続続・誘い受け
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今週の仕事も終わった。明日はようやく休みだ。 だが、せっかくの週末はゆっくり休むことはできそうになかった。 なぜなら………… 「おじゃましまーすっ!」 俺に続いて部屋に入ってきた宮森が、物珍しげに辺りを見回す。 「あれ? けっこう綺麗にしてるんですね。もっと薄汚れてると思ったのにー」 「薄汚れてるってなんだよ。失礼だな」 「え? えへへ。えっと、じゃあ俺、夕飯作りますねっ」 何がそんなに嬉しいのか、宮森は満面の笑みを浮かべて、さっそく台所に立った。 俺はネクタイを外しながら、そんな宮森の姿にそわそわと視線を動かす。 一人暮らしを始めてからそう長い時間が経っているわけでもないのに、他人がいる空間というのがなぜか落ち着かない。 「じゃあその間に……俺は風呂にでも入ってくるかな」 「え〜!? お風呂、一緒に入りましょうよぉ! 俺の今日の楽しみの1つなんですからね、それ!!」 「……入ってくる」 「橘さ〜ん!!」 情けない声は無視して、俺は風呂へと急いだ。冗談じゃない、あいつと一緒に風呂なんていったら……この間のホテルの二の舞を食いそうだ。 この間の出来事とは、スーツを汚してしまって(正確には宮森に汚された)、わざわざ外まで買いに行って……その帰りにラブホテルに寄ったときのことだ。 初めての風呂エッチ(……なんて言葉はあるのか?)に柄にもなく燃え上がった俺は、自分が長風呂が苦手だってことも忘れて、宮森に促されるまま風呂場で長時間やってしまったのだった。 気づいたときには目の前がぐらぐらと揺れていて、ベッドにひっくり返ったままそのあと2時間は動けなかった。 会社に戻ってからも仕事にならんし……あいつの誘いに乗った自分がつくづく嫌になった出来事だった、あれは。 ……まあ……それなりに、楽しんだけどな。 『橘さんの家に泊まりに行きたい』と宮森が言い出したのは、今週の月曜日。 例によって会議室で密会にいそしんでいたときだった。 「俺の家に来てもいいですけど……俺、橘さんの家に行ってみたいんです」 目をきらきらさせて言う顔が妙に可愛く見えて、いつもだったら絶対に受け入れることがないだろう願いを『いいぞ』と二つ返事で了承してしまったのだ。 ……今にして思えば、あれは一時の気の迷いだったんだろうが(セックス直後に言われたから、半分上の空で返事をしてたのかもしれない)、嬉しそうな顔をして俺の後ろをついてくるこいつに『やっぱり来るな』とは言えず──そんなこと言ったら、きっとこいつはその場で泣き崩れただろう。例えそこが会社の中でも──結局連れて来てしまったのだった。 カラスの行水を地でいく俺は、入浴はいつもシャワーだけで済ませてしまう。 1人暮らしとなってから、毎日湯舟を張るのがもったいない気がして(節約も兼ねてるつもりだ)。 それでも週末はゆっくり身体を休めるために湯につかりたくなるのだが、今日は髪の毛と全身をさっと洗うとすぐに風呂から出た。 (悠長に風呂になんぞ入っていたら、いつあいつが乗り込んでくるかわからんからな……) 重い溜息が口から洩れる。風呂場のドアを開けると、和食を作っているのかだしの匂いが俺の鼻まで届いてきた。 あいつのことは嫌いじゃない。むしろ、深い関係を続けていくうちに、好意的な印象を持つようにもなっている。 だが、このままずるずるとなし崩しに互いの家に行き来するような仲にまでなってしまうのは──先のことを考えても、あまりいいことではないと思うのだ。 