Takara's Diary…9月全日

←8月後半  

一番下が新しい書き込みです。上から順に読んでください。


9月1日(日)
昨日は……なんか、いろいろあった。
けど、いろいろ話せてスッキリした。

結城先輩と佐野先輩と俺の3人で結城先輩の家に行ってたら、なんか突然酒盛りが始まった。酒はそんなに弱くないつもりだったけど、佐野先輩にガンガン飲まされて気づいたらかなり酔っ払ってた。
たぶん佐野先輩は最初から俺を酔わせるつもりだったんだ。んで、俺が酔っ払ったところで今井とのことをいろいろ聞き出すつもりだったんだろう。
だって俺がヘベレケになったところで、
「で、あの可愛い子とはどうなってるの?」
って聞いてきたし。くそー、うまくハメられちまった!
だけど酔ってたから俺の口もスラスラ動いて、2人に相談したいこともすんなり話せたんだよな。……余計なことまでベラベラしゃべっちまったけど。
中学の頃のこと、数ヶ月前に出会った今井は人が変わってて、それですごく気になったこと……話の流れで今井がクスリやってたことも話しちまったし、あのアホ教師との関係までぜーんぶブチまけちまった。
特に後半は、今井から聞かされたばかりのことも話して、そのとき俺思わず泣いちまって。  あー……こうして書いてるだけでも泣けてくる。

あの日今井から聞いた話は本当にショックなものだった。
今井のお父さんが今井を嫌ってるのは、今井が生まれたときにお母さんが死んじまったせいなんだって。今井のお母さんはもともと身体が弱くて、だからお父さんは子供を──つまり今井を──生むことを反対したらしい。だけどお母さんは『絶対に生む』って言ってて、それで……今井は無事に生んだけど自分はそのまま息を引き取ってしまったんだって。
「お父さんは、僕が生まれたその瞬間から僕のことを憎んでるんだ」
今井のその言葉に、俺の心臓は一瞬止まった。そんなこと……あるのかよって、信じられなくて。
だって、子供は望まれて生まれてくるものだろう? 最近は親に虐待される子供とかも多いみたいだけど、生まれたそのときくらいは祝福されてるんじゃないのか? それなのに、なんで……生まれてきた子供には何も罪がないのに、どうして恨まれたり憎まれたりしなくちゃいけないんだよ。今井が悪いんじゃないのに、どうして今井のお父さんはそんなふうに思ったんだよ……。

今井とお父さんの関係は、子供の頃からずっと今みたいな状態だったらしい。だから今井は子供の頃からずっと1人で、だけど孤独がどんどん辛くなって……それでクスリに手を出しちまったらしい。
それから……それからまだいろいろ聞いたけど、それは2人には話さなかった。
2人は俺が泣いたこととか、今井に関する話にきっと内心すごく驚いてたんだろうけど、俺の話をちゃんと全部聞いてくれた。
佐野先輩は「辛い相手を好きになったなぁ」って言ったあと、
「だけど、そういう話聞いてもお前はあの子が好きなんだろ? だったらずっと支えてやれよ」
って言って。
「きっとあの子にとってもお前は特別な奴になってるんだろ。じゃなきゃそんな大事な話しないだろ? ってことは、お前は責任もってあの子を大事にしなきゃいけないんだからな」
断定系で言われて、少し不安になったけどすぐに(そうだな)って思った。酒のせいもあったんだろうけど、(今井を守れるのは俺しかいないんだから、ずっと助けてやるんだ!)って心に誓ってた。
もちろんその誓いは今もきっちり残ってる。俺が絶対あいつを守り続けるって、何度も何度も胸の中で唱えてる。 ……ちょっとクサいか? でもホントにそのつもりだからさ。
俺も男だ、1度決めたことは最後まできっちり貫き通すぜ!!

