Sweet&Hard Players

 軽く触れ合わされるだけのキスが、恋人たちの深いキスへと変わっていく。
「ん……っ」
 喉元まで舌を差し込まれ、息苦しさに眉を寄せる恋人の顔をマサキはしっかりと見つめていた。
 想いを伝えられたのは半年前。初めてキスをしたのは5ヶ月前。そして、身体を重ねたのは3ヶ月と10日前のことだ。
 男とセックスするのは初めてで、必要以上に緊張していたのを今も克明に覚えているマサキ。もちろんひかるにとってはすべてが初めての出来事だったのだが、もともと感度が良かったのかさして痛がることもなくマサキの欲望を受け入れた。
 セックスだけが愛を確認する行為だとは思わないが、セックスによってそれまでよりもずっと相手を信じられるようになったのは事実だ。
 今では会うたびに抱き合うのが習慣のようになっている。快感を知ってしまえば止まらないのはマサキもひかるも一緒だった。

 小さい舌を器用に絡めとり、淫らに吸い上げてやると、ひかるはくっと胸を突き出し身体を寄せてくる。生温い唾液を流し込み、それを飲み下す様を見るのも興奮する。
 名残り惜しいと思いながらも腕の中の小さな身体を引き離し、どうしたのかと見上げてくるひかるに向かってゆっくりと口を開く。
「……脱げよ。見ててやるから」
 マサキの言葉にひかるは戸惑ったようにシャツの襟口を押さえたが、それ以上何も言わないマサキに従うことにしたのかやがてゆっくりとボタンを外し始めた。
 ほんのり染まった頬が愛らしい。年よりも幼く見えるのは童顔のせいもあるが、発達しきっていない肉体のせいでもあるだろう。
 白く細い身体。見ただけで滑らかさが充分伝わってくる艶やかな肌。体毛も薄く、男らしさの象徴とも言える脛毛も腕毛も生えていないのではないかと思うほど目立たない。
 やがてブリーフ1枚となったひかるは、マサキの様子を伺うように伏せていた眼差しをちらっと上げた。
「脱げ」
 残った1枚の布も不要とばかりに強く言われ、ためらいながらもブリーフを脱ぎ捨てるひかる。
 柔らかそうな尻の肉が「食べてくれ」とばかりに露になる。マサキの股間はぐぐっと固さを増したが、まずはひかるを辱めるのが先だと欲望を抑えた。
 全裸になったひかるの中心で、先っぽの赤い部分を数ミリ覗かせた小さなウインナーが重力に逆らって立ち始めている。
「……なんだ。もう半勃ちじゃないか」
「だって…………」
「だってじゃないだろ。こっち来いよ」
 手招きしながら促され、両手で股間を隠しつつおずおずとマサキへ近づいてゆくひかる。
「隠すな。俺の前にちゃんと見せてみろ」
 皮が余り気味のひかるのペニス。自分で気持ちよくすることも知らなかったひかるのそれを開発し、大人の性器にしたのもマサキだ。
「ちゃんと『キノコ』にしてみろよ。──ほら」
「あっ……」
 ひかるのペニスに手を伸ばし、ひかるにしっかりと見せつけるように手を動かすマサキ。
 勃起して少しずつ敏感な部分が現れてくると、マサキはそこを指先でゆっくりと触れた。さらに皮を根元にずり下ろすと、綺麗な色の亀頭が見える。
 尿道口の一番敏感な部分に指を当てて力を入れずに擦ると、勃起したペニスはびくんっと大きく跳ね上がった。
「やあっ!」
 その刺激に呼応するように悲鳴のような声を上げ、反射的に腰を引く。だがひかるは、マサキの手を振り払うことはしなかった。
 剥いたばかりの頃は確かに痛みしか感じなかった部分だが、今は痛みを凌ぐ快感が走るのだと自分でもよくわかっているのだ。
「見ろよ、お前のペニス。口がぱくぱくして……淫乱汁だらだら垂らしてるぞ」
「やだぁ……っ、そんなに、んっ……見ないでよぉ……」
「あ? 何言ってんだよ。見ないでどうやってお前の淫乱ペニスをいじれって?」
 言葉とともに、マサキの手がひかるのペニスを握り込み、強く扱き上げた。
「あぁ……あんっ、はぁっ……」
 両手をぎゅっと握りしめ、震えてしまう身体をなんとか奮い立たせているひかる。その様子がたまらない。