2人の間がうまくいかなくなったときに、2人で過ごした家に帰ってくるのは……ひどくやるせない気持ちになるものだから。 「上がったぞー」 タオルで髪の毛をがしがし拭きながら台所へと戻ると、そこにはとんでもない姿の生き物がいた。 「なっっっ………!!」 「あ、橘さん。早かったですね」 「なっ、なんじゃその格好は──!!」 なんとそこには、さっきまできっちりスーツを着ていた宮森が、全裸にエプロン一丁の姿でいたのだ!!!! 「なにって……見ての通り、裸エプロンですよ? 男のロマンじゃないですかー」 「なんで男のお前がそんな格好してるんだ!! ロマンも台無しだ!!」 「そんなことないですよぅ。好きな相手をこういう格好にさせるのが男の夢なんですから」 どこから仕入れてきたのか、裾にひらひらとレースが施された純白のエプロンを得意げに俺に見せると、一回転してポーズをつけた。……尻、丸見え。 「いいでしょ、橘さん」 いいも悪いも、そう嬉しそうな顔をされてしまえば否定はできまい。 「……ああ」 憮然とした表情で答え、俺はなるべくそっちを見ないようにしながら冷蔵庫まで移動した。中から缶ビールを取り出し、一息で飲み干す勢いで喉へと流し込んだ。──とても正気では見ていられない……。 宮森はそんな俺の様子をじーっと見つめ(痛いくらいの視線が背中に突き刺さって、そっちを見なくともはっきりくっきりわかった)、そしてすすす…っと俺に近づいてきた。 「……ねえ、橘さん」 「な、なんだっ!?」 「ご飯の前に……俺のこと、食べてくれませんか?」 「──へっ!?」 突然の申し出にぎょっと身体を引いた俺に、ゆっくりした動きで首に腕を巻き付けてくる宮森。股間に固いものが当たる感触。そのまま固いものがすりすりと擦り付けられ、俺の股間を刺激する。 「……ね?」 誘うように細められた目が、欲望に潤んでいた。 俺は、たった今まで引きまくっていたにもかかわらず、誘われるまま宮森の唇に唇を近づけ、そっと重ねた。 「ん……」 癖なのか、こいつはキスをすると必ず声を洩らす。舌を絡めたディープなキスよりも、実は軽く触れあわせる程度のキスのほうが好みなのかもしれない。 ──とは思っても、深く貪らずにはいられないが。 湿った音をさせて舌を忍び込ませると、慌てて応えるように舌が絡まってくる。 「はっ…ふ……っ」 舌を動かすたびにくちゅくちゅと音がする。いったん舌を引いてからもう一度押し込み、歯裏や舌の裏まで丹念に触れていく。 「んっ……」 舌の先で口蓋を突つくと、抱きしめていた身体がびくっと竦み上がる。背中に回していた手をゆっくりと下ろし、むき出しになっている双丘の谷間に滑り込ませると、申し合わせたように宮森の身体から力が抜けた。 横抱きできるかどうか迷い(大の男を支えられるだけの筋力が俺に残ってるのかわからなかった)、それでもこの雰囲気で赤ちゃんだっこで運ぶのはムードがないだろと、決意して。 「…っしょ……っと」 腹に力を込めて、一気に宮森の身体を持ち上げる。こんなことをするのは、十数年ぶりだ。 思っていた以上に宮森の身体は軽かった。すんなりと持ち上げられたことに、少なからず驚いてしまう。 「た、橘さんっ?」 「寝室へ行くぞ」 耳元で囁いてやると、俺の首に腕を回していた宮森は小さく頷き、俺の肩口に顔を埋めた。男に抱き上げられている自分に恥じらっているのか……可愛い奴だ(アホなことを考えたな、俺も)。 ダッシュで寝室に駆け込みたい気持ちを押さえ、足元に注意しながらゆっくりと歩く。 襖を開けると、今日に限って布団が敷きっぱなしになっていた。──寝坊してちょうどよかったってとこだな。 