そうだ、俺、昨日たぶんそんなようなこと叫んだんだ。
そしたら佐野先輩が、
「よし、よく言った! じゃあご褒美だ、しっかり見とけよ!」
とか言って、隣に座ってた結城先輩に抱きついて、キ……キスしたんだ! しかもすっげー濃厚な、舌の入ってるやつ!
たぶん結城先輩も酔ってて、だから俺が見てる前であんなキスに応じたんだろうけど……んで俺もすっごく酔ってたから「おお〜っ」とか言いながらしっかり見ちゃってたんだろうけど……今思えばすっげー現場を間近で見てたってことだよな!? ぎゃー恥ずかしい!!
くそ、思い出しちまった! ムスコがムクムクしてきちまった!
今日はもう遅いし、一発ヌいて寝よう!!!





9月2日(月)
昨日の日記、やたら長いな。まぁいろいろあったしな。

今日学校で佐野先輩と結城先輩にあったとき、いろいろ話させてもらった礼を言っておいた。2人は「なんかあったらまた相談しろよ」って言ってくれて、すごくたのもしく感じた。
だけど佐野先輩が耳打ちで、
「もしあの子といい関係になったら、今度はキス以上のことも教えてやるからな」
って言われちゃって……まさか2人の本番を見せられるのかとビクビクしたのはナイショにしておこう。

でも、もし今井とそういうことする仲になれたら………………俺、ちゃんとできるんだろうか?
……少し勉強しておこう。






9月6日(金)
学校のほうがいろいろ忙しくなってきて日記書くの忘れてた。

今井からはまだなんの連絡もない。
今どこにいるのか、元気でやってるのか、いろいろ考えると心配でたまらない。
だけど信じてる。今井は絶対に元気になって連絡してきてくれるって。だからそれまでは俺もガマンだ。携帯の今井でガマンだ。

そういえば……今井、学校中退しちまったけど、これからどうするんだろう?
確か前は「弁護士になりたい」って言ってた気がするけど……その夢は今も変わっていないんだろうか? だったら復学したほうがいいんじゃないかって思うけど(弁護士って大学行ってなくてもなれるのか? くそ、よくわかんねぇ)。
いっそのこと、俺たちの学校に入る……ってのはどうだろう。前にぽろっと言ったことあったけど、今度は本気で。そしたら1年以上は一緒の学校に通えるんだよな?
さ、誘いたい!!!!






9月8日(日)
いまいからでんわがきた!!!

おっと、興奮しちまった。書き直そう。
今日今井から電話が来た。「体調も良くなったから、今週中には退院できそう」だって!
電話越しの今井の声はすごく柔らかくて、ホントに調子が良くなったんだなって思わせてくれるものだった。ホントよかった。ほっとして思わず泣きそうだった。
けど、今井が続けた言葉にまた胸が詰まった。
「こんなことになるまでバカな真似して……橋本にもたくさん迷惑かけちゃって、本当にごめん」
そう言われたとき、『仕方ないだろ』って言いたかった。子供の頃からずっといろいろ溜めてたんだから、逃げたのも仕方ないよって。だけどそんなこと言ったって今井は喜ばないんじゃないかと思ったから、
「ああ、たくさん迷惑かけられたからな。帰ってきたら山ほど恩返ししてくれよ」
冗談めかしてそう言ったんだった。バカみたいに明るい感じで。
でもその選択は間違ってなかったみたいで、今井は笑いながら「うん、待ってて」って言ってくれた。きっと俺の大好きなあの顔で笑ってくれてたんだろう。……見れなくて残念だ。

それから少し話をして電話を切った。今井は北海道に行っても連絡くれるって言ってたから、それを信じて待つことにする。あー、俺からも連絡してー! けど俺からだと毎日とかしちゃいそうだもんな……。
そうそう、今井が今度行く北海道の施設の名前を教えてもらったんだ。明日学校のパソコンでサイト探してみないと。
最初「北海道にあるサナトリウムに──」って言われたんだけど、『サナトリウム』の意味がわかんなくて。けどそれを直接聞くのは恥ずかしかったから、とりあえず施設の名前からどんなところなのか調べてみようと思ったんだ。
今井がこれから行く所、俺もチェックしておきたいからさ!

つーか、「帰ってきたら俺の高校に通わないか?」って誘うの忘れてた! アホ! 俺のアホアホマン!






