今年もやっぱり2人の世界



 毎年恒例の実家での年越しを無事に終え、俺・保科栄太と3つ上の兄貴・敦彦は、俺が1人で暮らしているマンションに戻ってきた。
 年明けに開かれた親族が一同に介する新年会で、両親以上に口煩い伯母たちにしつこく結婚の話題を持ち掛けられ――特に兄貴への攻撃は容赦ないものだった――すべてのことから解放された俺たちは、景気の悪い新年の始まりを吹っ切るように癒しの場所を求めてここに来た。
 ただの兄弟という関係に収まらない俺たちに必要なのは、酒を酌み交わすことでもグチり倒すことでもなく……欲望につき動かされるまま互いの肉体を貪り合うことだった。

「あぁ……ん、あんっ、あはぁ……!」
 ベッドに寝転がった俺の身体を跨ぎ、兄貴がうねらせるように腰を振りながら野太い喘ぎ声を上げる。
 ガッツリ繋がった部分からはニチャニチャとエロい音が溢れ、大の男二人分の体重に悲鳴を上げるようにベッドも軋み続けている。
「相変わらずエロいな、兄貴は。久しぶりだから少しは遠慮するかと思えば、全然そんなことなかったな」
「あぅ・ん、だって――あぁ、はぁんっ」
「だって、なんだよ?」
「ずっと、してなかったからっ――んくっ! んっ、んんぁっ!!」
 俺の問いに律義に答えようとするものの、言葉が続けられないほど感じてる兄貴。
 確かに12月はお互い仕事が忙しくて、片手で数えられる程度にしか会えなかった。最後にこうして抱き合ったのは2週間くらい前のことだから溜まってて当然だ。
 ……俺だって、本当は話なんかしてる余裕はないんだからな。
「いいぜ、もっと感じろよ。もっと身体使って気持ち良くなれよ」
 こっちにはまだ余裕があるフリを装い、軽く腰を揺すりながら意地悪く言ってやる。その実気を抜くとすぐにでもイッちまいそうで、目の前でビンビンに勃起している乳首とチンポに手を伸ばしてそれぞれ愛撫してやることで射精感を吹き飛ばそうとした。
「気持ちいいっ、気持ちいいよぉっ!」
「どこが? どこがイイんだよ、兄貴っ?」
「全部――ぜんぶイイっ、イイぃぃ!!」
「全部かよ? 乳首もチンポもケツマンもいいんだなっ?」
「うんっ、うんんっ・んぁっ、あっ!」
 いつものように言葉で攻める俺に、兄貴も身体を動かしながら卑猥な言葉を口にする。
 普段は警官なんてお堅い仕事をしてる兄貴が……どこからどう見ても屈強で男らしい兄貴が、弟のチンポで串刺しにされて喜んでるなんて、誰が信じるだろうか?
「突いて、もっとっ、もっといっぱい――奥までズボズボちょうだいぃ!!」
「ははっ、ヤラしいな兄貴は。そんなに俺ので犯されたいのか?」
「犯し、てぇっ! 栄太のチンポで犯してぇぇ!!」
 はしたない言葉を吐く唇の端からは止めどなく唾液が零れ、同じようにチンポの先端からもガマン汁が溢れている。筋肉がしっかりついた身体全体が汗で光り、兄貴の淫乱さを引き立てているようだ。
「栄太っ、もう――っきたいっ・んあっ、イキたいよぉぉっっ!!」
 執拗に触っていた乳首やチンポがブルブル震えてたから気づいていたものの、兄貴の口から聞きたくてあえて聞かないでいたことをようやく口にした兄貴。潤んだ目で見下ろされると興奮した下半身がさらに熱くなり、太い腰を両手で掴み鼻息荒く下から突き上げた。
「一緒にイこうぜっ。中にたっぷりザーメン注いでやるからな、兄貴も飛ばせよ」
「あんんっ! うん、うんんっ!」
 兄貴は激しく感じながらも俺の言葉にガクガクと首を振ると、それまで以上の勢いで身体を揺らし始める。それに負けじと俺も下半身を揺らし、絶頂目指して兄貴の柔らかい肉襞をめちゃくちゃに掻き回した。
「えいたっ――ぃたっ、イイっ、イクっ、イク――イぐぅぅ!!」
 乱暴に突いているフリで兄貴の性感帯を適格に刺激してやると、俺のチンポを包んでいた肉襞がきゅうきゅうと収縮し始め――その直後、俺が握っていた太いチンポが物凄い勢いで白い液体を噴き出した。
 そして、下腹部から胸部まで大量に降ってきた液体を確認した途端、俺の膨張したチンポも限界を迎え――
「敦彦っ……!!」
 押し殺した声で兄貴の名前を呼びながら、ためらうことなく兄貴の内部に熱い滾りをぶち放った。
「んあぁ……はぁっ、んぁぁ……」
 虚ろな目で宙を見ながら、ドクドクと注ぎ込まれるザーメンを味わう兄貴。その口元は淫蕩に歪んでいて、色っぽい表情に達したばかりのチンポがすぐに復活し始める。
「あぁ……栄太の――もぉ、おっきい、よ……ぉ」
「兄貴のも、もうデカくなってるぜ」
 そうだ。2週間の穴を埋めるには1回じゃ全然足りない。
 もっともっと抱き合いたい――もっともっと感じさせて、兄貴の世界を俺で埋め尽くしたい。
「栄太――っ!? あっ・あぅう……!!」
 勢いづけて身体を起こし、そのまま身体を入れ替えて兄貴を組み敷く。
「新年早々可愛い姿を見せてもらったからな。ご褒美に、今度は俺が頑張ってやるよ」
「ああ、栄太――っ」
 みっちり俺を咥え込んでいるケツマンで繋がったまま身体を倒し耳元で囁いてやると、太い腕が首に絡みついてくる。隙間もないほど密着したまま唇を重ねると肉厚な舌が口の中に滑り込んできて、それに応えながらもベッドのスプリングを利用して身体を揺らす。
「んふんっ、んっ・んぐぅ……!」
 雄々しい喘ぎを洩らしながら、快感に身を委ね可愛い痴態を見せてくれる兄貴。
 今年もこの身体を堪能できるんだろうと嬉しく思いつつ、俺の身体に兄貴が飽きることがないように今夜はたっぷり愛してやろうと心に誓った。


この2人は相変わらずってことで(笑)

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