#13 緑色の小さな墓標



感想垂れ流しですいません。もう今回は最高すぎる。





前号も前々号もそんな感じでしたが、とにかく荒木先生色に染まりきった感のあるウルトラジャンプ。

「今、オレたちこそがSEXY!」という、ちょっとダサいようなファッション誌みたいなアオリは気になりますが、

これが荒木先生に関わることであると何故か一瞬で許せてしまうこの不思議。

何より荒木先生の絵を見ている限り本当に頷いてしまう。今回も色彩や構図が本当に最高。

荒木先生はやはりイラストレーターとしても1級の感があります。

そしてさらに今回、「イラストレーター」的な仕事が数点。そう、UNIQLOのTシャツデザイン!

キラークイーン!キラークイーンが!Tシャツに!

何ですかこのツボを突き過ぎのTシャツは!買う覚悟を決めましたよこれで!

そしてCDのジャケットデザイン。SOUL'd OUTって知らないし聴く気もあまりしないんですが、

このジャケ絵なら買ってもエエ!



ようやく感想に入るんですが、ルーシーカッコエエ!

「あたしが見つかったら…あたしのせいで…彼が全てを負わされるッ!」

自分のことを顧みず、ただひたすら夫のことを考える良妻。

5部のトリッシュもそうですが、仲間や夫や、誰かを守るためなら全てを捨てられる、

ジョジョの女性キャラは皆そういった一面を持っているようですが、

これも荒木先生が世の女性に求めていることなんでしょう。最近の女性の歌う曲とか見ると確かに…


ブラックモアと大統領。ブラックモアは最初何を考えているのか解らないような顔で、

特にタレ目がそれを強調していましたが、今回ではガクンとツリ目になってしまいました。

最初タレ目+仮面(無表情)ということは、任務を淡々とこなす「殺人マシーン」的なキャラかと思いましたが、

リキエルのように一話で表情が変わりました。荒木先生は絵に関しては常に妥協してませんよね。

常に変化を求めているっていうか。そしてジョジョではかなり珍しいツリ目の彼。

この絵柄の変化がやっぱり効いたみたいで、今回表情がガンガン出ていて面白いです。


「ミセス・スティール…それをつかんで…そのロープを…」

マウンテン・ティムゥゥゥ!出ました!自分自身が不老の究極のイケメンである荒木先生をして、

「イケメン」と表された彼が! でも今回はイケメンというよりは男前!

ゴッツくなった顔と、傷跡が「男」を思わせます。もう、30代の渋い落ち着いた雰囲気が!

3rd.stageフィニッシュ辺りの絵柄の変更がきっと、まだ進行中ですよね。

そして今回彼の能力は、さらに他人の体もロープを通じて移動させられるものと判明しました。

それにしても能力名が気になりますよね。7部のキャラ全員。


「この世のあらゆる残酷さからあなたを守ってあげたい」

「わたしが旅の仕事から町に帰ったら…笑顔で挨拶してくれるだけでいい…

そのためなら地獄に堕ちるのも怖くはない…」

一人称が「オレ」、「本当に結婚してるの?残念だな?」なんて少々プレイボーイのイメージがあった彼ですが、

このセリフには心を打たれました。男だ!マウンテン・ティム!あんたは男の中の男だ!

それに対して、すでに夫を持つ身のルーシー・スティールの受け答えもいい。

「…出来ません……わたしの名前はルーシー・スティール…わたしが愛しているのはただのひとり…夫だけです

スティールという姓あってこそのルーシー

そしてこの後のマウンテン・ティムの表情!彼の心がダイレクトに伝わってくるようだ!

本当に荒木先生は、人の心の機微を僅かな表情の中にこめるのが上手いです。


「緑色の墓標」!ルーシーは遺体がここにあることを確信する!そして遺体が何かも解らないのに、

これだけの行動と決断を下せるのは凄まじいです。徐倫にもあった「集中力」は間違いなく、

彼女に受け継がれているのでしょう。

そして遺体がある原住民の遺跡に「緑色の墓標」と名付けられているということは、

原住民とその聖人の間に何か関わりがあるのでしょうか。この辺りが後々明かされる気がします。


マウンテン・ティム対ブラックモア!今回一番の燃える闘いです!

この2人の会話は渋すぎる。クオリティというか、ノリが5部や6部の頃とは全然違います。

ブラックモアはツリ目になってから、顔に味が出ています。ツリ目は初めてですもんね。ジョジョでは。

先手はティムの弾丸ですが、2発目、3発目を余裕でかわすブラックモア。

能力は「キャッチ・ザ・レインボー」!やはりリッチー・ブラックモア関連!

「触れた雨粒を空中に固定する」そうですが、肉体の移動が説明がつきません。

これはまだ能力の一部で、今後全貌が明かされるんでしょう。

あと、空中に固定した雨粒で光を屈折させ透明化したり、自分の虚像を作るといった応用を思いつきました。

もしかしたらこれで説明がつく部分もいくつかあるかもしれません。

そして強力な固定によって、ガラスの刃のように敵を斬れるようです。

これによってマウンテン・ティムの顔に亀裂が!バイツァ・ダストの描写に似ていて、一瞬死んだかと。

でもこの後死んでしまいましたが、その時のセリフは痛烈にカッコイイ!

「帰る所が欲しかっただけさ…旅に出たら帰る場所がな…」

泣かせるなぁ、彼は。

もう、ジョジョ全編の中で最も静かで、渋く、西部劇っぽさに溢れたバトルだと思いました。


1時間前出発したルーシー・スティールに易々と追いつくブラックモア。

馬より速いわけですよね。この間の肉体移動の描写とか、やはり何かがあると思うんですが…


脊椎を手に入れるルーシー。後のDIOのセリフから考えると、これは左目に見えた映像なのでしょうか。

だとしたらジャイロもこれを確認するはず。そしてこの遺体を手に入れたルーシーは、

やはり遺体を持つ資格がある人間のようです。ということは、この先ルーシー・スティールが遺体を身につけ、

スタンドを発現させて闘いに加わることも大いにあり得ますよね!

というよりその展開しかないと思いました。ジャイロとジョニィはまだ遠いようですし。



とにかく今月号も相当なテンションでした!ウルトラジャンプに載ってから荒木先生は、

全号を全力疾走している気がします。そしてこれだけのクオリティの絵と話を描き続けながら、

片手間に片付けるかのように美麗なイラストを描いてのけ、

そして単行本ではいつものように、何か謎かけのようなことしか言わず、愚痴の1つもこぼさない。

何だか描いてると涙が出てくる気がします。っていうか、今回のボリュームを考えると、

絶対に荒木先生は通常の漫画家の倍の倍ぐらいのハードワークをこなしている気がします。

一読者としてはうれしい悲鳴なのですが、それでも体には気をつけて欲しい。

この人には死んでほしくない。人類のために生き続けて欲しいとすら思うのです。



戻る

トップページへ