9月9日(月)
学校でさっそく調べてみた。昨日今井に聞いた施設。
……ちょっと、複雑な気持ちになった。

今井が行くことになっているそこは、精神科がメインの療養施設らしい。『自然の中でゆっくりと精神の安定を取り戻していきましょう』みたいなことが書かれてた。
それってつまり、今井もそういう治療をするために行くんだよな? 今井はそういう治療が必要な状態だってことか?
俺にはそんなふうには見えなかったし、そういうところでどんな治療をするのかもよくわからないけど……でも、それで今井がクスリをやらなくなるんだったら、きっと必要なことなんだろう。

エールを送ることしかできない自分がもどかしい。だけど、今の俺にはこれしかできないから。

頑張れ、今井。頑張って……早く帰って来い。






9月11日(水)
1日1日が長くて、だけどすごくあっという間にも感じる。
今井からの連絡は、次はいつあるんだろう。
もう北海道には行ったんだろうか?
苦しい思いをしてないだろうか?
毎日、そんなことをふいに考えている。
俺の生活、今井中心になってるみてえ。

早く会いたいよ、今井。






9月13日(金)
今日は13日の金曜日だった!
……特に何もなかったけど。

何もなさすぎてつまらない。
今井からの連絡はいつあるんだろう……。

最近の俺、こればっかだな。






9月15日(日)
今は深夜2時過ぎ(だからホントは16日)。さっき今井から電話が来た。
ああ、くそ。ペンを持つ手が震えてて、うまく字が書けない。
でも、今書きたい。今すぐに書きたい。書いて、頭の中整理しなきゃ。

「もしもし……橋本……?」
第一声の声がなんかおかしくて、舞い上がった気持ちがすぐにキュッと引き締まった。今井に何かあったんだって思って。
「どうした、なんかあったか?」
こんな深夜に電話をかけてくるなんておかしいなって思ったし、耳を必死にすまして聞いたら今井が泣いてるみたいだったから、過剰に反応しないほうがいいのかなって思って冷静に聞いてみた。
今井は、
「ううん、ちょっと……橋本と話したくなって」
としか言わなかったけど、きっと何かあったんだろうなって思わずにはいられなかった。ほんの少し「またクスリ使ってんのか?」って疑っちまった。だってそのときの今井は、俺が知ってる今井の中で、クスリを使ってたときの状態に1番近かったから。
いつもと違うテンションの今井に、俺は何を話していいのかわからなくなって……そしたら今井が突然話し始めたんだ。

「橋本、僕の名前……知ってる?」
「もちろん。『奏』だろ?」
「うん。…………あのね、本当は僕の名前、『かなで』になるはずだったんだ」
「かなで?」
「うん。『奏』って書いて、『かなで』って読ませるはずだったんだって。母さんが……男でも女でもそうつけるつもりだったんだって。だけど、僕が予定日よりも早く生まれて……母さんが死んじゃって」
「うん」
「父さんが……僕の名前、『ソウ』にするって……『予定日まで待てなかったこいつには似合いだ』って……早いって書いて『ソウ』にするって……そう言ったんだって」
「!」 ←俺、こんときなんにも言えなかったんだ
「だけど、それじゃあんまり僕がかわいそうだからって……おじいちゃんたちが父さんを説得してくれたんだって。母さんの意志もあるんだから……漢字は『奏』って字を使おうって。……だから僕の名前、『ソウ』なんだ」

今井の話は俺には衝撃が強すぎた。今井が生まれたときのことを聞いたときだってすごくショックを受けたけど、そのときの何倍も強いショックを受けた。
そんなのってないだろ!? なんだよ、その名前!! いくら親だからって……親だからって、そんなひどい名前つけようとするか!? ……って、俺思ったんだ。
だけど、今井の話には続きがあった。

「今日先生に言われたんだ。『君のお父さんも、君と同じように長い間心に病を抱えていたんだ』って」
「え?」
「辻岡が父さんを精神科の病院に連れて行ってくれて……そこでわかったんだって。父さん、僕が生まれたときから、ずっと……ずっと、おかしかったんだって。僕に対してトラウマみたいなのができてて、だから僕のこと……遠ざけてたんだって」
「そんな、」
「母さんが死んじゃったことを誰かのせいにして、少しでも気を紛らわせたかったから……だからそれが僕に向かっただけなんだって…………」

