第一幕光を穿つは情熱か鍛錬か

日記は上に行くほど新しくなっています

私の日記、読んでねv
煩悩天使、妄想中

 ★月※日 

 今日も本当にいい一日でした!
 思い出しただけでも身震いしてしまいますわっ!!!

 昨日のヴィクトール様のお申し出が気になった私は、早朝からジュリアス様の邸宅の前でじっと張っておりました。もちろんヴィクトール様がいらっしゃると確信していたので。
 ジュリアス様は日課としている早朝の乗馬をお休みになり、いつもお供をさせているオスカー様には従者を通じて連絡したようでした。……そんなことをなされれば、オスカー様が訝しみますのにね(きっとそう考える心の余裕さえなかったのでしょう)。
 そうこうしている間にヴィクトール様がジュリアス様の邸宅にやっていらっしゃいました。ラフなお洋服に身を包んだヴィクトール様は、いつもより表情も柔らかに見えましたが……内心は緊張されていらっしゃったのでしょうか、足がときどきもつれていて、私も微笑ましい気持ちになってしまいましたわ(30歳を超えた殿方に『微笑ましい』なんて失礼かもしれませんけれど)。
 ヴィクトール様がいらっしゃったことを知ったジュリアス様は、内心そのまま追い返してしまいたい衝動があったのかもしれません。それでも表に出てきたということは、ジュリアス様のお心の中にあったのは、ヴィクトール様を拒絶する気持ちだけではなかったということでしょう。
 いつも重そうな執務服に身を包んでいらっしゃるジュリアス様ですが、今日はラフな格好でした。上等そうな白いシャツは『襲ってくれ!』と言わんばかりに清潔感を漂わせ、まるでジュリアス様の肌のような滑らかな素材のパンツも、すぐに手を伸ばしたくなるほどのもので。
 そのままお二人は朝の挨拶もそこそこに、言葉少なに連れ立って湖の近くの森へと歩いていきました。……その後を尾行する、私とジュリアス様の番犬の存在に気づかないまま。
 そうなのです。オスカー様もしっかりと早起きをなさってお二人のご様子を固唾を飲んで見守っていらっしゃったのです。普段着ることが絶対になさそうな、ダークグリーンのシャツをお召しになられて(緑と同化すれば見つかりにくくなるとでも思ったのでしょうか/笑)。
 一年中木々が生い茂っているその場所に辿り着くと、黙りがちだったジュリアス様が重い口を開かれました。
「……このような場所に、何用だ」
 木々に埋もれたその場所に響く声はいつもの威厳など欠片もなく。
 ヴィクトール様との間に距離をとったその態度からも、ジュリアス様が何かを恐れていらっしゃるのかと伺い知ることができました。
「…………」
 ヴィクトール様は黙ったままゆっくりとジュリアス様に近づいていき、立ち竦んだまま動けなくなってしまっていたジュリアス様の両腕をがっちりと掴まれました。そして、痛みに顔をしかめているジュリアス様に、有無を言わさぬ勢いで口づけをされて……!!
「んんっ・んっ!」
 逃げ出そうともがくジュリアス様を押さえつけて深い口づけを仕掛けるヴィクトール様。その執拗な舌技に、ジュリアス様も早い段階で抵抗するのを止められました。そして……
「ん……ん、んん、ぁ……んぅ、ん、んっ」
 求めに応じるようにジュリアス様の舌も動き始めたことに、オスカー様は息を呑まれていました。
 ジュリアス様はおずおずとヴィクトール様の衣服の胸元を掴み、それに気づいたヴィクトール様はジュリアス様のお身体を静かに柔らかな芝の上に横たえました。
 そこでいったんは唇を離し、無言のまま見つめ合ったお二人。言葉こそ交わしませんでしたが、きっとお二人の間では、
『あなたのすべてが欲しいのです、ジュリアス様……』
『ヴィクトール…………お、まえの、好きに──』
 なんてことを、目と目で会話されていたのでしょう!
 再びゆっくりとジュリアス様の唇を吸い上げたヴィクトール様は、そのまま情事の前戯へと行動に移られていきました。
「ジュリアス様……」
「あ……ヴィクトールっ」
 たった一度肌を重ねただけだというのに、ヴィクトール様の愛撫は適格にジュリアス様のツボを捕らえていたようです。
 這い回る掌と肉厚な舌が柔らかな肌を濡らしていくのが手にとるようにわかって、私の喉はごっくんごっくんと唾液を飲み込むことで大忙しでした(照)。