掛け布団がいい具合に跳ね除けられていて、枕を足で退かしながら宮森の身体を敷布団の上に横たえた。 エプロンの裾がめくりあがり、宮森のはちきれそうな息子が露になる。それに気づいたのか、すぐさま手を伸ばして欲望を隠してしまう。 「隠すなよ」 俺は宮森の身体を跨ぎ、ゆっくりとその首筋に顔を近づけた。 「恥ずかしいです……っ」 「今さら何言ってんだ」 強引に手を離させ、隠れたままのチ○ポをエプロンごと握ってやる。極限まで大きくなったチ○ポは、びくんっと跳ね上がった。 「…濡れちまったぞ、エプロン。だらだら垂れ流しやがって……」 「だって……もう、すごく…よくって……っ」 「おまえだけ気持ちよくなるのか?」 そんなことを言いながら、俺もすぐさま寝巻きを脱ぎ始めた。エプロンなんざ、一瞬で剥ぎ取ることができちまう。 俺の寝巻きを脱がすのを手伝いながら、宮森の腕が俺の背中へと回されしっかりとしがみついてくる。 すっかり全裸になった俺たちは互いの肌を弄りあいながら、猛りきった股間を擦りつけあった。 「あ……は……」 キスだけでいきそうになっている宮森は、無意識なのか俺の腰に右足を絡め、そこに触れてほしいのかさらに股間を押しつけてくる。 だがその願いは聞いてはやらず、俺は下に組み敷いていた身体と自分の身体を反転させた。 「えっ…?」 一瞬何が起こったのかわからなかったらしいが、自分の身体が俺の身体の上に乗っているのに気づき、困惑した表情を見せる。 「橘…さん?」 どうしたことかと問うような目に、俺は意地悪く笑ってやった。 「たまにはお前がリードしろよ」 「えっ?」 「ときどきは奥さんが頑張ったっていいだろ?」 冗談のつもりで言ったのに、その言葉に反応して、赤かった顔がさらに赤くなった。 ──『奥さん』って言葉にそんな深い意味はないんだぞ? と言ってやろうかとも思ったが、嬉しそうな笑みが浮かんでいるのに気づき、なんとなく言えなくなってしまう。 宮森は俺の下腹部より少し上にそろそろと座ると、 「俺、大人になってから人の上に跨がるのって、初めてです」 息を切らし、頬を染めて、照れたように笑った。 そりゃそうだ。女だったらいざしらず、男が他人を跨ぐことなどそうはないだろう。 「こうして布団でやるのも……初めてですね」 俺の体を両手でまさぐりながら、息を荒くしつつ言う。 確かに、この間行ったホテルでも結局風呂場で頑張っただけで、ベッドは使わなかった(ダウンした俺が寝転がったくらい)。 いつもは会議室だし、初めてはトイレの個室だったし……。 「じゃあ、今日はお前が上だな」 「え?」 「騎乗位。やったことないだろ?」 座位は何度かやっている。だが、座位と騎乗位は似たようなもので実は違う。 それは密着度であったり、相手を突き上げる深さであったり…… 下から見上げると、上で喘いでる相手のエロい顔がさらにエロく見えたりして──俺はけっこう好きな体位だ。……俺自身があまり動かなくて済むしな。 「いいですね、それ……」 俺を覗き込んでいた顔が、徐々に下へと移動していく。頬・顎・喉仏……至るところにちゅっちゅっと唇が触れていき、それは胸元で止まった。 「ここ、いいですか……?」 囁くように言うと、俺の返事を待たずに唇をすぼめ、乳首に吸いつく。軽く歯を立ててくるのは、いつも俺がそうしてやってるのを思い出したからか。 「ん……」 痛いような、むず痒いような感じだ。──そういえば……女房にも、他の女にもされたことがなかったな、こういうのは。 しばらくは宮森のやりたいようにさせていたが、今日一度も達していない俺のチ○ポがだらだらと先走りを流して不満を持ちはじめてるのに気づく。 