチュア無線の機械をセッティング、私は衣類と日用品を整理。
実質滞在期間は5日間なので、結構仕事はある。
洗濯などはランドリーもあるのだが、下着などを出すのも憚られるので、
コインランドリーで毎日洗濯した。長期滞在者のための施設なのだ。
家族で宿泊するときは、人数が多いので一仕事になる。今
回は二人だったから、楽なもの。


夕ご飯のあとは、ショーがあったり、バーで飲んだりとお楽しみが満載なのだが、
さすがに疲れがピークとなり早々にダウンしてしまった。


2日目

初めて迎えたボラボラの朝は、雨音と風の音で始まった。
雨期だから、雨が降ることは覚悟していただが、ここまでとは予想してなかった。
短い時間ではあるが、激しい雨と激しい風に見舞われた。
私たちのコテージは、パブリックスペースに最も近いところに位置していたので、
レストランもバーもあまり苦労せずに利用できた。
それでも、結構濡れるほどの雨降りだった。

そんなわけで、部屋で過ごすことの多い一日となった。
私は持参した宮部みゆきの本を読みふけり、相方はアマチュア無線の運用と、
インドアの楽しみに夢中になっていた。
とはいえ、ずっと部屋にいてもつまらないので、バーに行って本を読むことにした。
クラブメッドのコンセプトにオールインクルーシブというものがある。
ツァー代金にすべて含まれている。
航空代金、送迎代金、宿泊代金、食事代金、食事中のワイン・ビール代、
バーでの飲み物代(一部を除く)、スポーツプログラム+レッスン代等々。
つまり、バーで飲み放題で本を読める。

バーでのんびり飲んでいたら、ネコが通りかかった。
ネコを見かけると、礼儀として声をかけることにしているので、舌を鳴らして呼びかけた。
このネコが人なつっこくて、すぐやって来るなり私に身体をこすりつけて挨拶。
暫く私のそばでゆっくりして(寝てた)、また出稼ぎに出て行った。
その後も、バーで何度も遊んでくれた、かわいいネコだった。



3日目

今日から三日連続のエステを予約。
第一日目はオイルマッサージ60分。
簡単な英語を話してくれるフランス人の女性エステシャン。
「ぐぅ」って自分の声で時々目が覚めた。よかった、涎は出てない。
足の指一本一本をマッサージしてもらったら、つり気味になって疲れていたことを実感した。

午後からはシュノーケリングボートに乗った。
ポイントまでは10分程度。
海の色が濃紺からグリーンがかったブルーになり、
そしてトルコ石を溶かしたような色に変わっていった。
こんなにブルーの色だったら、魚達は染まったりしないのだろうか。
水中を泳ぐと、まるで水晶の中を泳いでいるように透明な海だった。
車麩を持参していたら魚達に大人気で、
「魚に触れてはいけません」と言われていたのだが、
あっちから体当たりしてくる勢いなのでどうしようもない。
お麩のおかげで「魚達には」モテモテだった。





この日、ホテルには日本人ツァー客は私たちだけになっていた。
滅多にないことなのだと日本人スタッフが説明してくれた。
ここのシステムで、スタッフも一緒に食事する。
ここの日本人スタッフは二人しかおらず、
一人はシェフ、一人はレセプション担当なのでどうしても、
レセプション担当が表舞台に経つことになる。
休みが取れないとか、なかなか悩みもあるようだ。

と、三人で食事しているとマネージャーが挨拶に来た。
「楽しんでいますか?食事は美味しいですか?
実は今夜あたりから、嵐が来るという情報があります。
ベランダの机や椅子を部屋の中に入れ、しっかり戸締まりをしてお休みください」
ひぇ〜、嵐かよ。でも、嵐の前の静けさ?部屋に戻るとき、天頂にオリオンが見た。


4日目

マネージャーが心配するより嵐は吹き荒れることなく、しかし強い風の中で朝が訪れた。
上々の天気。晴れ間が広がり、今までで一番の美しい海が目の前に広がっていた。
時間が経つに従って、私たちのコテージ前の浜辺には、
日光浴をするトップレスの女性達が寛ぐようになってきた。
こちらの方が遠慮して、ベランダに出られなくなってしまった。(笑)

本日のエステは、ホットストーンマッサージ。
なめらかで薄めの丸い石を使ってのマッサージ。
テレビなどで、見たことはあったのだが初体験だった。
ちょっと熱めの石で、チョンチョンと身体に触れて慣らしてから、
オイルで滑らすようにマッサージ。
額や喉、胸に暖かい石。足の指の間に暖かな石を挟んでいく。
身体全体が暖かくなっていく。
そこに丸い石が全身を滑っていくわけので、夢見心地だった。

だいぶ風が収まってきたので、
ホテルの向かいにある小島「モツ」へのシャトルボートで出かけた。
昨日のシュノーケリングも、「モツ」へのトリップも、
ツァー代金に組み込まれてるから、何回参加しても無料。
時々パラパラと降る雨のおかげか、綺麗な虹が見えた。
そして、次第に雲が晴れてゆくオテヌマ山を見ることができた。
ボラボラ島のシンボルだ。