つまり今井が言うには、今井のお父さんは今井が生まれたときから精神的におかしくなってて、だからずっとあいつとまともに接することができなかったらしい。
そんなの俺は信じられねぇけど、でも、きっと世の中にはそういう人もいるのかなって思わされた。今井がウソを言ってるようには思えなかったし、医者がそう言ってるっていうなら本当なんだろうから。
けど、そんなの……そんなのって辛すぎる。なんで本当の親子なのにそんな……あーダメだ、涙が出てきちまう。

結局俺は今井に気のきいたことが言えなくて、一通り話したらすっきりしたのか今井は電話を切った。
せっかく今井が俺にあんな大事な話してくれたっていうのに……何も言えないなんて役立たずじゃねぇか俺。
あいつのこと助けるとかなんとか言ってたくせに! だらしない男で自分が情けない!
もっと器の大きい男になりたい!!






9月16日(月)
今井からメールが来た。
『昨日は遅い時間に変な電話してごめん。聞いてくれてありがとう』
って。あいつらしいよ、自分が辛いときにこんなふうに相手のことを気づかえるなんて。
どんな返事を返したらいいか迷ったけど、変に深刻ぶるより普通にしてたほうがいいかなと思ってこんなメールを送った。
『俺でよければまた電話してこいよ! いつでも待ってるから!』
そんなことしか言えない自分が情けなかったけど、少しは今井をほっとさせることができたのかまた今井からメールが来て、それから何度かメールをやりとりした。
北海道のことや自分の身体のことを少し教えてくれて、俺も学校のこととかメールして。そのときに
『もしまた高校に通いたいって思うなら、そのときはここに入らないか?←ここって俺の高校』
ってさりげなく誘ったら、
『前向きに考えたいよ。もし本当に行くことになったら、そのときはよろしく(笑)』
だって!!
もしかしたらこの学校に今井が来るかもしれないなんて! 考えただけで鼻血が出そうだ! よっしゃー頑張るぞー!(なにを頑張ればいいかわかんないけど)






9月20日(金)
また今井からの連絡が途絶えてしまった。どうかしたんだろうか。
いやいや、順調に治療してるって信じよう。

今日部活が終わって部室で携帯のチェックをしてたら、突然後ろから声をかけられた。
「おいおい、他の奴に見られたらどうすんだよそれ」
ちょうど待ち受けの今井を見てたときだからすごくビックリして、すぐに振り返ったら佐野先輩がいた。チョービックリだよ!
今日は自主練を1人でやって、部室に俺1人だったからよかったけど、他の奴がいたらぜってー携帯見られてたかも(声かけられたときデッケー声上げちゃったし)。そう思ったら、確かに佐野先輩の言う通りかもって思った。
待ち受けにしてたら、誰かに興味本位でパカッと開かれた瞬間に今井が出てきちまうんだもんな……いくら可愛くても男ってすぐにわかる奴を待ち受けにしてるってバレたら、変なウワサとか立てられちまうかも。
「アドバイスありがとうございます」
最初はからかわれてんのかと思ったけど、きっと佐野先輩は好意で言ってくれたんだってすぐにわかったからお礼を言っておいた。そしたら佐野先輩、急に自分の携帯取り出して。
「こんなふうに、保存してあるのをずっと開いた状態にしとけばすぐに見れるだろ。どっかに携帯置いとくときはちゃんと待ち受けに戻しといて、家にいるときとかはこの状態にしとけばバッチリ」
そう言いながら見せてくれた携帯の画面は、画像を開いた状態になってた。……ちなみに写ってたのは結城先輩(笑)。
そっか、そうだなーって思って俺もすぐにそうした。さすが佐野先輩、頭いいな。

