大人だけの甘い夜・本文紹介





 十月最後の週末、我が家に可愛い来客があった。
 その可愛い来客が、山ほど手に入れた甘い菓子の夢を見ているであろう頃。私は年若い恋人と甘い時間を過ごしていた。
 ……『甘い』と一言で表現するには甘すぎる時間を。

 私は弓原寛史。物書きを生業にしている五十代後半の中年親父だ。
『どこにでもいるおじさん』と言える私が、数年前にある人物と出会ったことで『特異なおじさん』になってしまった。その「ある人物」とは現在の私の恋人……自分の息子より若い、しかも同性の田村弘平のことである。
 数年前の夏のあの日、気まぐれに夏祭りに出向いたことで出会った青年。長い間忘れていた情欲を、若さに溢れた熱い肉体で身をもって思い出させてくれ──この年になって抱くことになるとは思わなかった恋心を私に与えてくれた。
 最初はただからかわれているだけだろうと疑心暗鬼だったが、実直で真摯な言動に彼の気持ちも私のものと同じなのだと信じることができた(正直、面白さの欠片もない私のどの部分をそこまで気に入ってくれたのかわからないのだが……)。
 妻に先立たれ、一人息子も家庭を持ったことで家を出ていき変化に乏しい孤独な生活をしていた私に、それまでの人生では味わったことがないような刺激的な日々を与えてくれている。
 ……老体には少々厳しすぎるスキンシップには、嬉しいような迷惑のような、複雑な気持ちにさせられるのだが。


以降はずっとエロにつき短くてすみません。


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