「あぁ……、っ、ん、あぁっ……っ」
 もはや抵抗する気など到底ないらしいジュリアス様は、ヴィクトール様の頭部に当てていた右手で髪をまさぐるように指を動かし、快感に身を委ねていらっしゃいました。ちゅっちゅっと小さな音をさせて移動するヴィクトール様の唇が触れた場所を、震える左手でなぞらえながら。
「あっ……ヴィクッ……!」
 快感に見悶えるジュリアス様は壮絶な色香を発し、飛び散る汗さえもエロティックで。ちらりと盗み見たオスカー様の股間は、当然のことながらはちきれんばかりに突っ張っていらっしゃいました(自分の好きな相手とライバルのセックスでぬくなんてことはしませんでしたけれど)。
「ジュリアス様……宜しいですか?」
 そうこうしているうちに、お二人のお身体はついに挿入準備完了となっていたようです。ヴィクトール様がジュリアス様にそう伺うと、改めてそんなことを聞かれたのが恥ずかしいのかぷいとそっぽを向いてしまったジュリアス様も、やがて小さく頷かれて。
 ジュリアス様の了解を得たヴィクトール様は、ジュリアス様の細い足をしっかりと掴んで、ご自身の熱くたぎった欲望をずんっと一気にジュリアス様の中に打ち込みました(腰を叩きつけた瞬間の映像は、きっと忘れられないです)。
「あうっ……!」
 その瞬間ジュリアス様の決して高くはない声がトーンを上げ、ヴィクトール様に抱えられた両足もびくびくっと大きく跳ね上がって。
 リズミカルなピストン運動が始まった頃には、オスカー様の息も上がっていました。
「私は……ずっと前から、あなたのことをこうしたいと考えていました」
 ジュリアス様を攻め立てながら、ふいにヴィクトール様が口を開かれました。
「誰よりも気高く威厳を保ち続けるあなたが、ときどきひどく苦しげに見えて──孤独を感じていらっしゃるような表情をされるたびに、私はいつもあなたに申し上げたくなった。『もっと私を頼ってくれ』と」
「ヴィクトー……」
「あなたが安心して寛げる時間を提供できる人間になりたいと、私はずっと思っていた。ただの教官ごときが首座の守護聖様を寛がせることなどできないかもしれませんが……」
「そのような、ことは……」
「ですが、あなたと同じ立場に──人を率いた経験のある私には、少なくとも他の方よりはあなたの孤独感がどんなものなのかわかっているつもりです」
「ヴィク……っ」
「力を抜いて。全身の強張りを解いて、私に全てを委ねてください。……『守護聖』というご自分の役割を、今だけ忘れててくださっていいですから」
「あぁ、あああっ、あぅ、あぁあっ!」
 お二人の結合部が発する音は、風の音に紛れないほど大きく響いていましたから、オスカー様にもしっかりと聞こえていたことと思います。ヴィクトール様のご立派な男性器が、ジュリアス様の赤く色づいた秘部を思う様に貫き続ける様子も──オスカー様の隣にひっそりと隠れていた私に見えていたんですから、オスカーさまにも見えていたことでしょう。
「ヴィクトールッ、ヴィクト……ル、ぅぅ・っっ!」
 ヴィクトール様の逞しい身体にしがみついて、ご自身でも無意識のうちに腰を振られる様は、もう絶景としか言い様がありませんでした。衣服の下から覗く白い脚も、その脚を掴んでいたヴィクトール様の焼けた腕との対比が美しく感じました(惚)。
 やがて迎えた終幕に、ジュリアス様の眦【まなじり】から一筋の光るものが流れていきました。激しい動きからようやく一息つけたヴィクトール様がそれに気づき、無骨な指で不器用に拭っていらっしゃったのが印象的でした(素敵なフィナーレでした……)。
「……愛しています、ジュリアス様」
「…………ヴィクトール」
「あなたを慰められるならば、私を利用してくださってもかまいません。どうか……お一人で苦しまないでください」
 ヴィクトール様の低音ボイスがジュリアス様の耳もとでそう囁くと、ジュリアス様の瞳からはまた新たな雫がこぼれていきました。
 ゆっくりと腕を上げ、それまで自分に狼藉を働いていたヴィクトール様に手を伸ばされたジュリアス様が、ほんのわずかですがほっとした表情をされていたように思ったのは私の気のせいでしょうか?

