エリートの転落・2
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とあるビジネスホテルの、とある一室。 その部屋に、私は部下に引きずるようにして連れ込まれ……もう幾度となく繰り返されている屈辱的な行為に身を窶【やつ】していた。 「ああ……あ・ああ、あっ──」 「いいですよ……課長。すごくいいです…………」 ベッドの上で四つん這いにされた私に大きな体躯の男が伸し掛かっている。男が腰を揺らすたびに、ある一点で繋がっていた私の身体も上下に揺れる。 体内の奥まった場所を、硬いのだか軟らかいのだかよくわからないもので突かれ……そのつど私の唇からは、声のようなただの音のようなものが洩れていた。 私の下腹部に伸ばされている右手が、充血した尖端を戯れに撫で擦る。そのたびに全身に強い痺れが走り、恥ずかしいほど大きく身体が跳ね上がってしまう。 さらに空いていた左手が私の胸元まで伸びてきて、右手と同じように指先だけで尖った乳首を触ってきた。 「あ・あ! んっ、や、めろ、そこは……っ!」 突然加わった新しい刺激から逃げ出すように身を捩ろうとしたが、穿たれた熱で拘束された身体は思うように動いてくれない。 (やめろ、私はそれに弱いんだ──!!) 「よせ、たけ、だ……っ」 こいつと出会うまで自分でも知らなかった弱い場所の一つ。しかも他人の──こいつの手で触れられると過剰なほど身体が反応してしまうそこを、私は触られるのが嫌いだった。 「え? やめていいんですか? 好きですよね、課長……乳首弄られるのも──」 「んくっ・ぁ!」 「はは、ほら。やっぱり好きなんじゃないですか」 「やぁ! やめ……ぉっ」 何がそんなに楽しいのか、気色の悪い笑い声を洩らしながら小さなしこりを摘まれる。 「あっ・ああ……っ!」 指先で潰されるように転がされたしこりに、私は自分でも驚愕してしまうような歓喜の声を上げていた。だから……だから触られたくないんだ!!!! 「あー……すごい色っぽい声ですよ、課長。もっと喘がせたいな……」 「はぁっ、はぁっ、ふ、ざける、なっ、っ、っ!」 「ほら……鳴いてください」 「んっ・あ、あぁ……っ!」 思う様嬲られ、強い羞恥に身体が竦む。抗う気持ちに反して高まっていく熱に、自制心の効かなくなった自分自身に腹が立つ。 なんの感情も伴わない、欲望を吐き出すだけのこの行為にどんな意味があるというのか。ただ突っ込んで気持ちよくなりたいのならば、その辺の女性でも構わないではないか。 ──確かにこいつは最初のときから私のことを『好き』だとか言っていたが、それは嘘に決まっているんだ。 私のような、仕事にしか生き甲斐を見出せない退屈な男が……誰かに相手にされるわけなどないのだから。 (どうせ飽きるまでのことだろう。いいさ、あと数回くらい我慢してやるさ……!) 今まで行なわれてきた行為でも幾度となく抗ったが、そのたびに気力・体力とも根こそぎ奪われてしまい──この茶番を一番楽に済ませるには下手な抵抗をしないことだと悟ってからは、自分から動くことなどなくなった。 指先の一つも動かさなくなった私を、それでもこいつは楽しげに弄んでいたが。 そんなことをつらつらと考えていると、突然背後から殊更大きく突き上げられた。 「あ・うぅっ!!」 「今日はずいぶん集中していないですね……なにか気になることでも?」 「っ、そんなこと……っ、あっ、ああっ!」 「そうですか? その割には課長の中……いつもより締めつけてくる力が弱いですよ? いつもはきゅうきゅうに俺のペニスを締め上げてくるのに」 「なっ……!?」 「──ほら、そんなふうに声を上げても締めつけが甘いですよ? やっぱり集中してない」 「んっ・そん、な……っ・っ! 突くなっ!!」 「おっ──と……そんな単語には俺がまいっちゃいますよ。でも──まだ足りないかな」 「えっ?」 「これを見ながらだったら……あなたももっと燃えるかもしれませんね」 散々人の身体を愚弄したと思ったら唐突にそんなことを言い、私の腰を掴んでいた左手をベッドサイドに伸ばして、そこに置いてあった黒いリモコンを手にした。 「…………?」 そのリモコンをテレビにかざし、ボタンを押すとテレビがつく。そしてさらに他のボタンを押すと、テレビ本体がなにやら作動する音がした。 そういえば──武田は部屋に入ってすぐにあのビデオデッキ付きのテレビに近づいて、持参したテープを入れていたようだった。いったいなにを持ってきたんだ? 『ザ────』 画面に砂嵐が走り、耳障りな音が響く。が、それは一瞬で。 