誘い受け・X'mas編



「橘さん、今日伺ってもいいですか?」
 いつものように会議室でみっちり動いた直後にそう言われ、息を乱しつつ「ああ」と返事をした自分が、今となってはすごく恨めしい。
 どうしてもっと早く気がつかなかったんだろう。今日は金曜日、明日は土曜で仕事も休み。そして次の日は日曜で、その次の月曜日は振替休日。
 休みがこんなに続いたら、あいつは俺の家から帰らない。週末にあいつを泊めたことはすでに何度かあったが、家の中でひっついたまま金曜の夜から日曜の夕方まで過ごすのが習慣化しているのだ。おかげで週の初めだというのに月曜は疲労感で途方もなくだるい。
 いつものコースにさらに1日増えると考えただけでげんなりしてくる。……俺も年ってことだろうか。
 しかもすっかり忘れていたが、その休みの間に『クリスマス』がやってくるのだ。
 イベント好き(だろう。きっと)な宮森にはたまらない週末なんだろう。

「はぁ……」
 知らず知らずのうちに溜息をついていて、そんな自分にさらに気鬱が溜まるようだった。
(クリスマスか……。プレゼントなんか用意してないが……かまわないよな?)
 いや、しかし相手はあの宮森だ。俺が何も用意してないと知ったら激怒するかもしれない。
『橘さんは俺を愛してないんですか!?』
 とかなんとか言って、俺に泣きついてきて、そのまま俺を押し倒して……俺のチ○ポをしゃぶって大きくして、上に乗ってあんあん喘ぎながら腰を振るんだろう。
(……っと、いかんいかん)
 さっき溜まったものを吐き出したばかりだというのに、不埒な想像をしたせいでズボンの前がきつくなってしまった。
(どうせ夜には食えるんだ、それまで大人しくしてろよ)
 と愚息を宥めつつ、とりあえず何か用意したほうがいいんだろうかと仕方なく考えはじめた俺だった。
 ……あいつが拗ねて腰を振るのはいいが、それが俺のプレゼントに感激しての行為だったらさらにイイと思ったんだ。阿呆だな俺も……。

 終業時間になって俺を迎えに来た宮森に、少し残業してから帰ると言うと、途端に奴はぶすっと膨れっ面になった。
 それは周りの奴にはもちろんわからないだろう程度の変化で、何度も身体を重ねてきた俺だからこそ読み取ることができたものだ。
「すぐに帰るから、先に行っててくれ」
 誰にも見られていないことを確認してから、俺は手の中に持っていた家の鍵を宮森のポケットに滑り込ませた。
 宮森はポケットの中を探り、それがなんなのかわかって、すぐに笑顔で「わかりました」と答えた。
「ごちそう用意して待ってますから、早く帰ってきてくださいね」
 宮森は俺の耳元にそっと顔を寄せ、囁くような声で言うと、小さくウインクを残して帰っていき。
「合鍵がプレゼントってのもよかったか……?」
(しかしそれも今さらって感じがするし……)
 とりあえず俺は宮森が帰ってから10分後に会社を出て、家の方角とは正反対のデパート街へと向かったのだった。

「ただいま……」
 仕事+カップルでごった返したデパートでの買い物のせいで、疲弊しきった声が出てしまった。
(やっぱりプレゼントを買うときは、最初に目星をつけていくべきだな……)
 何も考えずにあんな場所に行った自分を激しく呪いながら、壁に手をついて靴を脱ぎ捨てる。
「おかえりなさ〜い!」
 スリッパに足を突っ込んでいるとパタパタという音が近づいてきて、伏せていた顔を上げた瞬間に俺の身体をずしっと重みが襲った。
