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職務中にゼフェルが私のところに来て、
「おもしれーもんが見れるからあの陰険野郎のところに行ってみろよ」
と相変わらず品のない言葉遣いで言い捨てて行ったので、何事かと思いクラヴィスのところへ行ってみた。
「クラヴィス、いるか!」
声をかけながらクラヴィスの執務室に駆け込むと、そこにはいつものように執務机に向かってうなだれているクラヴィスがいた。
しかし、いつもと何かが違う。クラヴィスに何か違和感を感じるのだ。
それがなんなのか確かめるために暗い室内を進んでクラヴィスに近づくと──その違和感の原因がはっきりした。
なんとクラヴィスの長い髪が、若い娘がするようにおさげになっていたのだ!
あまりの現実に呆気に取られた私の耳に聞こえてきたのは、クラヴィスの寝息と、それからどこか遠くから響いてくるゼフェルとオリヴィエの笑い声で。
自分の身に起こっていることを知らず、呑気に寝入っているクラヴィスに声をかける気にもならず、私はふつふつと沸きあがってくる熱い感情を抑えながらそのままその場を後にした。
明日の朝、あの2人は自分たちのしたことを心から後悔するだろう……!
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