 それからお二人は長い間そのままの体勢で固まっていらっしゃいました。……起き上がる頃には汗や精液が乾いて大変なことになっていたでしょうね(それはそれで萌え)。

 まさかこんな展開になっていくとは、さすがの私も思いもよりませんでした。
 ジュリアス様はモラリストでしょうから、常識という面でヴィクトール様を拒絶しようとしているようですが、きっと精神的な面では惹かれていらっしゃるのだと思います。人の上に立つ人間にも、気を許せる相手が必要だということですよね。
 木陰から覗いていたオスカー様が嫉妬深い顔で激しく歯軋りしていたのは、私しか知らないことでしょうが(プレイボーイの浮き名とはほど遠い、醜い(暴言かしら?)顔をされていました)……あの様子ですと、近々オスカー様のご乱心っぷりが拝見できるかもしれませんね。それもまた楽しみですvvv






 ★月#日 

 オスカー様のオナニーというとっても貴重なものを見た次の日に、オスカー様がどんな顔をしてジュリアス様にお会いになるのかとっても気になって今日も朝からオスカー様のあとをつけていました。
 オスカー様は毎朝の日課通り、まずはジュリアス様の執務室へと出向いてうやうやしく挨拶をされて。そのご様子からは、昨晩目の前に立たれているお方をオナペットにしてオナニーしたとは到底思えませんでした。
 ジュリアス様のほうはといえば、ここ最近のご様子からあまり変わりなく、オスカー様の御挨拶にも半分上の空で返事をされていました。きっと頭の中はヴィクトール様と過ごした熱い夜の出来事が回っていたのでしょう。
 そんなジュリアス様を、オスカー様は黙って見つめておりましたが……きっと内心では正体の知れない間男の存在にぎりぎりと歯ぎしりをさせていたに違いありません(その間男がヴィクトール様だということを知っているのは私だけv)。

 その日は皆さんが集まって会議をされることになっていたようで、お二人も一番乗りで王立研究員へと行かれました。その場にはもちろんヴィクトール様もいらっしゃって、ヴィクトール様のお姿を認めたときに、ジュリアス様はほんのわずかでしたが怯んだような表情をされていました(さすがにこのときのジュリアス様のご様子にはオスカーさまも気づかなかったようですが)。
 そのまま会議は滞りなく済み、皆様がそれぞれの仕事場へとお戻りになられていたとき──それは起こりました。
「ジュリアス様、少しよろしいですか?」
 なんと、ヴィクトール様がジュリアス様に声をかけられたのです! このときは私も本当にびっくりしました。
 緊張したような面持ちで声をかけてきたヴィクトール様に、ジュリアス様はびくっと肩を揺らしました(遠目からもわかるほどのものでしたから、ジュリアス様の側にいたオスカー様には絶対に見えていたと思います)。
「……なんだ」
 平静を装ってヴィクトール様に向き合ったジュリアス様。けれど顔の強ばりは隠すことができていませんでした(微かに震える頬がとってもセクシーでした)。
 ヴィクトール様はそんなジュリアス様の様子に気づいておられたようですが、固い決意を覆すことなくやけにきっぱりとした口調でこう言われました。
「明日の午前中に時間をくれませんか? ジュリアス様にお見せしたいものがあるんですが」
「……見せたいもの?」
「はい。お時間の方はそんなにかかりませんので。明日の朝、ジュリアス様のお屋敷までお迎えに上がりますので」
「えっ……」
「それでは失礼します」
 オスカー様の鋭い視線から逃れるように素早く離れていったヴィクトール様。ジュリアス様はそんなヴィクトール様の後ろ姿をいつまでも目で追いかけていて、そしてそのジュリアス様の表情をオスカー様は穴が空きそうなほど熱い眼差しで見つめていらっしゃいました。

 オスカー様はお二人の間に流れた奇妙な緊張感に気づいてしまわれたでしょうか!? 気づいていたとしたら、きっと明日はお二人の後をストーカーのようについていくに違いありません!
 なんだか楽しみな展開になってきましたわ〜〜vvv






