Yuto's Diary 10月後半

Yuto's Diary　10月後半

一番上が新しい書き込みです。

下線の引かれている単語には説明があります～。

10月31日（水）
　大気さんから電話がきた。
「オアシスでちょっとしたイベントをやるから来ないか？」って。
　大気さんの声にすっげーどきどきして、深く考えもせずに「行きます！」って答えてた。電話切ってからまたどうしようって心配しまくりだったけど。
　なんのイベントかと思ったら、オアシスの入り口のドアに小さいかぼちゃのオブジェが飾ってあって、今日はハロウィンだったんだなと気づいた。『本日は招待客様のみご入店可能です』と書いてあって、俺も招待されたんだってちょっと嬉しかった。
　中に入るとすでにミツルたちも来ていて、店内もいつもの落ち着いた雰囲気からは想像もつかないくらいに飾り立てられていた。みんなすでに仮装していて、俺もネコのカッコをさせられた。ネコ耳……かわいかったかも（レイジさんたちが知り合いから借りてきたらしい）。
　ちなみに、みんな（俺の知ってる人たち）の格好はこんな感じだった。
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・大気さん　…ルパンに出てくる石川五右衛門の着物。すっげー似合ってた！惚れ直したvvvvvv

・ミツル　…SMの女王様。網タイツはいて、きわどいハイレグ。なんで似合うのか不思議。

・レイジさん　…吸血鬼。ちょー似合ってた。牙とか（笑）

・ヨリトさん　…軍服。さすがモデルだけあってハマり役って感じだった。

・ミキさん　…フリルのいっぱいついた可愛い女の子の服。本人は軍服が着たかったらしい。

・シズク　…小人。白雪姫だっけかなぁ、７人の小人が出てくる話って。その中の１人みたいなやつ。思わず笑っちまった（かわいかったけどさ）

・優里　…黒猫。俺のとは違って、全身タイツみたいなのだった（俺のはタイツに毛がたっぷりついてたから、体型は隠れてた。よかった）。でもそれが似合ってた。細い体してるしな。

・歩夢　…犬。ドーベルマンみたいなやつ。やけにカッコよかった。なんで動物ばっかだったんだ？

・将典　…オオカミ男。レイジさんに張り合う姿がなかなかおもしろかった（レイジさんと楽しそうに話してた歩夢が好きみたいだな）。

・成　…魔王。こいつも歩夢狙い（？）だったみたいで、将典と一緒になってレイジさんのこと睨んでた（笑）

・タツヤさん　…スーパーマン！（爆）どうやらミツルに無理やり着せられたみたいだ。似合ってたけどな。

・たいぞうさん　…柔道着。似合いすぎてて、「私物？」って思わず聞いてしまった（そうじゃなかったらしい）

・マスター　…レレレのおじさん。なんでマスターだけギャグなんだ？

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　しばらくは飲んだり食ったりしながら騒いでたけど、突然レイジさんが「チークタ～イム！」と叫び、ばっと照明が落とされて、静かな音楽に切り替わって。
「踊りたい奴と踊れよー！」って声に、思わず大気さんを見てた俺。だって……大気さんとしか踊りたくなかったしさ。
　そしたらすっげー嬉しいことに、大気さんのほうから「踊らない？」って誘ってくれて、俺は曲が止まるまでずっと大気さんと踊ってた。すげー…………嬉しかったよぉぉぉぉ。

　小さな声で話しながら、周りにどんなふうに見られてるか気になって目を走らせたら、みんなそれぞれ楽しそうに踊ってた。
　特に、歩夢をめぐってのバトルが見ていておもしろかったな。レイジさんと楽しげに踊ってる歩夢を、すっげー悔しそうな顔で見ながら一緒に踊ってる将典＆成。それに気づいてるレイジさんが、わざと歩夢の体を抱き寄せたりして……かわいそうに（でも大気さんと一緒に笑っちゃったけど）
　シズクとたいぞうさんは仲むつましいって感じでぎこちなく踊ってたし、タツヤさんと優里もなかなか似合いのカップルって感じだった。
　ミツルはマスターと、ヨリトさんはミキさんと。その他にも、俺があまり知らない人たち（遅い時間の常連さんたちらしい）もそれぞれ踊ってた。
　何も知らずに店に入ってしまった人は、きっと異様な光景だと思ったろうな。俺にはすごく居心地がいい空間だったけど。

