其は斯くも穏やかな日々・本文紹介




「じゃ、今日は若頭のことを酒の肴にして呑もうぜ」
「へっ?」
「若頭がいなくて寂しいんだろ? あの人の話でもすれば少しは気が晴れるだろうし、しょうがないから俺たちが付き合ってやるよ」
「あ、さんせーい! 私も島谷さんのこともっといろいろ聞いてみたかったのよねー!」
「えっ……えっ?」
 田島の提案にリョウジが賛成し、突然の事態に困惑する市郎をよそに話の流れは自然若頭のことになろうとしていた。……この話題転換、田島が気を利かせて言い出したようにも聞こえたが──内心気になっていた若頭の話を田島が聞き出そうとしていることは言わずもながであった。
 その証拠に、一発目の質問から好奇心丸出しのえげつないものが飛び出したのである。
「じゃあ質問。若頭のペニスに真珠が入ってるってホントか?」
「えっっっ!?」
「え、なにそれ!! ホントなの!?」
「あくまでウワサ。誰も見たことないからな。けど、お前ならもちろん知ってるだろ?」
「なっ、そっ、どっ、」
「お前動揺しすぎ。てことは本当なんだな」
「やだー、見てみたぁーいっ」
 顔を真っ赤にして絶句する市郎。その様子に、何事かを納得する田島と大喜びのリョウジ。
最初の質問から下ネタが出てきたあたり、続けられるものも予想がつきそうなものだが、
「ていうか、島谷さんってやっぱり立派なモノ持ってるんでしょ? どう? 気持ちいい?」
「えっっ!?」
 やはりというかなんというか、リョウジの口が紡いだ次なる質問も市郎を赤面させるものだった。
「市郎、私に聞いてきたわよね? 島谷さんと付き合い出すずーっと前に、『オシリにチンチン挿れられるのって痛いのか?』って。あのときに私が適切なアドバイスをしてあげたから今のあんたがあるんだから、ちゃんと答えなさいよ。島谷さんのチンチンは大きいの!?」
「ばっ……そんなデカい声でなに言ってんだよ! しかもお前のアドバイスなんて……あんなのアドバイスになってなかっただろ!?」
「んまー失礼しちゃう! この私がせっかく親身に答えてあげたっていうのにそんなこと言うの!?」
「おいおい、興奮するなよリョウジ」
 いい具合に酒が入っているせいかリョウジの口も滑らかに動き、田島も知らない過去のことを暴露し始める。もちろんその話も詳しく聞きたい気もしたが、それはまた別の機会に市郎がいないところで聞き出せばいいだろうと、田島は再び話の矛先が市郎に向くよう軌道を修正する。
「ほら、素直に答えろよ市郎。このまま答えないとリョウジがお前の恥ずかしい過去を吐きまくるだけだぜ?」
「そうよ、答えなかったらあんたがあのときどんな顔で私に泣きついてきたかもぜーんぶ言っちゃうからね! ほら、素直に吐きなさいよっ」
「う〜〜〜っ」
 リョウジの軽い脅しに怯む市郎。だが、
「ダメだ、絶対言えない!!」
 いくら親友相手とはいえ、大切な相手のことを軽々しく口にできないと再び固く口を噤んだ。


市郎&田島&リョウジの兄貴談議。さらに過激になっていきます(笑)。


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