気づけば雑音は止み、代わりになにかが軋むような音が聞こえてきた。 ブラウン管に映し出されたのはなにやら見覚えのあるような部屋で、画面の中央にはベッドがある。そしてそのベッドの上には2つの人影があった。 『あ…………』 『課長……』 ダークグレーのスーツ姿の男が、ベッドに横たわっている身体に伸し掛かり器用に手を動かしている。 その手は、グレーの上着、濃紺のネクタイ、白いシャツ、白いアンダーシャツ、ベルトのついたグレーのスラックス、白いブリーフを順に床に落としていき、横たわった身体は黒い靴下だけを身につけた状態となった。……だが、ぐったりと力の抜けた身体は起き上がることはない。 手早くスーツの上着を脱いだ男は、裸にされた人物の腕を引いて上半身を起こさせると、その顔に顔を寄せて口づけをした。 『んぁ……』 『課長、しっかりしてください。……クスリが効きすぎちゃったかなぁ』 くすくすと小さく笑う声。今、耳元で落とされているものと同じもの──。 (あ、あれは……!) そこまで見てようやく思い出した。あれは────前回の私たちの様子だ! 「思い出しました? 課長、すっかり意識飛ばしちゃって……やりすぎたのかなって心配になりましたよ」 緩く腰を揺らし続けながら、笑いを含んだ声で言う武田。だが、私はその声には応えず、映像として残されたあの日のことを思い出していた。 確かあの日は、仕事が終わってさっさと帰ろうとしたところを、いつものように私を待ち構えていた武田に捕まって──こことは別の、駅に近いビジネスホテルに引きずられて行ったんだ。 そして部屋に入った途端、口元を布のようなもので覆われて……つんとくるような、なにか独特な匂いがすると思った次の瞬間には、すでに正気が遠のいていた。 だから私には、今画面に映し出されているあんなやり取りには一切覚えがない。覚えがないが──みっともなくされるがままとなっているあれは、間違いなく私だ……。 「私に……なにをしたんだ?」 気を失っているように見える私の身体。だが完全に意識がないわけではないことが、弱々しい動きながら武田の背に伸びた腕でわかる。 武田は私の疑問に、動きを止めないまま平然と答える(くそっ、なんでこいつはこんなに長い間余裕でいられるんだ!?)。 「え? ああ、ラッシュを使ったんですよ。ラッシュっていうのは強力な催淫効果のあるクスリなんですけど、匂いを嗅ぐだけで身体が敏感になっちゃうんですよね。ほら、課長もそうだったでしょう?」 「お、覚えてるか、そんなこと!」 「えー、全然覚えていないんですか? じゃあ、あなたが取った積極的な行動も覚えていないのかなぁ?」 「積極的……?」 「ええ。あ、ほら」 「んっ……、っ?」 強く突き上げられながらテレビを指差され、その指先を追って画面に視線を戻す。すると、画面の中の2人はいつの間にか態勢を入れ替えていた。 武田がベッドに横になり、身体を起こされた裸の私は武田に抱きつくように重なっている。思うように動けないのか、ぴったりと密着した身体を武田から引き離すこともなく……むしろしがみつくようにその肩に手を伸ばしている(正気の私では有り得ない行動だ!)。 自分ではほとんど直視したことがない剥き出しの尻を、大きな掌が包み込むように撫でている。その動きに合わせて私の両膝は次第に開いていき、スラックスを穿いたままの武田の足を跨ぐような態勢になった。 (なっ……なにをしているんだ、あいつは!!) 私の姿をした人物が(も、もちろん私自身なのだが)取っている行動が信じられず、そして非常に恥ずかしく、慌てて視線を離そうとした。 しかしその瞬間にまたしても内部を鋭く突き上げられ、私の目は画面から外れることはなかった。 「しっかり見てくださいよ。課長、ここからすごく頑張ってくれましたからね」 「あ、ん……?」 四つん這いの私の背中にぴったりと胸を貼りつけ、耳元に顔を近づけて囁くように声を落とす。その低音にぞくりと肌が粟立ち、すでに武田の手が離れていた私の分身が小さく揺れた。 『…………』 画面の中では、武田が今私にしたのと同じように私の耳元に顔を寄せ、小声でなにかを言ったようだった。 そしてまるで武田の声に促されたように、私はゆっくりとした動作で身体を動かし…… (なっ……まさか!?) 横になったまま、自身のスラックスのジッパーを下ろしていた武田の下腹部に顔を移動させると、そこから飛び出した黒い棒状の物に開いた唇を近づけて──── 「や、やめろぉっっ!!!!」 私の叫びなど届くはずもなく、私の唇は躊躇うことなく武田の男根をすっぽりと咥えたのだった。 「ああ……咥えましたね」 「!!!!!!」 