　それからパーティが終わって、大気さんが「今日は楽しかったよ」って笑いながら見送ってくれて……酔っ払ってふわふわしたいい気分で帰ってきた。このまま寝れるなんて天国だ。

　今日は本当にすごく楽しかった。マスターが「月に１度パーティするのも楽しくていいかもね」と言ってたし、ぜひともまたやってほしい！

10月28日（日）
　バイトが終わってからオアシスに行くかどうかで迷ってたら、マサアキに無理やり引きずられて行かされた。
　大気さんも当然いて、すごく気まずかったけど、普通にしてないとおかしいだろうと思っていつもどおり話した。内心すっごいどきどきしてたけど。
　大気さんもいつもとなんら変わりなかった。やっぱり日記は読んでなかったのかな。
「明日早いから」とかなんとか理由つけて早めに家に帰ってきちゃったけど…変に思われなかったよな？

10月27日（土）
　朝起きたらすでにオヤジは帰る準備をすませていて、急いで着替えて駅まで送って行った。
「正月は帰ってこいよ」って言われて、お盆に帰らなかったことを思い出した（エイズ事件があって）。
　どうなるかわからないけど、「必ず帰るよ」とは答えておいた。そう言わないと大量の人の前で怒鳴られそうだったから。
　それからすぐにミツルに電話をした。すぐには出なくて、昼ごろになってやっとつながった。
「大気さんの様子はどうだった？」って聞いたら「別にいつも通りだったよ」と答えられてしまい、実はやっぱり俺の日記なんて読んでなかったのかな……とも考えた。
　けど、それでも楽観的になんて考えられなくて、今日もオアシスには行けなかった。がっくし。

10月26日（金）
　突然。本当に突然、オヤジが来た。
　バイトが終わったらそのままオアシスに行こうとしてたのに、携帯に「今からお前の家に行くからな」と電話がきて、慌てて家に帰ったら、ドアの前にどーんと立っていた。いつもは作業着しか着てないのに、スーツなんて着てて、ちょっと変な感じだった。
「何しに来たの？」と聞くと「仕事で出てきたついでだ」といつもの様子で言い、「酒でも飲みに行くか」と強制的に居酒屋へ引っ張って行かれた。
　オヤジと２人きりで飲むのなんて初めてで、なんか、妙に緊張してしまった。沈黙が重たくて、家のこととかどうでもいい話を１人でべらべら話してた。オヤジはそれに答えてるだけで。
　だけど突然、「お前、今の学校出たらどうするつもりだ？」なんて超真剣な話を持ち出されて……「家に戻るつもりだよ」と言ったら、「そうか」としか答えてくれなかった。
　オヤジはそのまま俺の家に泊まることになって、結局オアシスには行けなかった。けど、オヤジと呑んでるときにミツルから電話が来て「オアシスおいでよー」と言われ（あれは絶対おもしろがってるんだ、あいつ）、「オヤジが来てるから行けない」って言って断っておいたから……大気さんもおかしく思わないでいてくれるよな？

10月25日（木）
　なんとなく気まずくて、オアシスに行けないでいる。
　マサアキからも「なんで行かないの？」って聞かれちゃったし（マサアキには大気さんに日記読まれたことは話してない）……俺も大気さんの顔が見たいから、明日は行こうと思う。
　だけど、大気さんにどう接していいのかわからない。
　何も気づかなかったフリをするのが１番いいような気もするけど、そんなこと俺にはできない気がする。
　困ったな、、、どうしよう（こればっかだな、最近）。