夕方、風がすっかり収まった。食事の前に桟橋を散歩した。
天空は満天の星。オリオン、シリウス、カノープス。
残念ながら、南十字星は時間の関係で見えなかった。
桟橋に座り込んで星空を見上げていると、すり寄ってくるネコ。
暫く一緒に星を眺めていたのだが、夕食の時間になってしまったのでネコにバイバイ。
名残惜しそうに後を追ってくれたのだが、
今日は桟橋がお気に入りだったようで、桟橋の端で見送ってくれた。

この日の晩は、日本人同士大いに盛り上がって飲み過ぎてしまった。
いつもなら眠ってしまうのだが、
この日のイベントがカジノだったので思わずルーレットで盛り上がり、
その勢いでバーに繰り出してしまったのだ。
おかげで部屋に戻ったのは午前様。遊びすぎた。


5日目

雨が降ったりやんだりと、不安定なお天気だ。さすがに飲み過ぎた。
目が覚めたら7時半。もう朝ご飯が始まる時間だ。
じつは、4時半に一度起きて南十字星が見えるかどうか確認したが、
残念ながら曇天で、諦めた。そしたら、寝坊してしまった。

最後のエステはアロマテラピー。
さすがに3日連続なのでお互いに慣れてきて、
説明がなくてもサッサと支度できるようになっていた。
フランス式のエステって、まず仰向けから始まる。
それからうつ伏せ。
アジアのエステだとうつ伏せの時、顔をはめ込んで息が出来るようにしている。
ここでは、普通の施術台なのでうつ伏せの時は、かおを横に向けないと息が出来ない。
アジアって偉大かも・・・

今日は前から気になっていた桟橋付近を個人的にシュノーケリング。
コテージ前の浜辺からエントリーして桟橋まで・・・
どんどん海の色が変わっていき、海水の温度も変わっていき、
やがて珊瑚の海に・・・お麩で魚達を集めて遊んだ。
やはり、連れて行ってもらったシュノーケルポイントより透明度は低いようだ。
それでも結構楽しむことが出来た。
海からあがってからは、少し日光浴。
吹き渡る風が気持ちよくて「南の島」を実感した。
太陽の光と吹き抜ける風。海の煌めき、椰子の木の影。最高!



クラブメッドでは、夕食時のドレスコードが提案される。
例えば「花柄」とか「黒」とか・・・本日は「アジア」。
浴衣が大活躍。キモノはアジアそのもの。何人ものフランス人に声を掛けられた。
ただし、意味はさっぱり解らない。
でも、「コスチューム」がどうの「トレビアン」どうしたのと
ニコニコしながら言っていたので、たぶん褒められていたんだと思う。
解らないけど「メルシー」と言っておいた。
スタッフ達はチャイナドレスとかアオザイなどを着ていたが、
さすがに手間のかかる浴衣を着る人はいなかった。
滞在している日本人でさえ帯が結べないという理由で、浴衣は敬遠されているようだ。
作り帯はかさばるし・・・目立ちすぎてしまった。


6日目−帰国の日

長いはずの一週間もあっという間に過ぎてしまうもの。
気がつけばもう最終日。
朝7時に起床して荷造りをはじめた。
おおむね詰め込み終わったので、朝食へ。
ボラボラ最後の朝食。吹き抜ける風の中で食事。
鳥たちがレストランにまで入り込んで一緒にお食事。いつもの風景。ちょっと寂しい。



12時にチェックアウト。長い旅が始まった。
パペーテまで移動してから、インターコンチネンタルホテルタヒチへ連れて行かれた。
実は、私たちが乗る飛行機の出発時間が翌日の朝3時。
約8時間ばかりここで過ごし、待機するということなのだ。
午後5時から午前1時まで過ごす部屋として与えられたのは、
廊下が雨でぐちょぐちょとした暗い廊下の先にあった。
宿泊客ではない私たちには、こんな程度の部屋で上等とでも言うのだろうか。
おまけに冷房は最低温度に設定しても汗ばむという状態。
ドアを開け閉めするたびに、蚊が入ってくる。部屋で3カ所も喰われた。
インターコンチネンタルホテル系列、もう泊まりたくない。
結構良いホテルだと思っていたのになぁ。
「あたいは、がっかりだよ〜」(桜塚やっくん風)

深夜のパペーテ空港は大雨。
ラウンジから不安な気持ちで外を眺めているうちに、搭乗時間。
やっぱり大雨。パペーテ空港にはボーンブリッジはない。
つまり飛行機まで歩けということだ。
外は大雨、つまり・・・座席に着いたときは濡れ濡れ。
エラい目に遭ったが、天気ですから仕方ない。

飛行機は北西方向に飛行。つまり2時間ほどで夜明け。
でも眠いので、シェードをしてほとんど全員就寝。
長い一日でしたから、滅多になく私も爆睡。よく寝たぁ。



成田は寒い。真夏の島から、真冬の日本へ。
世界は本当に広いものだと実感した。長いようで短い一週間だった。
相方はもう、次の旅行を計画しているようだ。
どこへ行くのだろう。開けてからの、お・た・の・し・み・・・