「早めに帰ってきてくれたんですね! よかった、ちょうど食事の準備ができてますよ!」
 がっしりと俺の首に抱きついてくる宮森は、今日はまともな格好だった。さすがに裸エプロンをするには寒かったのか(それも久しぶりに見てみたかった気がするが)。
「いい匂いだな」
「そうでしょ? 橘さん和食好きだから今日もそうしようかと思ったんですけど……せっかくのクリスマスですから洋食を作ってみたんです」
 俺の頬に軽くキスをしながら笑う宮森。楽しそうに笑う顔に、『やっぱりイベント好きだったか』と確認させられたような気になった。
 途端に、鞄の中に入っているプレゼントが重みを増した気がした。──やっぱりまずかったか? あんなもの買ってきて…………。
「さあ、早く早く。冷めないうちに食べましょう!」
「ああ。──おい、そんなに引っぱるな」
 宮森は俺のコートの裾を引っぱり、中へとぐいぐい連れていく。まるで子供みたいだな。
「じゃーん!! どうですか!?」
「…………ああ、すごいな」
 すっかりセッティングされたテーブルの上には、豪華な料理が旨そうな湯気を上げて並んでいた。
 家でこんな料理を見るのは何年ぶりだろう。
「ほら、シャンパン!! デパートに務めてる友達に頼んでいいやつ選んでもらったんですよ!!」
 得意げに笑う宮森を、俺は苦笑しつつ抱き寄せた。額に軽くキスをして、
「ありがとな」
 と囁くと、宮森は目を見張って俺を見て──それから泣き出しそうに顔を歪ませた。
 だがすぐに笑顔に戻り、
「さあ、食べましょう!」
 と俺がいつも座っている椅子を引いた。
 俺が礼を言った理由……家庭の温もりを思い出させてくれてありがとうと、俺が言ったってことに……宮森は気づいたんだろうか。
「ね、橘さん!」
「……ああ、そうだな」
 2人だけのクリスマスパーティは、こうして幕を開けたのだった。

 一通り料理を食い尽くし、シャンパンの他に瓶ビール3本とワイン1本を開けた俺たちは、ほろ酔い気分でソファに寝転がった。
「橘さ〜ん」
 すっかり正体をなくした宮森は、いつも以上に俺に密着して離れなかった。俺も酔っぱらっていたせいか奴の行動を止める気にもならず、奴の好きにさせていて。
「そうだ〜、俺、橘さんにクリスマスプレゼント用意してきたんですぅ〜」
 潤んだ瞳の宮森はふいに俺の腿から顔を上げ、居間の隅に置いてあった自分の鞄まで四つん這いで這って行った。ぷりぷり揺れる尻が魅力的だ……。
 しばらく鞄の中をごそごそと探っていたが、やっと目当ての物を見つけたのか、嬉々とした表情で俺の側まで帰ってくる。その手に握られているのは、赤と緑の包装紙に包まれた小箱だ。
「なんだ?」
「開けてみて。ね、橘さん、開けてっ」
 俺に箱を押しつけて、早速開けろと催促する。今日の宮森は本当に子供のようだ。
「わかったわかった」
 促されるまま包装紙を開け、中から出てきた白い箱をゆっくりと開ける。こうしてプレゼントを貰うのなんて数年ぶりのことだ。なんだか妙にどきどきするな。
「お」
 中から出てきたのは、上等そうな腕時計だった。
「これは……いいな」
 今使っている腕時計は古くて針がときどき遅れたりする、と以前零したのを、こいつは覚えていたのか。
「つけてみて?」
「ああ、ちょっと待て……っと──どうだ?」
「うん、似合う似合う!」