 ★月◆日 

 あの日から数日が経ちました。
 私はジュリアス様とヴィクトール様のそれぞれのご様子をうかがっていたのですが、お2人はなるべく接触を保たないようにしていらっしゃるようで、なかなか2ショットシーンを見ることができませんでした。
 けれど、お互いがお互いを意識しているということは誰の目から見ても明らかで。
 他の守護聖様方も、ジュリアス様のご様子がおかしいのではないかと噂をしはじめているようです。
 そしてその噂に敏感に反応を示したのは、言わずと知れた『ジュリアス様の番犬』さんでした。

 本当はジュリアス様の杞憂の原因を知りたくてたまらないのでしょうに、それを聞くことができずに毎日悶々としているようです。
 家に帰ってからも溜め息ばかりついていらっしゃるようで、使用人もどうしたのかと心配しているようですし……よっぽど気になっているんでしょうね。
 そんなオスカー様のご様子が気になってストーカーのように付きまとっていましたら、なんとオスカー様がオナニーをされているところまで目撃することができました。

 オスカー様がオナニーをされるなんて、本当に珍しいことです。いつもは女性を相手にされていらっしゃいますから、『溜まる』なんてことはありえないんですもの。
 ただこの数日は本当に誰ともSEXをなさっていないようで、全身から漲るオーラが『ヤりたい! 今すぐ!!』といった感じでした(本当にケダモノさんなんですから……オスカー様って/照)。
 早々に寝室に入られたオスカー様は、一直線にベッドに向かわれました。
 今日はこのまま眠ってしまわれるのかしら? と私ががっかりしたそのとき、オスカー様は突然枕の下に手を入れられて。
 そして枕の下から出てきたのは、なんとジュリアス様の写真でした。しかも寝顔のアップ!!
 オスカー様はいったいどこでその写真を手に入れたんでしょうか。いえ、そんなことよりも、なぜ枕の下に置いていたのでしょうか。まさか、ジュリアス様の夢を見るため!!? なんて乙女チック!!!!
 私の驚きは尽きませんでしたが、オスカー様はその写真を手にとると、ジュリアス様を数十分間じーっと見つめていらっしゃいました。その間独り言を言っていらしたようですが、声が小さくて聞きとることはできませんでした……残念。
 ですが、私は気づきました。ジュリアス様の写真を見つめていたオスカー様の股間が、大変お元気な状態になっていらっしゃるのを!!
 一度も触れていないし、直接的な表現のものをご覧になっているわけではないのに、特大のテントを張ってしまうなんて……オスカー様は、私が思っていた以上にジュリアス様のことを想っていらっしゃるのかもしれません。
 やがてオスカー様はご自分の股間の状態に気づいたらしく(それまでまったく気づいていなかったようです)、『やれやれ仕方ないな』といった表情でファスナーに手をかけられました(仕方ないのは自分の股間でしょっと思わず突っ込みを入れたくなりました)。そしておもむろに、その威力を聖地一発揮しているであろう男根を披露して下さいました。

 ……オスカー様のそれは、思わず溜め息をついてしまうほど立派でした。
 大きな亀頭は光を反射してつるつる輝き、はっきりわかるほど血管の浮き出た幹も、ずっしりと大きな○玉も、どこからどう見ても一級品でした。確かにあれだけのものをお持ちであれば、多くの女性がオスカー様の虜になってもおかしくはありませんよね。私も、黒ずんで使い込まれているのが一目でわかるその形状には、『誰かとの絡みを見れていたら最高だったのに!!』と無念でいっぱいになりました。
 とはいえ世にも珍しいオスカー様のオナニーです! 私は瞬きもそこそこにじっくりと見入りました。

 オスカー様はまずご自身の金○を2つとも右手で握り込み、掌の中でじっくりと転がすように揉んでいらっしゃいました(オナニーで○玉から触りはじめるのって、なんだか珍しい気がします)。
 それから持っていた写真をベッドの上に置いて、視線だけは写真から離さないようにしながら空いた左手でご自身を握って。「しゅっしゅっ」と音をさせながら太い幹を扱きはじめました。
 ジュリアス様の写真を見ながらするのはかなりイイようで、オスカー様の先端からはすぐに透明なものが吐き出されてきました。それがとろとろと流れていく様子は、まるできのこにシロップをかけているようでした(萌)。
 オスカー様の指は、愛撫をし慣れているのが一目でわかるほど繊細な動きをされていました。ただ扱いているようでいて、指の腹を使って幹に浮かんだ血管の上を的確に刺激したり、握り込む手の力に微妙に強弱をつけたりして。
 そんなわけで、ご自分のテクニックですぐに限界に達してしまわれました。
 髪を拭いていたタオルでペニスを包むと、手の動きをいっそう早くして、
「ジュ、ジュリアス様……!」
 と小さく叫ぶと、そのすぐ後に声を詰めて射精したようでした(勢い良く飛んでいたであろう精液が見たかった……)。
 オスカー様は肩で息をしながら、ベッドの上に置いておいたジュリアス様の写真をすぐに手にすると、こそこそと隠すように再びベッドの下に潜りこませていました。その写真をよっぽど大事にしているのか、枕の下に入れる前に再びじぃっと見入っていたのは私だけが知っているオスカー様の秘密です(ふふふ)。