『あ・む……っ』 尖端の膨らみを咥え、雁首までを口の中に入れたところで動きを止める。そしてまるで口に含んだものを咀嚼するようにもごもごと唇を動かし、さらに顔を落としていった。 『んぐ……っ、ん、ふぅ、ん……』 節分の太巻きを丸呑みするように、太く黒い物体が私の口の中へと収まっていく。私の顔は息苦しさでどんどん歪んでいく。 鼻の穴が開き、目じりに涙が滲んだ顔はとても見れたものではなかった(あ、あんな顔をこの私が人目に晒すなんて! いや、自分があんな顔をするなんて……っ!!)。 だがそんな私に、武田はさらに有り得ないことを言ったのだ!! 『課長、咥えるだけじゃなくて舐めてくださいよ。課長の可愛い舌が動くところが見たいんです』 「なっ……なにぃ!? あっ・あ、うっっ!」 武田の台詞に驚き、思わず声を上げて身体を起こそうとしたが、打ち込まれたままの男根が障害となってただ身体が竦み上がっただけだった。 「おっと、急に動かないでくださいよ、課長。……でも今のちょっとよかったな。『ごつ』って当たったとこ、骨かなぁ? それとも課長の性感帯?」 「し、知るかっっ!!」 「もう1回擦ってみましょうか。ここ? それとも、こっち?」 「んっ、あっ、あああっ!」 「あ、こっちでしたか。じゃあもっと擦ってあげますね」 「やめ、やめろ! も──っ、くっ・ぅん……!!」 (こんな奴に──こんな奴に!!) 今までも、そしてもしかしたらこれから先もずっと好き勝手されるのかと思うと、情けなくて涙が出そうだ!! だがそれ以前に、過去の痴態を見せられながらこの生き地獄をいつまでも続けられることが、今は最大の屈辱だ!!!! 正気を失った私は無理して口に入れていたものをずるっと抜くと、何度か肩で息をついてから再び武田の股間に顔を近づける。 そして隆起した男根を下から見上げると、あまり長くはない舌を口から出して──舌先から男根に触れたのだった。 嫌がることなく求められた行為を素直に行なうその人物を、私は呆然と見守ることしかできない。 『ん────っぁ』 手を添えていた太い幹の根元に舌を這わせ、鼻から抜けたような音を発したまま尖端まで舐め上げる。その動きを幾度となく繰り返し、そのうちに雁首の部分を中心に舐め始めて。 『課長、いいですよ……すごく気持ちいいです……』 私の頭部に掌を乗せ、髪の中に指を潜り込ませてそう言う武田。その声に反応したのか、画面の中の私はさらに動き、舌を尖端へと滑らせた。 その動きの途中で下腹部に埋められていた顔がちらりと覗いたが、その横顔が官能的な表情を浮かべているようで── 「ほら、見てください。あんなに細かい動きで俺のペニスの先っぽをぺろぺろ舐めてる」 「やっ、やめろっっ!」 大きく首を左右に振り映像を視界に映さないよう試みたが、背後から伸びてきた武田の手によって正面を向かされた私の目には、さっきよりズームアップされた私の口元が移されていた。 『ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ』 口から出た私の舌先が恐ろしく小刻みに上下に揺れ、男根の尖端の割れ目部分を舐めている。唇の端からは透明な粘液が零れ、喉から鎖骨までじっとりと濡らしていた。 「初めてやったとは思えないくらいお上手でしたよ、課長」 「────っ!」 「本当においしそうに舐めてくれるから……俺も我慢できなかったんです」 武田は私の浮き出た肋骨を撫で擦りながら、どこか上擦ったような声でそう言って二度、三度と早い動きで腰を揺する。 「あ……あ、あっ」 長いこと突かれ続けた内部が気持ち悪く、そして新たな疼きを発しているようで、私は開きっぱなしの唇を塞ぐこともできずただされるがままとなっていた。 そして画面の中の私も──── 『────あっ』 勢いよく吐き出された白濁色の液体が、私の顔面に大量に降りかかる。私は素早く動くこともできずにそれをすべて顔面に受け、目の前の張りつめていたものが萎んでいく様をただじっと見つめていた。 だらしなく開かれていた唇の端に、液体が入ってきても気にせずに。 「いやらしい顔してますよね。……ああ、ほら、舌が出てきて俺の精液を舐めてますよ」 「いっ、言うなっ」 「あなたの舌の動きがすごくいやらしかったから、見てくださいよ。俺のペニスもすぐに大きくなっちゃったでしょ」 「そ、そんなの私のせいじゃ──!!」 「あなたのせいですよ。……あなたが嬉しそうに笑ってくれたから、俺も調子に乗って────あなたにまた咥えてもらいたくなったんです」 『課長、好きにしていいんですよ?』 