 シルバータッチの時計は俺の腕にすんなりと収まり、前から使っていた物のようだった。文字盤も、秒針までばっちり見やすい。
「ね、橘さんは? 俺にプレゼントないのっ?」
 俺がしげしげと時計を見つめていると、宮森は時計をはめた俺の左腕にすがりついてねだるように頭をこすりつけてきた。
 俺ははっと我に返り、自分が買ってきたプレゼントを思い出す。
「あー…………」
(嬉しそうな顔をしたこいつに、アレを渡していいものだろうか……)
 しかし、買ってきたのはアレだけだ。他にプレゼントとして渡せそうな物はこの家にないし──。
「ねえ、ないの?」
 宮森の催促に迷い、しかしあまり先延ばしにして期待を煽るのはよくないと、ぐっと決心を固めた。
 宮森の鞄が置いてあったところに並べて置いてあった鞄から、さっき買ってきた物をゆっくりとおもむろに取り出す。……出すのをためらっていた、というのが正解だが。
「……ほら」
「わーい!! 開けますねっ!!」
 目をキラキラ輝かせた宮森は、言うが早いか掻きむしるように包みを開けはじめる。
「ホントに用意してくれてたなんてっ。それだけで感激です、俺!」
(んなこと言って……中見て唖然とするなよな……)
 と、どんなにぼやいても、俺の心の声なぞあいつに聞こえるはずがないのだ。
 そして案の定と言うべきか、中から出てきた物を見て、宮森は目を丸くした。
「…………なんですか、これ?」
「…………カメラ」
 ぼそりと呟いた俺に、手渡された物と俺の顔を交互に見ながら、宮森はどういうことかと首を傾げた。
「俺、カメラ欲しいって言いましたっけ? 別に興味ないんですけど……」
「いや、そんなこと聞いてない」
「だったら、どうして?」
 しかもポラロイド? としきりに首を傾げる宮森に、俺はなんと言ったものかと働こうとしない脳を揺さぶり起こそうとした。
(〜〜いい台詞が出てこない……)
 結局プレゼントに何がいいか思いつかなかった俺は、デパートの近くにあった電気屋でこれを購入したのだった。
 なんでカメラに惹かれたかっていうと、このポラロイドの売りが『いつでもどこでもどんなものでも撮ることができちゃう優れもの!!』とかいう安着なもので……。
 だけどそのとき俺の脳裏には『ハメ撮り』という単語が浮かんでしまったのだ。
『裸エプロン』が男の夢なら、『ハメ撮り』だって男の夢だろ!?
「橘さん?」
 俺の顔を覗き込んできた宮森に、こうなったら実際使ってプレゼントの効力を示してやるべきだと思い、顔を覆うようにしてキスした。
「……橘さん?」
「使おうぜ、それ。お前と俺が被写体なら、いい写真が撮れるだろ」
 手早く服を脱がせながら言った俺に、宮森は意味を理解したのか頬を染めた。

 パシャッとフラッシュが光り、俺のチ○ポにしゃぶりついている宮森が眩しそうに目を細める。
「やだ、橘さん……俺変な顔してるでしょ」
「いいや。続けろよ」
 本体から吐き出された写真を確認することもなく、俺はすぐにカメラを構え直した。これは……なかなかおもしろいかもしれない。
「舌出せ、宮森。俺のチ○ポの先っぽ、ちろちろ舐めてみてくれ」
 なんて、思わず要求してみたりして。
 宮森は少し躊躇したが、俺がカメラを構えたまま動こうとしないのを見て言われた通りにしようと思ったらしい。
「こうですか?」
 少しだけ口を開き、固くした舌先をぐぐっと突き出してくる。
「もうちょっと出して。……そうそう、そのまま俺のチ○ポ舐めろよ」