 あれで明日の朝いつもの様子でジュリアス様の前に立つなんて、オスカー様もけっこう面の皮が厚いのかもしれませんね(今日の様子を見る限りでは、あの写真をおかずにしてオナニーするのは初めてではないとお見受けしました。絶倫な方/照)。
 なにはともあれ、やはり面白い展開になってまいりました。これからもしばらくはあの御三方から目が離せません。






 ★月◎日

 今日、私は大変なものを見てしまいました!!!!
 思い出しただけで全身が熱くなってきちゃうような、すんごいものを!!(興奮)
 ああ、早く書かないと忘れてしまいそう!
 急いで全部書かなくちゃ!!

 今朝、公園の噴水の周りをぷわぷわ浮いていると、水の守護聖のリュミエール様と、夢の守護聖のオリヴィエ様が近づいてきて、こんな話をしていかれたんです。
『陽が沈んでから、ルヴァ様の邸宅で食事会が開かれる。守護聖、教官も含め、聖地のいい男16人勢ぞろいで!(とはお二人とも仰っていませんでしたけど、私にはそう聞こえました)』
 なんでも、聖地では珍しい食材が山のように手に入ったそうで、それを皆さんで召し上がるとのこと。
 美食家さん揃いの皆さんが口にされる料理……さぞかし高級で美味しい料理なんでしょう。
 それに、仕事以外のことで守護聖様方や教官様方が集まることは大変珍しいことだって聞いたことがありますから、今日はその珍しい日の1日だったのだと思います。
 そんな素晴らしい話を聞いて、黙ってやりすごすことができますか? いいえ、私にはできません!!
 ……というわけで、私もその食事会に参列させていただきました(もちろん皆さんには私の姿など見えていなかったでしょうけれど)。

 本当に素晴らしい宴席でした! 目の保養とはまさしくこのことでしょう!!
 時間には皆さんきちんと揃われて、山のようなご馳走に舌鼓を打たれていました。
 ゼフェル様ががつがつと食べているところを隣に座っていたルヴァ様がたしなめられているお姿が、私の妄想を掻き立ててくださってv(萌) クラヴィス様のお世話を甲斐甲斐しくなさるリュミエール様というのも、大変そそられましたけれどvvvvv
 おいしいお酒が振る舞われていたようで、お酒にお強いオスカー様やオリヴィエ様の呂律も怪しくなっていて。無理をして飲まれていたランディ様は途中で何度もトイレに行かれていましたし、珍しくルヴァ様が饒舌になっていらっしゃったり、エルンストさんも積極的に守護聖様方に話しかけられていて。皆さんの意外な面を見ることができて大変楽しかったです。

 やがて星が瞬き始める時間になって、それまで静かに食事を楽しまれていたジュリアス様が席をお立ちになられて。
「すまないが先に失礼させてもらう。今日は楽しかったぞ、ルヴァ」
 とそれだけを告げると、さっさと帰ろうとなさったのです。
 それを見て、まだお酒を飲まれていたオスカー様が慌てて
「それでは俺も……」
 と席を立とうとしたところを、ジュリアス様はやんわりとお断りになって。
「今日は無礼講だ。今しばらく皆と飲み交わすといい」
 とお優しいお声と共に、お一人でお帰りになられました。
 ジュリアス様がいなくなってほっとしたのか、オリヴィエ様やゼフェル様などはさらに騒ぎ始めて、宴会はさらに盛り上がり始めました。
 ──が、私は1つ気にかかることがあって……皆さんの姿を観察するのをやめて、ルヴァ様の邸宅から離れました。
 気にかかったこと。それは何かと言いますと、ジュリアス様がお帰りになった直後に
「それでは、俺もそろそろ失礼します。あとは若い方々でごゆっくり」
 と、ヴィクトール様もお帰りになられたこと。
 もちろんそんなことはないかもしれないけれども、もしかしたらもしかして……ジュリアス様とヴィクトール様が……なんてことがあるかも、と考えてしまったのです。
 そうだとしたら見逃すことはできません。私は急いでお二人を追いかけました。
 そして私の妄想アンテナが正しかったことは、すぐに証明されたのです。

