強殖装甲ガイバー

作者・高屋良樹 連載・月刊少年キャプテン(強殖装甲ガイバー15巻の時点で廃刊。以後、月刊エース・ネクストにて連載)



「強殖装甲」と枕詞まで付き、「ガイバー」という何やらヒーローじみた名前まで付くタイトルは、

どう見たってヒーローものの題にしか見えない。

もちろん期待を裏切らず全くのヒーローものなのだが、ヒーローものを漫画で描くとこうも格好良くなるものか!と感動した。



まず表紙を見た限りでは、青系の装甲に身を包んだ主人公はギャバンを始めとするメタルヒーロー系に思えるが、

実はメタルなどおよそ一部分もない、完全に「有機的」な装甲だったりする。

(主人公がガイバーの名を呼ぶと、、ユニット・ガイバーが主人公の体と融合し、そして無敵の“強殖装甲”になる)

敵(ショッカーで言えば怪人)も、人間の体を”調整”して獣化兵(ゾアノイド)に改造されたものであるし、

敵がレーザー砲を装備しているならそれは決して機械の熱線銃なんかではなく、体に備え付けの「生体レーザー砲」なのだ。

つまりはロボットとロボットの戦いではなく、生物兵器の戦いである、そこが面白いと思う。

それにしても敵のゾアノイドやゾアロードのビジュアルの格好良さ!

巻末の設定資料にある詳細な設定は読み応えがあるし、「怪獣図鑑」的な面白さがある。

作者がどこかで「ウルトラマンの怪獣のソフビを300体持ってる」とコメントしていたが、

正にゾアノイドなんかは怪獣のイメージだと思う。とにかくカッコいい。



最初はつまらないとは思うが、読み進めていく内になかなか破天荒な展開になってきて

というか話が拡大してきて、敵も単なる秘密結社に終わらず、十二神将(ゾアロード)が出てきたり、

アルカンフェルなる大ボスが出てきたり、さらにそれを生み出した「降臨者」なる存在があったりと、

未だ連載は続いているのだが実際終わるのかどうか。

でもやはりヒーローものといったらこのくらいの規模で丁度いいと思うのだ。

ところでアリゾナ・モニュメントバレーまで行ったのだが、クロノスの本部基地は見つからんかったよ。