「…………んっ」
 目を瞑り、両手でチ○ポの根元を掴んで再び舌を使いはじめた宮森の顔をもう一枚撮る。
(よし……フェラチオ写真はこれくらいでいいか)
「もういいぞ」
 満足してチ○ポにしゃぶりついていた顔を引き剥がすと、宮森の舌が細い糸を引いて俺のチ○ポと繋がっていて。
 そんなにおいしいシャッターチャンスをみすみす逃すことはできず、俺は再び素早くカメラを構えてその様を写した。
「ね……橘さん…………して?」
 俺のチ○ポに置いていた手を動かさず、ねだるように掠れた声で言う宮森。煽情的な顔は確かに今すぐ味わいたかったが、それ以上に今はもっとエロい写真が撮りたいっていう気持ちが強かった。
 宮森の身体をベッドに押し倒し、深いくちづけを仕掛けながら全身を愛撫していく。いつも俺のチ○ポを咥えて絶え間なく収縮するアナルにも指を伸ばし、慣らすように少しずつ指を含ませていく。
「あ……あ、ん……」
 いい具合にほぐれたそこに、ぶしつけなまでに激しく指を突っ込んで。
 このまま最後までいくか!? と思いきや、俺はそこで宮森の身体から離れたのだった。
「え……?」
 宮森も予想外の展開に唖然とした表情で俺を見上げてくる。くっそ〜、今すぐ抱きたいと思わせる顔しやがって…………。
 すぐにアナルへ突っ込みたいという誘惑を断ち切り、「やらせたい!」と思ったことをさせようとする俺。
「1人でしてみせてくれ。撮ってやるから」
 カメラを構えて言うと、ベッドに横たわっていた宮森は俺に言われたことを頭で考えるように固まっていて。
 やがてゆっくり身体を起こし、自分のチ○ポをしっかりと握りこんだ。意識がもうろうとしてるのか、緩慢な動きには俺に見られているというためらいや恥じらいがまったくなかった。
「あ……」
 しっかり勃起したチ○ポを包んだ右手が、ゆっくりと上下に動く。頼んでもいないのに股を大きく開いて快感に顔を歪ませる宮森は、ものすごく色っぽい。
「左手があいてるぞ。自分で感じるところを弄ってみろよ」
「あ……はっ、い」
 息を切らしながら、それでも俺の言う通りに左手を動かす。その手が伸びた先は、左の乳首だった。
「あ、ん、…い、いいっ……ぁっ」
 指先で弾いて刺激を送りつつ、幹を扱いていた右手は鬼頭の窪みをぐりぐりと擦りつけて。
(あいつ、あれが好きなのか……)
『宮森の感じる場所』と心の中で唱えつつ、またシャッターを切った。撮った写真にあとでまとめてタイトルでもつけるかな……。
「はあっ、はあっ、た、橘さぁ…ん!」
 甘ったれた声が俺を呼び、ぎゅっと閉じられた瞼からつつーっと雫が流れていく。雫はずっと半開きのままの口から垂れていた唾液と混じって、顎を伝い鎖骨へと流れていく。
 くちゅくちゅとリズミカルな音が室内にこだまして、もうとっくに大きくなっていた俺のチ○ポがさらにぎんっと大きくなった。
「も、イク、イッちゃうよ……、あっ、あぁっっ!!」
 足の指先まで力が入り、ふくらはぎの筋肉がきゅっと形を露にする。
 それが宮森の射精合図だと知っていた俺は、ファインダーを覗いたままその瞬間を待った。
「あ、ああ、だめ……っ、あああぁぁ!!」
 嬌声とともに、極限まで膨らんでいたチ○ポからびゅるっびゅるっと白い液が飛ぶ。俺もタイミングよく指を動かし、
「よしっ!!」
と声を上げていた。
(シャッターチャンスは逃さなかったぞ!)