夢中で乳首に食らいついている宮森を動かすのは忍びなく(だんだん気持ちよくなってきていたし)、俺は俺を跨いでいた宮森の両腿をさらに広げた。──尻の谷間が広がるように。 「橘さん……?」 「いいから、続けてろよ」 俺は少しだけ背を浮かせ、両手で掴んだ宮森の尻の肉をきゅっと割り開いた。それから、熱く滾(たぎ)っている俺のチ○ポを、谷間に強く擦りつけた。 「あうぅっっ!!」 宮森は俺の乳首から口を離し、甲高い声で啼く。 「いやっ、橘さんっ、そんなの……っ!」 身体を起こし、俺の上から退こうとするが、俺に尻を掴まれたままの状態ではそれもできず。 俺のチ○ポをうまい具合に挟み込んだ宮森の尻を今度はがっちりと締めて、再び腰を揺すった。 「あうっ…あ、うぅっ、や、っ、やめ、てっっ……!!」 「やめて? 気持ちいいんだろ?」 「あ、いいっ、いい、けどっ……、あっ!」 「──湿ってきたぞ。尻の穴が濡れてきたんじゃないのか?」 「そんな……っ、あ、ひっ…っく!」 本当は、我慢しきれなくなっている俺のチ○ポの先走りが湿った音を立てているのだろうが、宮森にはそれが自分の中から出たものだと錯覚させることができたらしい。 「いやっ、恥ず、かしい……っ! こ、こんなの……っ」 全身を真っ赤にして、恥じらうように首を振る。だが俺の腹の上に乗っている奴のチ○ポは、隆々と天を突いていた。 「恥ずかしいのが好きなんだな、お前は。チ○ポがはち切れそうだぞ?」 「や、あっ、…くっ、ふっ」 「乳首おっ立てて……淫乱な身体だ」 「やっ、だめ……っ……イッ……!!」 言葉で攻めながらチ○ポを擦り続けていると、やがて宮森の身体は小さく小刻みに震えはじめて──あっけなく吐精した。 びゅるるっと勢いよく飛んだそれは、まるでホースでまかれたように俺の口元まで汚した。……やっぱり若いと違うんだよな、いろいろと。 「あ…………」 自分のしたことが信じられない、とでもいうような顔で、呆然と俺を見下ろす。 「ご…めんなさ、い」 「いいさ」 顔に飛んだ生暖かいものを指で拭って舐めとり、腹の上に飛んでいたものは拭ってからそのまま宮森の双丘に持っていく。 すでに熱くなっている谷間に指を入れ、アナルの中へと指を滑り込ませていく。 「あっ……」 軽く声を洩らし、だが抗わず俺の上で大人しく固まったまま俺の指を飲み込む。 人差し指だけを根元まで埋めるとすぐに抜き出して、今度は中指も増やして一気に中を抉るように突き入れる。 「あうっ……!」 すでに受け入れ態勢万全のそこは、2本入れられても動じることはなかった。それどころか、すぐに指を味わうように肉襞が絡まってくる。 「ほら……自分で入れてみろ」 乱暴に指を引き抜き、ぬめりのついた指の腹でアナルの入り口を擦ると、それだけでびくんっと身体を大きく震わせた宮森は、少しためらいつつも、俺の言う通り自分で腰を落としてきた。 俺が両手で双丘を左右に開き、宮森が俺のチ○ポを握ってアナルへと導いていく。 「あ……」 入り口に当てただけで熱かったのか一瞬腰を引き、だがとっさに腰を捕まえた俺の手に阻まれ、逃げることはできなかった。 「そのまま腰を落とせ」 「は、は…い…………っく…!」 俺の言葉に従い、今度は迷うことなく俺のチ○ポを呑み込んでいく。少しずつ、俺のチ○ポが締めつけられていく。 「あ…あ、あ……ぁ」 半開きの唇から洩れる声が色っぽい。つんと立った乳首が、どれだけ宮森が感じてるのかを俺に教えてくれているようだった。 宮森は俺を根元まで呑み込むと、肩で大きく息をして態勢を整えようとした。