☆ ペーパー本文紹介 ☆



 ここは、とある片田舎の僻地にある全寮制の男子校。
 由緒正しき伝統を受け継ぎ、この高校に通う生徒は『世にも可笑しな』方法で互いの想いを伝え合っていた。

 2年A組、二ノ宮翔(かける)。
あまり身長の高くない、どこからどうみても可愛らしい部類に入ってしまう少年は、1時限目がもうすぐ始まるという時間になっても自分のロッカーを開いたまま固まっていた。
……正確には、開いたロッカーの前で数枚の紙の束を見つめたまま固まっていたのだが。
「よーう、カケルっ。おっはよ〜☆」
 そこに、翔と同じクラスの馬場大成(たいせい)がやってきた。こちらは長身にがっしりとした体格で、どこからどう見ても『スポーツマン』といった様子。
 だが、満面の笑みを浮かべた無邪気なその顔は、どこか母性本能をくすぐるものだった。
 いつもならば、大成の呼び声にいち早く反応して『満面の笑顔返し』をする翔だったが、この日はどうも様子が違った。
「…………」
「なんだよ、また『ラブレター』もらったのか? 相変わらずモテるよなぁ」
「………………」
「カケル? どうしたんだよ? そんなに気持ち悪いことが書いてあったのか?」
 一言も言葉を返してこない翔に焦り、おろおろと翔の顔を覗き込む大成。
 そんな大成の言葉がようやく耳に届いたのか、翔はゆっくりと顔を上げて大成を見ると、なんとも奇妙な表情で呟いた。
「……読めない」
「────は?」
「字が汚すぎて読めない。それに、書いてあることも意味がわかんない」
「……ラブレターの?」
「うん」
 手紙の束(らしきもの)を差し出してきた翔からそれを受け取り、どれどれと眺める。
「うっわ……こりゃすげぇ」
 しかし、目に飛び込んできた『視界の暴力』ともとれる文面に、思わず顔を背けてしまった大成だった。


多少修正が入ります(たぶん)。
『世にも可笑しな方法』については後半部分にてどうぞ(爆)。


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