結城先輩がいないのが不思議でどうしたのか聞いたら「今日は俺1人。進路のことでちょっと相談あったからさ」だって。そうか、3年生は進路のことで大変な時期になってきたんだな。
少し気になったから先輩たちの進路を聞いたら、2人とも同じ大学に進学するつもりらしい。
「けど、俺の学力じゃちょっと厳しいって言われててさ。だからスポーツ推薦狙えないかって相談してるとこ」
って。珍しく真面目な顔をしてたけど、きっと佐野先輩なら問題ないと俺は思う。
「2人ともきっと受かりますよ」
って言ったら、
「お前も1年後同じ大学入れよ。そしたらまた一緒にバスケできるだろ?」
って言われた。それはすっごい魅力的な誘いだけど、佐野先輩が入れるかどうか迷ってる大学に俺が入れる確率は……相当低いと思う。俺はスポーツ推薦狙えるほどバスケうまくもないし。
けど、もしホントに同じ大学には入れたらすごく楽しいだろう。そんでそこに今井もいたら……最高に楽しいと思う。
俺も少しずつ進路のこととか考えよう。






9月25日(水)
突然辻岡さんから電話が来た。
「都合のいいときに今井の家に来てもらいたい」って言われて、すっげー気になったから部活が終わってそのまま今井の家に行った。
そしたらそこには辻岡さんと今井のお父さんがいて! 内心今井が帰ってきてるんじゃないかってドキドキしてた俺のハートはバックンバックンって音を立て始めた(それくらいビビったってことだ)。
辻岡さんが席を外しちゃって俺たち2人だけになって、なんかよくわかんないけど今井の話をした。お父さんが今井のことを聞いてくるのが多かったけど(俺といるときの今井の様子はどうだとか、父親の自分のことはなんて言ってたかとか……そんなのかな)、まさかそんなふうに今井のことを聞かれるとは思ってなかったから驚いた。
今井が電話で「お父さんも医者に行くようになった」って行ってたけど、もしかしてそのせいなのかな? 前に会ったときに比べたら、表情もずっとおだやかな感じだったし……。
けど、このまま少しずつ今井とお父さんの関係がうまくいってくれると俺も嬉しいから、俺にできることがあるならなんでも力になりたいと思う。
……お父さんと2人きりはキンチョーするからもう勘弁したいけど。

そうだ! 帰るときに教えてもらったんだけど、今井もうすぐ帰ってくるんだって!
あ〜早く会いたい! 会ってどさくさにまぎれて抱きつきたい!
待ってるからな今井! 早く帰ってこいよ!!






9月28日(土)
久々の今井からの電話! 待ってた、チョー待ってた!
しかもその電話で、「今日東京に帰ってきたんだ」って言われて! しかも「近いうちに会えない?」って言われてさぁ! 舞い上がらないわけにはいかないだろ、これは! なあそうだろ!? ←誰に言ってんだよ俺
当然即OK! 明日デートすることになった! 久々のデートだよ、デート!(デートだと思ってるのは俺だけだけど)
あーくそ、何着て行こうかな。あっ、今井になんかプレゼントとか買ってこうかな? 『いろいろよく頑張ったで賞』とか……子供みたいか、俺。

やべー、気持ちがフワフワしててなんかよくわかんなくなってきた!
俺、このままの勢いで明日告白とかしちまいそうだな。
……それでもいいか? それもアリか?
よーっし、寝る前にちょっと考えよう!!!






9月29日(日)
そろそろ家を出ないと待ち合わせに間に合わなくなる。……なんて、実は約束の4時間も前なんだけど。
昨日はなかなか寝つけなくて、しかもすごい楽しみだったせいか目が覚めるのも早かったんだ。
だからちょっと気持ちを落ち着かせていこうと思ってこれを書いてる。

昨夜いろいろ考えたけど、ストレートに言うのが1番いいと思った。
「今井のことが好きだ。よかったら付き合ってくれないか?」
うん、これだよな、やっぱ。
断られてもいいから、とりあえず俺の気持ちをぶつけてみる! 当たって砕けろだ! あんまり砕けたくないけど!

よし、ちょっと早いけどそろそろ出よう。やっぱり何か買ってから行こうかな。
早く会いたい! 早く言っちまいたい!

好きだぜ今井〜〜!!!


【完】長い間お付き合いいただきありがとうございました。


読み終わったらブラウザを閉じてください