そこをすかさず 「動け」 と促し、ほんの少しだけ腰を突き上げてアナルの奥を刺激してやる。 「あっ……、は、い…」 やんわりと尻を撫で回してやると、ゆっくりと身体を動かしはじめた。 「あっ! あ、あっ、あはっ……っ」 最初は不規則だった動きも、快楽に流されていくかのように滑らかになり、そのうち猛然と腰を振りだす。 くっちゅくっちゅと小さな音が洩れてきて、だんだんと宮森の中が貫通していくのを感じた。 「あっ、あっ、あっ、んっ」 規則正しいリズムに呼応して、唇からも声が出る。悩ましく寄せられた眉が、昔見たアダルトビデオの人妻を思い出させた。──エロかったなぁ、あれ。 ……でも、目の前の宮森の顔も、十分エロい。 「んっ、んっ、ふっ、」 宮森は真っ赤な顔をして、腰を落とす動きをさらに早めていく。肉の絡みつく感触が気持ちいい。 「ふっ、あふっ…ん、んっ、あんっ!」 「──どうした? やけに積極的だな」 いや、いつも積極的なんだが……今日の熱心さは、いつもの比ではない感じがしたのだ。 大きく腰をグラインドさせ、自らの奥まで俺のチ○ポを叩きつけている宮森は、動きを止めないままじっとりと俺を見下ろした。 「だって、悔しくって……っ、あっ、」 「何が?」 「この家…っ、…奥さんがいた頃と、そう変わって…、ないんじゃないですか? っん、ふっ、だ、台所だって、綺麗だし…ぃ! それにっ、あ、んっ!」 「それに?」 「お…奥さんの、ドレッサー、とか……っ! あ、ああっ!」 宮森が言った言葉に驚いて、それまでより大きく突き上げてしまうと、一際大きな声で喘ぐ。 「ダメ、イクっ! ……ああ、あああっっ!!」 スポットを刺激されて衝撃に耐えかねたのか、あっけないくらい簡単に熱い精液を飛ばしてしまう。 射精した瞬間にしなった身体は、その反動で俺の胸に倒れこんできて、湿った肌が俺の胸板にじっとりと触れた。 苦しげに肩で息をする宮森に、俺はデカいままのチ○ポを抜きながら、聞いた。いきたいのはやまやまだが……それどころじゃなかった。 「……見たのか? あっちの部屋」 「す…みません……さっき…橘さんがお風呂、入ってる間に……覗いてしまいました」 「…………」 「すみませんでした……」 「……いや。別にいいさ」 『見るな』と言わなかった俺が悪いのだ。……それ以前に、そんなものを残しておいたのが悪かったんだろうか。 隠していた訳ではないのに、なぜか罪悪感のようなものが宮森に対して湧いてくる。 (……話しておいたほうがいいのかもな) 勃起したままのチ○ポを宮森の腿の間に挟んで固定して、俺は誰にも話したことのなかった事実を語った。──別れた妻のことを。 「──あいつは持てる荷物だけ持って出て行った。つまりここに残されてる物はすべて捨ててくれってことだ。……面倒臭くて手をつけてないがな」 俺は宮森の背中に手を回し、張りのある肌を撫で回した。背筋が俺の掌の熱に一瞬引き攣ったが、宮森はおとなしくされるがままにしている。 「話し合いなんて一度もしなかった。俺はあいつが不満を抱えてたことも、他に男を作ってたことも知らなかったんだ。 いつものように会社から帰ってくると、テープルに手紙と離婚届だけがあって──……それで終わりさ」 「…………」 俺の突然の話に返す言葉が見つからないのか、宮森は肩で息をしたままゆっくりと身体を起こし、無言で俺を見下ろしてくる。 困惑した顔がひどく幼く見えて、俺は沈みかけた空気を蹴散らすように笑っていた。 「……お前にこんな話してもしょうがなかったな。