 直接的な言葉をぶつけたり痛いくらいの視線でその身体を見てやると、ひかるは全身を真っ赤にさせて泣き出しそうな顔になるが、それが深く感じているのだということをマサキはすでに知っている。
 ひかるがそういうプレイを好む質だと気づいてから、マサキはセックスの流れをそっちへ持っていくことを極力心掛けるようになっていた。もともとそういうプレイに興味はあったし、何よりひかるの乱れた姿はたまらなくマサキを刺激した。
「いっちょまえに血管が見えてるな。毎日オナニーしてればお前のも赤黒くなるぜ」
「あっ、あっ……ほんと、ぉ?」
「ああ。幹もカリもデカくなって、スケベなペニスになるさ」
 ひかるの愛らしいペニスがそんなものになるところは想像したくないが、どうやら巨根に憧れているらしいひかるにそう言うと、可愛い恋人はさらに頬を赤くしてペニスを膨らませるのだ。
「こいつもずっしり重くなれば一人前の大人だな」
「あんっ!」
 ペニスを扱く手を止めずに、もう片方の手で奥に隠れていた陰嚢を緩く握って揉んでやる。皮膚が薄くて柔らかく、握るのにちょうどいい大きさのそこをいじるのがマサキは好きだった。
「やだ、やだぁっ! そんなに強くしないで、ぇんっ!」
「強いほうが好きだろ? 強く扱かれたり握ったりされるのが感じるんだろ、お前は」
「あううっ!!」
 言葉とともに手を動かされ、あられもなく喘ぐひかる。セックスによって得られる快感を知り尽くしたひかるの淫らな顔は、どんな顔より綺麗だとマサキは思う。
「あ、だめっ、やだよぉマサキっ……っ」
 感じきったひかるの姿に満足したマサキはひかるから離れると、素早く衣服を脱ぎ始めた。その様子を恥ずかしそうな顔で、それでも目を逸らさずに見ているひかる。
 ためらうことなくトランクスまで脱ぐと、マサキはベッドに腰掛けてひかるを誘った。
「来い。お前のペニスを俺のに擦りつけろ」
「えぇ……っ?」
「お前ばっかりいい思いしてるなんて不公平だろ? 俺も気持ちよくしてくれよ」
 マサキの要求してきた行為に驚き、大きな目を見開いて立ち尽くすひかる。
 だが、自分に快感を教えてくれたマサキの言葉に逆らうようなことはしなかった。
 ベッドに座っているマサキの足の間に身体を割り込ませ、肩に手を乗せてそっと身体を近付ける。背の低いひかるとマサキの股間はちょうど同じ高さとなり、勃起したペニスも合わせるにちょうどいい位置となる。
「ほら、早くやれよ」
 ペニスの先を指先で弾かれ「あんっ」と小さく喘いだひかるは、そろそろっと腰を前に進めてペニスにペニスを擦りつけた。擦るというよりは、ぶつけるといったほうが正解だろうか。
 一瞬だけ触れ合わせただけだが、マサキのペニスの熱さを敏感に感じたひかるは、触れてしまった部分を手で押さえて熱を冷まそうとする。行為の卑猥さとは裏腹なひかるの純朴な態度がマサキの股間をさらに圧迫し、我慢汁を流させていることにひかるは気づかない。
 マサキに強要される前に、ひかるは再びマサキのペニスに自分のそれを近づけ、ゆっくりと擦り合わせた。ぴくぴくと小刻みに身体を震わせながら、そのままゆっくり腰を動かし2本の幹に刺激を送る。
「は……あっ…」
 絶えず腰を動かしながら、ひかるが悩ましく顔を歪ませる。ベッドに座っているマサキもひかるの動きに呼応するようにいつしか腰を動かしていた。
 ぷつんと立った乳首がマサキの胸板に触れる。豆粒よりも小さなそれを、マサキは爪の先でかりっと引っ掻く。
「ひゃんっ!」
 ひかるはひしゃげた声を上げてマサキから身体を離そうとしたが、一瞬早くマサキの腕がひかるの腰を掴んだ。
「なんで逃げるんだ。ほら、触ってみろよ。勃起してるのが自分でもわかるだろ?」
「やだぁっ……」
「ほら…………どうだ?」
 ひかるの手をしっかりと掴み、自分の胸の飾りを触らせる。手の甲が乳首に触れ、その固さにびっくりして全身を竦めるひかる。その拍子に、幹と幹で繋がっていたペニスが離れた。
 ひかるのペニスが透明な先走りで細い糸を引く。マサキはその糸が切れてしまう前に指先で掬いとり、口に運んでねっとりと舐めとった。