 吐き出された写真を取り、絵が出てくるのを待つ。しばらくすると、真っ白だった紙の上に、俺が写した映像がぼんやりと浮かんでくる。それは、
「いいな………」
 と思わず唸ってしまうほど傑作で。
 大きくなった宮森のチ○ポから、白い液体が勢いよく発射されて、噴水の水のような臨場感を与えていて。宮森が嬌声を上げているのも雰囲気から伝わってくる。
 エロ雑誌にもこんなにいいのは載ってないだろう。
「なかなかいい写りだろ、ほら」
 俺は嬉しくなって、ぐったりとベッドに横になっている宮森に快心の1枚を突きつける。それを見た宮森は紅潮した頬をさらに赤くした。
「やめてくださいよ。……恥ずかしい」
 伏し目がちの顔がまたなんとも言えず色っぽく、俺はカメラを首に下げたまま宮森に飛びついた。
「あ……っ!」
 左の乳首を潰し、それから指先で弾いたり手のひら全体で揉みこむように包んでやる。
「ここが好きだったんだな、おまえは。ん?」
「あっん……橘さん……!」
 右手と一緒に、左手の指先で尿道口をぐりぐりと刺激するのを忘れずに。
「あ、いい……好き、そこっ……あぁっ!!」
「男のくせに乳首がいいなんてな。こりこりしてるぞ」
「言わないでよ……っ、は、あぁっ、い・いじわる……ふ、ぅんっ」
 喘ぎながら俺の腕に爪を立てる宮森。嫌々をするように首を振り、触れ合った腹部には汗とも精液とも取れるものがぐちょぐちょと流れていた。
 そこにチ○ポを擦りつけながら、これ以上は焦らすまいと宮森の足を軽く広げさせた。
 さっき十分慣らしてやったから、このまますぐに挿れても大丈夫だろう。
「欲しいんだろ。俺が挿れやすいように両足上げろよ」
 耳朶を軽く噛み、耳の中に流し込むように囁くと、宮森はこくこくと首を振ってから自分の両足を抱え上げて股を広げてみせた。
 少し強めに言うとこいつはなんでもほいほい聞く。少しマゾっ気があるのかもしれないな。
「いくぞ」
「た…ちばな、さん? それ…………」
 俺がカメラを持ったまま奴に近づいたのに気づき、ためらうような視線を投げてくる宮森。
「ハメ撮りってやつだ。ほら」
 言いながら、ぐぐっとチ○ポを突き入れる。
「いやっ、あ! あ、ああぁ、んっ!!」
 自分の膝裏を抱えた宮森は、それでも足を下ろそうとはしなかった。むしろさらに俺にアナルを見せつけるように腰を上げてきたんだ。
「どうしようもない好きモノだな、おまえは」
「あ、あっ、橘さ……んぁっ、だめ、動いちゃ…!」
「動かさないでどうしろってんだ。やっぱり写真撮ってほしいんだろ?」
「ちがっ……違うよっ! あ、やだっ、撮っちゃ、ヤダ……ぁ!!」
 ぐちぐち音を立てる結合部をフレームいっぱいに入れ、俺は宮森の中にぶち込んでいたチ○ポを3分の1ほど引き抜いた。
 程よく広がった宮森のアナル。ずっぽりと俺のチ○ポを飲み込んでいて、なかなかいいショットだ。
 できれば宮森の顔も入れたかったが、さすがにこのポーズではそれは無理だった。
(この繋がった部分だけでも……っと)
 光の当たり具合を確かめて、写真がぶれてしまわないように両足を踏ん張って。
「撮るぞ」
 と一応声をかけてから、シャッターを下ろした。──やっぱりいいカットだ。記念にもう1枚。
 すぐに確認したかったものの、宮森の限界が近いことに気づき、首に下げていたカメラを床に置いて、行為に没頭することにした。
「よーし、よく我慢したな」
 感じ過ぎたのか、足を抱えている腕がぷるぷると震えている。そのままの姿勢で両手首を掴み、思いきり腰を使って中に打ちつけてやった。
「ひゃぁ……あんっ!!」
「くっ……」
 途端に宮森の中はぎゅっと締まった。危ねぇ、もう少しで暴発しそうだったぞ。
「どうしてほしい? 激しく動くか? それとも緩く?」
「あ…、う、動いて……っ! 激しくして……ぇっ!!」
 閉じたままだった目をうっすらと開き、俺の顔を確認した宮森は、懇願するように言うと再び瞼を閉じてぐっと眉を寄せた。
「よしよし、たっぷり味わえよ」
 俺は宮森の手を足から外させ、俺の背中へと回させた。すぐさま奴は俺に抱きついてきて、今度は俺があいつの両足を抱え上げてやる。