「ジュリアス様!」
 お二人の姿を探して飛んでいた私の耳にヴィクトール様の大きな声が聞こえてきて、慌てて声のした場所へ行ってみると、立ち止まって後方を振り返っているジュリアス様と、ジュリアス様を追われていたらしいヴィクトール様の姿がありました。
「どうした、ヴィクトール。帰るにはまだ早いのではないか?」
「いえ、私も限界まで飲食させていただきましたから。帰る口実を考えていたので、ジュリアス様が席を立ってくださって助かりました」
「そうか。では、途中まで一緒に行くか」
「はい」
 お二人はゆっくりと歩き始めて──でもすぐに何かがおかしいと私は思いました。そう……ジュリアス様の歩行が、心なしか右へ左へとゆらゆら揺らめいているようで。
 その様子にヴィクトール様もすぐに気づかれたようで、
「大丈夫ですか、ジュリアス様?」
 と、気遣わしげに声をかけられて。まさかジュリアス様が酔っぱらうなんて、ヴィクトール様も思わなかったのでしょう。
「ああ、問題ない。少々飲み過ぎてしまったようだ」
 ジュリアス様は小さく笑いながらそう言われましたが、その語調がどこかひどく疲れたもののように聞こえて。
 次の瞬間、私が『もしかしたらそうなるかも……』と予期した展開になったのです。
「あ……っ」
「危ない!」
 ジュリアス様のお声とヴィクトール様のお声が重なり合い、よろめいたジュリアス様の決して細いわけではない身体がすっぽりとヴィクトール様の腕の中に収まってしまって!
 ヴィクトール様は素早くジュリアス様の全体重を支えられて、完全に力の抜けてしまわれたジュリアス様を労わられるように抱きかかえて──。
 もしかしたらジュリアス様は、ここ数日の激務で大変お疲れだったのかもしれません。そのことを誰かに気取られないよう誘いを断らなかったものの、本当は一刻も早くお寝みになられたかったのでしょう。
「すまない、ヴィクトール……」
 吐息に近いジュリアス様の声。金色の絹糸のような髪がヴィクトール様の肩に降り注ぎ、月明かりに照らされてきらきらと輝いて……大変美しかったです。
 そしてきっとヴィクトール様も、そんなジュリアス様の姿に『ずぎゅん!』とやられてしまったのでしょう。
「もう大丈夫だ、ヴィクトール。離してくれ」
 ヴィクトール様の腕の中から逃れようとしたジュリアス様。ヴィクトール様はその背をしっかりと抱き寄せると、そのままジュリアス様の唇を奪ったのです!!!!
「んぬぅっ……!?」
 突然のことに驚愕したのか、ジュリアス様は瞳を見開いて間近にいるヴィクトール様のお顔を見つめられて。けれどヴィクトール様は目を閉じられていたため、その真意は読み取ることはできなかったようです。
 ヴィクトール様の積極的な舌使いに、くちゅくちゅと滑った音がして。その音がジュリアス様の理性をも壊滅させてしまったのか、いつのまにかジュリアス様の両腕は、ヴィクトール様の背に回されていました。
 お二人は口づけをされたまま近くの茂みに入っていき、ヴィクトール様は力の抜けたジュリアス様の身体を芝生の上に横たえて、数分間濃厚な営みをされていました。
 ヴィクトール様の厚い舌がジュリアス様の薄い唇を割って入り、そこから生気を奪うつもりなのではないかと思われるほどの勢いで舌を動かされているのがはっきりと見えて。ジュリアス様は苦しげな表情でしたが、ヴィクトール様の激しい求めに応じるように喉を鳴らしておいででした。
 やがて唇を離したお二人の口元は、唾液できらきらと光っていて……(萌)。
「ジュリアス様……」
「ヴィク、トール…………」
 お互いの名を呼ぶ声も切なく掠れていて、私は「これは絶対このままでは終わらない!!」と確信いたしました。火のついた身体と誰も来ない状況、これが揃っていてどうして止めることができますか!? 止める必要もありません!!(力説)
 ジュリアス様の背に回されていたヴィクトール様の両手が、ためらいながらもジュリアス様の衣服を剥ぎ取りに移り、陶器を思わせる白い肌を夜気に晒しました。
 その動きを咎めずに、されるがままのジュリアス様。苦しげな表情をしていらっしゃいましたが、次第に熱い息が口から洩れているのは明らかで。
「ぁ……あ、ヴィク……ッ!」
 滑らかな肌に顔を埋めたヴィクトール様の頭部を鷲掴みにして、もどかしげに指を動かして。開いたままの唇の端から流れる透明の液体がおいしそうで、私も思わず舌なめずりしてしまいました(じゅるり)。
 ヴィクトール様はお顔をゆっくりと動かし、ジュリアス様の小さな胸の突起やくびれた腰、そして黄金の陰毛をたたえた陰部を愛撫して……!!!!
 男性器を口に含まれた瞬間、ジュリアス様はびくんっと全身を揺らして、
「あうぅぅぅ!!」
 と呻き声を上げられて。ぴんと伸ばされた足先が地面を強く蹴り、ジュリアス様のあまり太くはないふくらはぎの筋肉がはっきりと露見しました。そんな部分もなんだかとてもエロティックでしたv(惚)。
 ヴィクトール様は陰毛に指を絡めながら男性器を吸い扱き、空いていた右手で太ももを撫でて。あの方はそんなに経験がないのではないかと思っていたんですが、なかなかどうして素晴らしい技を披露してくださいました(照)。