悪い、忘れてくれ」 「……いえ」 「続き、するか」 いつもならば1度や2度の射精では収まらない宮森のチ○ポ。しかし俺が変な話をしてしまったせいか、すでに平常時に近い形に戻ってしまっていた。 右手を伸ばし、もう一度興奮させてやろうと先っぽを刺激しはじめると、俺の手の動きを制するように宮森が俺の腕を掴んだ。 「──どうした? 気分が乗らないのか?」 俯いたまま、強ばったような表情の宮森は、何も言わずにじっと俺を 見つめている。 そうだとしても仕方がない。こいつには、今の話は気持ちのいいものではなかっただろうから。……俺にとってもそうだったが。 「俺は」 ふいに口を開き、そこでいったん言葉を切ると、もう一度上半身を倒してきた。そうして俺の胸に顔を乗せると、ふうっと息をついてから、静かに話しはじめる。 「俺は、あなたがどれだけ仕事を頑張ってるか知ってます。仕事だけじゃない、部署の中の雰囲気を和ませるためにいろいろ努力してることも──」 「宮森……」 「俺があなたを初めて見たのは、みんなが帰った後の室内をあなたが一人で掃除してたときなんです。すごく熱心な顔で……次の日の仕事が快適にできるように、遅い時間まで頑張っていらして」 「なっ……見てたのか!?」 「ええ。何度か見かけてびっくりしました。たまたま気が向いたから掃除してたのかと思ってたのに……あれって習慣だったんですね、橘さんの」 綺麗な顔で微笑まれて、気まずくなって思いっきり顔を背けてしまう俺。まさか、あんな姿を人に見られていたとは。……しかもこいつに。 「それからあなたのことが気になり始めたんです。販売促進部の人間にそれとなく話を聞いたら、すごく人気のある上司だってことがわかって……部屋の前を通り過ぎるときに見えるいろんな表情が魅力的だなって思ったときには、俺はもうあなたに恋をしてたんです」 宮森の手が、ゆっくり俺のチ○ポに伸びてくる。先っぽに軽く爪を立て、それから根元を握りこむ。 「あなたのいいところ……俺は全部知ってます」 俺の唇に唇を重ねてから、身体を起こして俺の股間に顔を埋める。 「んっっ……」 いきなり喉奥まで俺を含み、強く吸いついたまま顔を上下してくる。 「くっ……」 思わず宮森の頭を強く掴み、両足を軽く開いて身体を寄せろと促すと、チ○ポを離さないまま俺の腿の間に身体を入れてきた。 「好きです……橘さん」 唾液を垂らしながらチ○ポを口から外し、潤んだ目で俺を見つめたまま舌を使って幹を舐める。 「好きです……」 「宮森……」 「心も身体も……全部、俺だけのものにしたい」 熱い囁きに、俺のチ○ポは爆発寸前となる。 「もういい、宮森。口を離せ」 慌てて枕元に置いてあったティッシュの箱を引き寄せながら言うと、首を横に振って抗う。 「出してください、橘さん。俺の口の中に。俺……橘さんの、飲みたいから……」 そういわれた瞬間、俺の頭の中は真っ白になっていた。 「んぐっ……」 強い開放感を感じると同時に、近くで呻き声を聞いた。脱力した俺のチ○ポが、小さな振動に震える。 宮森は口を離すことなく、俺の放ったものを喉の奥へと流していた。それでも一息で飲むことができなかったのか、唇の端から白い液体が零れる。 「……大丈夫か?」 口の中を空にしてから俺のチ○ポを口から外した宮森は、俺を見上げてはんなりと笑った。 「大丈夫です。おいしかったです、橘さんの」 その笑顔に、俺は我を忘れて抱きついていた。 |
長くなっちまったよ〜
キリ番ゲッター・タケタカさんのリクエストでした。
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