 タコのように顔を赤くしてその行動を見ていたひかるを、マサキは突然立ち上がって細い腕を掴みベッドに投げる。
「あっ…?」
 軽い身体はぽすっとベッドに転がり、勃起したペニスと陰嚢が空中に舞いゆらゆらと揺れた。
「ああっ……ん」
 両膝を折り曲げられ、カエルがひっくり返ったような格好にされたひかるは、丸見えのペニスを隠すこともできないほど我を忘れていた。
「キノコがぴくぴくしてるぞ。本当にいやらしいな、お前は……」
「はぁ……んっ」
「ケツの穴からもヨダレが出てるぞ? 待ちきれないのか?」
「そっ、そんなことないもんっ……ぅあっ、ん」
「じゃあ下の口がどれだけ淫らかお前にもわかるようにしてやろうか?」
 そう言うと、マサキは人差し指をアナルに押し当て、そこを軸にして手をゆっくり回し始めた。
 遠心力によって、人差し指の先がずぶずぶと中へ飲み込まれていく。
「ひっ……や、んっ、やぁっ……!」
 自分の中に侵入してくる異物にひかるの身体がこわばる。しかしぐにぐにと内部を掻き回す指は不快なだけではなかった。
「感じてるじゃないか。あ?」
「あんっ、そんなこと……っ、あっ! ない・ってばぁっ」
「……喘ぎながら言ってても説得力ないぞ」
「あぁ、ああっ、マサキぃ……っ!」
 今やひかるのペニスは爆発寸前のところまで膨らんでいた。薄い陰毛も小さい陰嚢も、快感のために逆立っている。
 指をマサキ本しか差し込んでもらっていないアナルは、さらに太いものが欲しいとでも言うように指を飲み込んだまま入り口がひくついた。
 その様子を見たマサキは指を増やすことはせずに、ひかるの耳元で意地悪く囁いた。
「どうして欲しいか言えよ。…ほら」
「あっ、はぁっ、はぁっ……っ」
「言わなきゃこれはお預けだぞ?」
「あ……」
 マサキの言った『これ』を確かめるためにひかるはうっすらと目を開け、そこに雄々しくそそり立ったマサキのペニスを見つけると、無意識に唇が震えた。
 いつも言わされている言葉だが、直接的な言葉を口に出すことはひかるにとって何より恥ずかしく、そして何より興奮することだった。
 指を引き抜かれ、アナルの入り口をペニスで刺激されながら、ひかるはぎゅっと目を閉じて歯を食いしばり絞り出すように告げる。
「あ……マサキの……マサキのペニス……僕のオシリに……い、入れて……っ」
 だが、囁きにも満たない願いは聞き入れられない。
「聞こえないぞ。もっとデカい声で、はっきり言え」
 さっきまでの指と同じように、亀頭を軸に円を描くように腰をゆっくりとグラインドさせながら言われ、ひかるは身も世もなく声を張り上げた。
「マサキのペニスっ、ペニス僕にちょうだい! 僕のっ、僕のアナルに入れてぇ……!!」
「……よし」
 ひかるの言葉に満足し、マサキはようやくひかるの両足を担ぎ上げ、そそり勃ったペニスをアナルに当ててゆっくり腰を進めた。
「んくっ……あ、あぅっ、ううぅ……!!」
 奥へ奥へとずるずる飲み込まれていくペニスの熱さに唸る。
「ひ…っん、あ、あぅっ……あ・つい、よおっ!」
「……いいだろ?」
 両手でぎゅうっとシーツを掴んだひかるを見下ろしながら、マサキはともすれば掠れてしまいそうな声を必死に絞り出す。
 熱いのはひかるの体内も同じだ。絡みついてくる肉襞の柔らかさは女の名器と同じようにマサキのペニスを刺激し、我慢しなければきっと数秒でイってしまうだろう。
「いいぞ、お前の中……いつも通り熱くてきゅうきゅう締めつけてくる」
「あう、んっ、はぁっ!」
「誰かに突っ込ませたり…してないだろうな?」
「あっ! ないっ、ないよ、ぉ、そんなこと…んあっ!」
 ぶるんぶるんと首を振り、目の端から涙を滲ませながら答えるひかる。その表情が可愛くて、マサキはひかるの最奥までぐっとペニスを突き入れた。
「ひゃあうっ!!」
 ひかるは可愛く声を上げ、そのままマサキの力強い突き上げが繰り返されるものだと思っていたが、ひかるの内部に根元までペニスを埋め込んでから動かなくなってしまうマサキ。
「あっ、あ……なん、でっ?」
 じれったさに胸を上下させるひかるにほくそ笑み、マサキは敏感な耳の穴の中をねっとり舐めてから囁いた。