 男性器を愛撫しながら、ヴィクトール様はジュリアス様の秘部へと手を伸ばされて……もうその頃には、ジュリアス様もヴィクトール様にされるがままでした。「すべて任せて安心!」と、そう思われたのかもしれないですね(ぽっ)。
 まるで長年そこを愛したかったような勢いで、ヴィクトール様は数十分間、ジュリアス様の男性器から口を、秘部から指を離しませんでした。それはだんだんこちらが『ジュリアス様のあそこ、萎れてしまわないかしら? あそこも緩くなってしまわないかしら!?』と心配したくなるほどで。
 ヴィクトール様が顔と指を離されたときは、私も心底ほっとしました(ジュリアス様もほっとしていたに違いありません)。
「ジュリアス様……」
 口元を濡らしたヴィクトール様は熱っぽく呟くと、ジッパーを下ろすのももどかしいといった勢いでご自身のそれを引き出して。突然お目見えしたものの素晴らしさに、私は目を疑いました。
 さすが元軍人! ヴィクトール様の男根は大変立派でございました。強度も反り具合も申し分なし!
 ジュリアス様も次に来るものがなんであるか予測がついていたのか、うっすらと開けた瞳の端でヴィクトール様を確認して……小さく息を飲んでいらっしゃいました!(私は見逃しませんでした!)
「ジュリアス様…………いい、ですか……?」
 脈打つご自身のものに手を添えて、ジュリアス様に覆い被さるように身を倒していくヴィクトール様。近づいてくる気配に肩を震わせながら、ジュリアス様はためらいながら──ヴィクトール様のお言葉に頷いたのです!!!!!!(悶)
 きっとジュリアス様は極限まで酔っていらっしゃったのでしょう。そうでなければ、あんなに気高い方があんなにすんなりと男性であるヴィクトール様を受け入れはしなかったでしょうから(……ですが、ジュリアス様が酔っていてくれたからこそ、私もそんな貴重な現場にありつけたのですけれどねっ)。
 ヴィクトール様はそのご様子をしっかりと確認してから、最後の快感に向かって突進していかれました。
 ジュリアス様の小さな場所にヴィクトール様の立派なものがあてがわれ、ぐぐっと挿入されていったのですが……私がいた場所からは、ジュリアス様のお口が広がる様までは見えませんでした……残念(泣)。
 それでも、ず……ず……と真っ黒いそれがジュリアス様の内に収まっていく様子には、私も息を飲んで見守ってしまいました。根元まですべて埋まってしまうかどうか心配でしたが、ゆっくりとそれはジュリアス様の中へと飲み込まれていき──
「あぁ……あ、あああ…………っ」
 侵入してくる熱と容量の大きなものをしっかりと受け止めながら、ジュリアス様は鼻から抜けるような声を出されていました。その声の色っぽさに私は生唾を飲み込み、そしてヴィクトール様は股間をさらに張り詰めていらっしゃったようでした。
 ジュリアス様の身体はひくひくと痙攣していましたが、きっとそれはヴィクトール様のものが脈打つ動きと合っていたのでしょう。
 やがてゆったりとした動きに自分自身で辛抱たまらなくなってしまったのか、
「ジュリアス様っ!」
 切羽詰った声でヴィクトール様が呻き、猛然と腰を使い始めました! そう、それこそ『本領発揮』といった感じの動き方で!!
「あああっ! ああ、あう……っぐ・っっ!!」
 ずちゅっずちゅっという湿った音と、くいしばった唇からこぼれる声。リズミカルに腰を振るヴィクトール様が視覚的にも私を興奮させてくださって、もうたまりませんでした。
「ヴィクトール…………っ」
 両脚を抱え上げられ、男性器を穿たれた状態でジュリアス様が呼ぶと、ヴィクトール様はすぐさま身体を屈めてジュリアス様の身体を抱き竦められて。そう、そのときのジュリアス様のお声は……『抱き締めて離さないでくれ』といった響きが籠っていたような感じがしました(……私の耳には届きました)。
「ジュリアス、さまっ……!」
 苦しげな声でジュリアス様を呼ぶと、ヴィクトール様は再びゆっくりとお身体を揺らし始めました。白い肌に突き立てられる黒い凶器……月明かりに照らされたその部分は、幻想的なようでグロテスクでもありました(グロくても私は萌えましたけど)。
 やがて、お二人に限界が近づいてきたようで。
「ヴィクトールッ……も、う……っ!」
 ジュリアス様が訴えると、ヴィクトール様はその声に合わせたようにジュリアス様の内から自身の昂りを抜いて、手早く用意していたハンカチでお二人の勃起を包み、数回扱きました。
「う・ぁああ……っ!」
「ふっ……う、っ!」
 それぞれがそれぞれに声を上げ、すぐにお二人は快感を吐き出されたご様子でした。ジュリアス様は全身をびくびくと震わせていらっしゃって、それが『ヴィクトール様のものを大量に注がれている!』といった感じがして大変よかったです(萌)。
 ヴィクトール様の背中を掻きむしっていたジュリアス様の手がずるっと地に落ちたとき、ジュリアス様もお楽しみになられたのだということが伝わってくるようでした。
 激しい求めにお身体を動かせなくなってしまったジュリアス様を、ヴィクトール様はかいがいしく介抱されていました。その途中でまだ半分勢いをもったままの御自身の勃起に気づき、慌てて下着を着けた姿がなんだか可愛らしかったです。