10月22日（月）
　１限が終わってから、もうどうにも気になってしかたなかったから、ミツルに電話してしまった。
　予想通りミツルはまだ夢の中にいたらしくて、１回目はすぐに切られてしまった（なんて奴だ）。だけどめげずに何度もかけなおしてたら、ようやくまともに取り合ってくれた。
「どうしても会って話したい」と俺がいうと、俺のせっぱつまった状態に気づいたのか、すぐに学校の近くまで来てくれると言ってくれた。
　3限目が始まる少し前に学校に現れたミツルはかなり生徒の中から浮きまくってて（なんか、発してるオーラみたいなもんが一般人と違ってた）、他の奴らの目から逃れるように近くの喫茶店へ行った。
　そこですぐに昨日のことを相談。焦りすぎでかなりどもってたけど、俺の話をミツルは根気よく聞いてくれた。
　ミツルの第一声は「てゆーか、ユウト日記なんか書いてんの？　かわいーv」で、俺はまたしても泣きそうになった。そんなことはどうだっていいんだよっ！
　ミツルはそのあとも笑ってたけど（そんなにおかしいことか!?）、いちおう相談には乗ってくれた。
　だけどミツルの結論は
「告白してみればいいじゃん」
　だった。俺にそんなことできるわけがないのに。
　だって、告白したところでどうなるかわからないし……告白して気まずくなるくらいなら、しないほうが絶対いいだろうし。
　でも、大気さんに気持ちを知られてしまったんだから──するなら今なのかもしれない。
　ん？　でも、大気さんに日記読まれたことを俺が気づいてないフリすれば……大気さんも俺の気持ちなんて知らなかったフリしてくれるんじゃないか？　だったら今のままでもいいのか？
　あーーー、もう訳わかんないよ！！！

10月21日（日）
　どうしよう！　どうしよう！！　どうしよう！！！！【←動揺してます】
　大気さんにこの日記帳を見られた！！！
　大気さんがこれを読んでるところを見たわけじゃないけど、絶対そうだ。だって、位置がずれてたし……確か表紙を裏にして置いておいたのに、俺が気づいたときには表になってたし！！
　いつ読まれたんだろう。俺がフロに入ってたとき？　それとも寝たあと？
　と、とにかくいつかはわからないけど、読まれたってのは絶対だ！！！
　どうしよう、全部読まれたんだろうか？
　まずい。まずすぎる。俺そこらじゅうに「大気さんLOVE」って書きまくってるのに！！！
　大気さん、帰っていくまで全然いつもと変わらない様子だったから……これを読まれたってことに気づかなかった……（今、日記書こうと思ってノートを探してて気づいた）。
　どうしよう。俺の気持ちに気づかれたなんて……まだ告白とか全然考えてなかったのに！
　泣きそうだ。どうしよう、どうしよう、どうしよう……………。

10月19日（金）
　今日バイトが終わってから速攻オアシスに行って、大気さんを「明日俺の家に泊まりに来ませんか!?」と誘った。自分でもびっくり。
　大気さんは驚いたような顔をしたけど、でもすぐに笑って「いいの？　じゃあ行かせてもらうよ」と言ってくれた！　すっげー嬉しかった。
　今日は俺の知ってる奴がいなかったから（オアシスに）、大気さんとゆっくり話せたし……すごいいい１日だった。
　明日のために部屋を片付けないと！　すごい楽しみだ!!


10月18日（木）　親からの仕送りだけではちょっと厳しくなってきたから（オアシスに通いつめてるせいかも……）今週は毎日バイトを入れた。そのせいでちっともオアシスに行けなくなってしまった。　さすがに大気さんに会いたくなってきて、学校が終わってからすぐに電話をした。けど、大気さんはまだ授業中だったらしく留守電だった。がっかり。　そのあと俺のバイト中に大気さんから電話がきたらしく、留守電にメッセージが残ってた。『また電話ください』ってことだったけど、俺がバイト終わった時間にはすでに大気さんはオアシスでバイトを始めてるはずで……結局留守電に『明日はオアシスに行きます！』ってことだけ吹き込んでおいた。　大気さん……会いたいよ～～。

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