「いくぞ、ほらっ」
 かけ声と共にピストン運動を開始する。
「あふっ……」
 最初はゆっくり。引き抜くときに少しひねりを加えてやりながら、突き入れるときは奥までずんっと突いてやって。
「あう、あ、ああ、あっ、あぁっ」
 それから徐々にスピードアップ。腰を大きく使って、狭い内壁を擦りあげるように。
「あ! あっ! あぅ! あん! あぁ!!」
 最終的には高速ピストン。身体にかかる負担は大きいが、こうしてやると宮森が泣いて喜ぶんだ。
 肉のぶつかる音と、粘液の音。宮森の喘ぎ声に、俺の上がった呼吸。
 すべてが一体となって、俺たちのセックスはクライマックスへ向かっていく。
「イク、イクッ、あん、あん・んんぁっっっ……!!!!」
 宮森は俺の背中に爪を立てて、全身をびくびく震わせながら射精した。俺とあいつの腹の間に、熱を持ったどろどろした液が吐き出される。
 俺も最後の力を振り絞り、1番深い場所まで打ちつけてから、溜めていたものを一気に吐き出した。
「あ…あぁ……」
 宮森は掠れた声を上げ、中に注がれる俺の残滓を余韻と共に味わっていた。いつも思いきり中に出してるけど、腹痛くなったりしないのか、こいつは……(直接腸を刺激してるんだから、俺なら腹下ししそうだけどな)。
 ゆっくりと身体を倒し宮森の隣に横たわると、すりすりっと身体を寄せてきた。とてもじゃないが腕枕はしてやれないから(身体が疲れきっていてあまり動きたくなかったってのが1番の理由だが)、汗で湿った背中を俺の身体に引き寄せてやる。
 触れあったチ○ポは勃起する気配がない。今日は昼も頑張ったから、宮森のタンクも空に近い状態になったんだろう。
「橘さん……」
 蚊が鳴くようなか細い声で俺を呼びつつ、宮森の手は俺のチン毛を弄くりはじめる。どうしてこいつは体毛が好きなんだっ?(ときどき脇毛やすね毛を触らせろと言ってくるんだ)
 その手を振り払いつつ、お返しとばかりに宮森の尻を撫でる俺。
「なんだ?」
「さっき撮った写真……見せてくださいよ」
「ああ……そうだな」
 宮森に言われて、さっき自分で取りまくったものの存在を思い出す。俺も撮っただけでちゃんと見てなかったんだった。
 ベッド脇のテーブルに手を伸ばし、無造作に投げ捨てられた写真の数々をまとめて手に取る。
 1枚1枚目を通し、見た端から宮森に渡してやった。
「いい顔してるだろ、お前」
「やだ……恥ずかしい」
 俺のチ○ポをフェラチオしてる顔、オナニーして感じまくってる顔、口からよだれを垂らして喘いでる姿…………どれもこれもなかなかの傑作だ。
「これは2枚撮ったからお前に1枚やるよ」
「どれです? ……ちょっ、なんですかこれっっっ!?」
 手渡した写真は、宮森のアナルが俺のチ○ポをしっかり咥えこんでるズームショットだった。
「いい写りだろ。センスあるな、俺って」
「センスとか、そういう問題ですか!? こんなの……っっっ!!」
 わなわなと震えながら、だがその顔は俺を満足させるほど恥ずかしさに紅潮していた。
「なかなか楽しいな、写真を撮りながらやるのも。またやるか?」
 からかいついでに言うと、宮森は写真に見入ったまましばらく無言で俯いていて。
 ──やがて、それまで恥じらっていたとは思えないほど輝いた顔で、俺に衝撃発言をした。
「じゃあ、今度は俺が撮りますよ!」
「……はっ!?」
「橘さんの写真、俺も持ち歩きたいですから。どんなショットがいいかな〜。やっぱオナニーしてるところかな〜?」
 言いながら、宮森は布団を跳ね上げてさっそくカメラを首から下げた。
「じゃ、まずはチ○ポを扱いてくださいねっ」
 にっこり笑う宮森には妙な気迫があり、『あなたに拒否権なんてないんですからね』と言われてるような気になってしまった。……ま、まさか本当にするのかぁ〜〜〜〜っっっ!?

 こんなことならカメラなんて買ってくるんじゃなかった!!


変態まっしぐらだよ……。

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