 そのままヴィクトール様がてきぱきと動かれて、その場所であんなに淫らなことが行われた形跡など微塵もなくなるまで後処理をして。
 ヴィクトール様の攻めが足腰にきてしまったらしい身体を抱き支えながら、お二人はゆっくりと帰路へついたのでした。

 ジュリアス様の邸宅の前まで着いて、支えていた身体を離したそのすぐ後に、ヴィクトール様はジュリアス様のお手を思わず掴まれて。
 ……けれど、肩を竦めたジュリアス様には何も言えず、ただ囁くような声で「……失礼します」とだけ洩らして早足でその場を去って行ってしまいました。
 ジュリアス様はそのまま立ち尽くされていましたが、離れていく足音が聞こえなくなってから、ヴィクトール様が帰って行かれた方向を振り返っていました。……すごく色気のある顔で(行為の直後だったからかもしれませんが)。
 もしかして、もしかしなくても、ジュリアス様とヴィクトール様の仲は、このまま発展していくのでしょうか!? 十分に大人のお二人ですから、今回のことはたった一度の遊びでしかなかったのかもしれませんが……行為を仕掛けたヴィクトール様は、絶対にジュリアス様を熱く慕われているのだと私は思います。
 ヴィクトール様のお気持ちをジュリアス様が受け入れられれば、成熟カップル誕生は目前でしょう! ああ、なんて待ち遠しいのかしら!!

 ……ですが、このままジュリアス様とヴィクトール様の関係が丸く治まるとは到底思えないのです。
 ──そう、あの『ジュリアス様の番犬さん(なんて言ったら失礼ですけど)』がなんらかのアクションを起こすのではないかと……私はそんな気がして仕方ないのです。

 今後あの方々の関係はいったいどんな展開を見せるんでしょうか? とても楽しみです。そして今夜は大変素晴らしいものが見れて本当に満足でした……vvv




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