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倒れた男達の懐から、一枚のカードがこぼれ落ちた。
「勇魔神将」カードには全く興味のないマーマン。しかし、妹のカードには少しだけ興味があった様子で、男達に向けた、蔑みの目のまま、視線を移した。

「!!」

思わず廻りの気配を確認するマーマン。

……よし、誰もいない……

男達も、

……よく眠っているようだな……

何度も確認した後、無言でカードを拾い、その懐に収めた。

それが、普段通りのドルフィンのカードならば、彼はこのカードを懐にしまうことなく燃やしていた所であろう。
しかし、そのカードは勇魔神将第21弾でも幻のカードと呼ばれるものだった。

「コンタクトか……?」

普段から絶対見せることの無いはずの、眼鏡を外したドルフィンの素顔。

……我が妹ながら美人……イヤイヤ、一体この写真はどうやって撮ったんだ!?

無表情の下に、言いしれぬ思いを隠し、彼は、男達の持っていた全てのカードを持ち帰った。


後日、店頭で「勇魔神将」カードを箱買いするマーマンの姿が見かけられたという。

(勇者屋キャラ辞典:ドルフィン
文:若菜綺目羅
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