ひゅるる〜〜〜〜……パン!


様々な色の火花が夜空を彩り、見事に大輪の花を咲き誇らせる。
その創り出された光景は、代え難く綺麗で、響く音は聞こえる以上に胸に響き、しみこんだ。

「本当にこんなに、凄いなんて」

お忍びで訪れたとある神社の縁日。
愛しの旦那様と一緒に来るはずだったが、急な用事で一人で来ることになってしまった。
只打ち上げるだけじゃない花火を、彼がどうしても自分に見せたいと言っていたのだが。

「マルス君が見せたがったのも解る気がするわ。……でも、やっぱり一緒に見たかったな」

ちいさくため息。

『次の花火は、愛しい奥様との結婚記念日にあたる今日この日の為に用意したというラブ花火です』

会場のアナウンスが流れる。

(……そう、今日は私たちの記念日なんだよ? マルス君)

少し俯き、こぼれそうな涙を拭いた。

ひゅる〜〜〜〜……フレイアー!
てるぅ……!!

(……へ?)

突然の愛の告白にハッと空を仰ぐと、落下傘を開いて降りてくる、愛しの彼の姿。
思わず笑ってしまいそうな口元を団扇で隠し、降りてくる彼と、その後ろで盛大に花を開き続ける花火を見つめ、

「私も、大好きよマルス君」

少し照れながら、こっそりと囁いた。

(勇者屋キャラ辞典:「光の王」フレイア
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