流れ続けているビデオテープ。それに再び意識を戻すと、画面には下腹部しか映っていない武田の声が聞こえてくる。 私の顔の目の前にあった武田のそれは、まるで花が開くまでの映像を高速回転したようなスムーズさでむくむくと育っていき──一度萎れたのが嘘のように、隆々とそそり立っていた。 『どうしたいですか? 俺のペニス』 『────』 『さあ、お好きなようにしてください』 『…………ぁ』 武田の言葉に誘われるように、私の舌は再び武田の男根に伸びて────太い幹にべったりと貼りつき、ゆっくりとした動きで上下し始めた。 「……ほらね。俺がちょっと言っただけで、課長は自分から俺のペニスを舐め始めたんです。思い出しました?」 「────────っ」 「このときに、俺はあなたの本心を知ったんですよ」 「なに……っ」 「あなたが本当は、俺のペニスが大好きなんだってことに……俺がいつもあなたのをしているように、あなたも俺のペニスを可愛がりたいって思ってることに──ね」 「な…………っ!?」 「そうじゃなきゃ、いくら正気を失っているからって、あんなに熱心に俺のペニスを舐めないですよね」 「!!!!」 『んっ、んんっ──んっぷ、ん、ん、ん』 『そんなに慌てないでいいですよ、課長。でも……もっと根元までしっかり咥え込んでくれると嬉しいな』 『ん────っ』 『あぁ……課長の口の中は気持ちいいなぁ……』 下半身しか映っていない武田の声が、気持ちよさに蕩けるような声音になる。その響きに、私の身体が再び反応してしまう。 「あ……あ、ぁ……っ」 (なんなんだ、これは。なんで私が武田の声で身体が熱くなったりしなきゃならないんだ!!) そうは思うものの、昇まり始めたものは簡単には治まりそうになく……足の先から頭の先に向けて走った電流のような刺激に、私は我を忘れて腰を揺すった。 「うっ! ──っとと……課長、急に締め上げないでくださいよ」 「も──もう、駄目だ、だめ……ぇ・っ!!」 「ちょっと待ってください、もう少し……もう少し味わわせてくださいよっ」 「あ、あ、あ、あ──っ!」 急激に収縮した肛門に猛った男根を突き立てられ、塗り込められていたゲルがぐじゅぐじゅと音を立てる。膝立ちとなっていた内腿に生暖かなものが流れてきて、気色悪さに腿が揺れてしまう。 その動きさえ内部に響き、私は屈辱に咽び泣きながら懇願していた。 「武田、たけだ……っ、もう、もう達かせてくれ!」 「え? もうイキたいんですか?」 「んっ! ぐっ、ん、んん!!」 「もう一度ちゃんと言ってください。課長、イキたいんですか?」 「達きたい……達きたいぃいいい!!」 「じゃあ──中で出していいですか?」 「い・いい、いいから早く……はや、あっ、あぁ──!!」 「ははは、よく言えましたね、課長。そうやって最初から素直になっていればよかったんですよ。そうすればあんなビデオを見ることもなかったのに。……あれは俺がこっそり楽しむためのものだったんですから」 武田はそう言うと、私の顔の近くにあった黒い箱のようなものをいじった。すると、どこか遠くから聞こえてきていた物音が消えたようだった。 「ビ、ビデ……?」 あの音はなんだったろう。なにか、とてつもなく恥ずかしいものだったような気がするが──頭の中が混乱していてわからない。 今は、今は早くこの熱を吐き出してしまいたい……!! 「ああ、いいんですよ。それどころじゃないんですね」 「ん・んっ! あぅ、ふぅっ・くぁ!」 「さあ、もっと感じてください……課長」 柔らかい声がそう言い、私の腰に両腕を絡めてリズミカルに刺激を送ってくる。私はその声にすべてを委ね、欲望だけを求めた。 最近の私はおかしいのかもしれない。いつだって最後はこんなふうに、こいつにすべてを委ねてしまおうと思ってしまうのだから。あんなに拒絶していた男なのに……。 「あうぅっ、んっ、はや、早く──!」 「ええ。あなたはもう俺の身体なしではいられないんですから……俺のペニスに感じて、もっと可愛らしい顔を見せてくださいね」 「ああぅ……うっ、ううんんんっっ!!」 耳元で囁かれた言葉の意味を解することはできなかったが、低い呟きに快楽の中枢を刺激されて────私は高まった欲望を堪えきれず吐き出していた。 |
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こんな感じで課長はやられ続けてます☆(殴)
キリ番ゲッター・霞聯さんのリクエストでした。
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