◆ マルセル様の日記 ◆


 ◎月○日

 今日の午後、メルのところへ行こうと思って歩いていたら、森の中でランディとゼフェルが話をしてるのを見つけた。
 ケンカをしないで話をしてるってすっごく珍しいことだったから、ぼくは嬉しくなっちゃって、2人のところに走って行って声をかけたんだ。
 そうしたら2人とも、ぼくを見てびっくりした顔になって、慌てて持っていたものを隠しちゃって!
「なぁに2人とも、僕に内緒でなに見てたの?」
 って聞いたら、
「おめーにはかんけーねぇよ」
「そ、そうだよ、マルセル。ちょっと、仕事のことでね」
 2人ともすっごいあせった顔でそう言うから、僕、ますます気になっちゃって、ゼフェルが隠したものがなんだったのか知りたくて無理やり奪い取ってやったんだ。
 そうしたら、
「ああっ!!」
「わぁっ、ダメだマルセル!!」
 2人とも大声で叫んで、僕に向かって突進してきて!
「マ、マルセルは見なくていいんだよっっっ!」
「そーだぜ、おめーにはまだ早ぇよ!!」
 なんて言って、僕がそれを見る前に奪い返されちゃって。
 本みたいな感じだったけど、あれってなんだったんだろう。僕に見せられないなんてどんな本なんだろう。
 今度またランディに聞いてみよう。




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