「どうしてほしい?」
 首筋に触れた吐息の甘さに柔肌がふるっと震え、ひかるは無我夢中で叫んだ。
「いっつもみたいに、あっ! あ、ん、はぁっ、いっぱい、いっぱい突いてほしいよっ──ひんっ!」
「……わかった」
 目を瞑っているひかるには見えなかったが、不適な笑みを浮かべてマサキは激しく腰を振りはじめた。
「ああああっっっ!!」
 激しい衝撃に喘ぎというよりも悲鳴を上げるひかる。だがその声も、動きに慣れていくにつれて甘い響きを含み始める。
「あん、あ・んっ、マサ……っ!」
 正気を失っているひかるにもっと淫らな言葉を言わせたくて、マサキは腰を激しく動かしながらひかるの耳元で声を張り上げた。
「ペニス咥えて喘ぐ淫乱なんだよなぁ、お前はっ!」
「あぁっ! あっ、あっ、あっ、あっ」
「男のペニスが大好きなんだろ? ああ?」
「いやっ・うぅ、好きっ、好きだよぉ! マサキのペニスっ、好きっっ!」
「お前の好物のイチゴとどっちが好きだ?」
「ああぅ・うんっあ、い、イチゴより…っ、マサキのが好きぃっ!!」
「俺の……何が好きだって?」
「おちんちん……っ、マサキのペニス、すきっっ……あ、ああんっ!!」
 ひかる人の結合がどれほど深いのか証明するように、室内に粘着質な音が大きくこだまする。
「あん! あ・んっ、すごいよぉ! 僕の中、マサキのペニスでいっぱ……あ、ああっ!」
 箍が外れたように、ひかるの口からは淫らな言葉が洩れ始めた。こうなってくるとひかるの中の理性は完全になくなったということだ。
「ひんっ、あふんっ、あっあっ!!」
 大きく開かされたひかるの足は、快感からか、それとも無理な姿勢に限界を感じてかぴくぴくと小刻みに痙攣している。まるで打ち落とされた小鳥のようだ。
 ひかるは尖端まで引き抜いたペニスを、容赦せずに根元まで打ちつける動きを繰り返す。しっかりとマサキのペニス分の道ができているひかるの内部は、それでも引き抜かれるたびに肉を押し戻し、マサキは締まった内部をかき混ぜるように腰の動きを強くする。
「やぁっ! そんな、したら……あぅっ、ふぁっ……こわれちゃ……!!」
「壊れないさ。しっかり根元まで咥え込んでるぜ? ずぼずぼ音してるのがわかんないのか?」
「あんん……っ!」
「ほら、ずっぷずっぷってな!!」
「ひやぁんっっ!」
 マサキの言うとおり、猥らな音は絶え間なくひかるの鼓膜を震わせる。
 言葉と共に激しくピストンされ続け、ひかるの射精感は高まっていた。
「マサキ、マサキぃっ! いく、ぼくもういっ…ちゃうぅっ!」
「いいぜ。イケよ」
 自分も限界が近づいていたマサキは、ひかるの言葉をすんなり受け入れて最後の仕上げにと一際大きく腰を振った。
「ああっ、ああっっ、ああんっっっっ!!」
 がくがくと身体を揺すぶられながら、ひかるは小さいながら限界まで膨らんでいたキノコから白い液を大量に発射した。それは自分の陰毛から喉元まで降り注ぎ、マサキの興奮をさらに煽り立てた。
「くぅっ……!」
 小さく呻くと、それ以上は堪えきれずにひかるの中にすべてを注ぎ込んだ。コンドームを利用していないため、マサキの濃い精液はすべてひかるの中にぶちまけられる。
 熱い奔流を叩きつけられ、ひかるは声もなく脱力していた身体を震わせた。
「あぁ……あはぁ……っ」
「はぁ、はぁ……」
 ひかるのアナルからずるりと抜け落ちたペニス。
 自分の精液とひかるの腸液で濡れたペニスをそのままに、マサキの目はすでに次のプレイに向けてぎらぎらと輝き始めていた。
「シロップのたっぷりかかったイチゴがあるな……。喰っていいか?」
 舌舐めずりしながら言うマサキに、ひかるは赤い顔をさらに赤くして
「うん……食べて」
 と小さく呟いた。
 マサキは口の端を持ち上げて笑いながら、身体をゆっくり倒し小さなイチゴを再び貪るために舌を伸ばしたのだった。

オヤジくせぇぞ、マサキ!
キリ番ゲッター・ハルタさんのリクエストでした。

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