賭博黙示録カイジ

作者・福本伸行  連載・ヤングマガジン



ギャンブル漫画というモノは、本来自分だったら特に読まないジャンルなのだが、

この漫画は例外である。

何よりギャンブルというものを、ロシアンルーレットのようなもの、

つまり賭けているのが命というだけで、実際はただの運否天賦、行き当たりばったりとして描いていない。

ギャンブルは心理戦なのだ。心の探り合い、裏のかき合いである。

以下の利根川のセリフが、それを特に強く語っている。

※以下・Eカード編の利根川のセリフより少し抜粋



「どうだ…?カイジくん 面白かろう…! これが本当の会話だっ…!

今やっているEカード これは相手の真実…心を… 追い続け突き止めるギャンブル

混じりっけなし本当の意味で 心と心の会話なのだ この会話の純粋さ真実さ加減に比べれば

日常での友との会話など たとえそれがどんな相談事 打ち明け話であろうと 全部虚仮…嘘ばかりだ…!

しかし… このEカード この心理戦がらみのギャンブルは違う…! 言葉一つ発せずとも…

真剣だっ…! 真剣に互いの心を測ろうとしている 真実を追いかけている

ギャンブルこそ 国籍・年齢・貧富の差・性別…そういうあらゆる垣根をあっさり乗り越え 語り合える…

共通の言語なのだ…! 特に… このEカードのような心理戦はな…! 」



膨大なページ量が主人公・カイジの心理描写に費やされ、カイジは全編にわたって汗かきっぱなしで、

とにかく読んでいるだけで、緊迫感で胸が潰れそうになる漫画である。



そして上記の利根川のセリフにある「Eカード」とはどういうギャンブルか!?

これはこの項ではお教え出来ないが、かといって調べてもどこにも載っていないはずだ。

それもそのはず、この漫画に出てくるギャンブルのほとんどは、作者福本伸行氏の完全オリジナルギャンブルなのだ。

既存の運否天賦のギャンブルでは満足行く心理戦を描けない!と思ったのだろうが、

オリジナルにしてはその緻密な設定がすさまじい。

ギャンブル漫画の金字塔と呼ばれながら、既存のギャンブルを使用しない、かつてこんな漫画があっただろうか。



ところで福本先生の描く人間は、数ある漫画の中でも特に独特である。

一例を挙げるとすればまず主人公のカイジ。高々とそびえる

クギが打てそうなアゴ。全体の顔のラインなんか、スマートというか、極シャープとでも形容しようか。

下手で申し訳ないのだが、管理人の描いたカイジの横顔をとりあえず見てもらいたい。

(ゆっくりスクロールしていってください)

















管理人画・カイジ



福本先生はゲルニカでもモデルにしたんだろうか。

管理人の絵が下手なのも一因だが、とりあえず原作でもこんな感じである。

ちなみに素で耳を描くのを忘れたのは不吉としか言いようがない。