火打山エリアのスキー
※これらのコースはスキー場と異なりコース管理の無い自然の雪山です。割れ目や雪崩などの危険については各人が慎重に判断し安全の確保に努めなければならない点にご注意ください。
Home
火打山にスキーに来ても火打山正面だけ滑って帰っていく人がほとんどである。それはとっても勿体無い。このエリアは滑って楽しい斜面がたくさんある。ほとんどの人はそれらの斜面を「見るだけ」で帰っていくのである。せっかくのGW、火打山エリアを「線」ではなく「面」でとらえていくつかの斜面を渡り歩き、春山スキーを満喫してもらえればと思う。できればヒュッテに2泊はし軽い荷物で滑りに行くと良い。帰ってきてからのビールもさぞ、美味いことであろう。下に代表的なゲレンデをいくつか紹介します。
ほとんどの人が向かう火打山南面、通称「正面」。山頂直下よりやや東寄りの尾根が一番人気だが、雪が安定していればその東側の沢や、さらに東寄りの斜面どこでも滑れる。
 山頂からの滑り出しは急で先が見えないので、飛ばしすぎず慎重に。西寄りの沢に入らないように注意。2000m付近まで滑り降りる事が出来るが下部には風による凹凸地形があるので要・減速。
 対岸に少し登り返したところで滑ってきたシュプールを眺めながら一服するのが最高である。
火打正面からの滑り出しはこんな感じ。このエリアの最高峰なので眺めは抜群。妙高山、北アルプスはもとより、条件がよければ富士山、八ヶ岳、志賀高原、越後三山などが見ることが出来る。広大な斜面を滑り降りていく快感に山スキーの魅力に目覚めてしまう人も多い。
火打山山頂から東方向を見ると正面バーンよりもさらに広大なオープンバーンが目に入る。斜度も手ごろで見るからに気持ち良さそうなこの斜面、通称「澄川ボウル」。ライチョウ平からの稜線のどこからでも滑り出すことが出来、最大で300m以上の標高差を楽しむ事が出来る。朝ゆっくりめにヒュッテを出発したら先ずここを滑り、のんびり登り返して更に正面バーンを滑ると登りも滑りも充実感一杯になるであろう。
火打山の西となりに位置する影火打山。ここの南面もねじれが少なく快適なロングコースである。火打山と同様、出だしはそれなりに急なので慎重に。幅広尾根に乗ると快適だが東寄りは雪庇状になっていてそのまま沢に滑落する人も時々いる。怪我につながるので十分注意すること。1900m付近で尾根を外れて天狗の庭方面に登り返す。
笹ヶ峰から約3時間余りかけて登り、富士見平を抜けて黒沢岳のトラバースに入るとようやく火打山の全容が見えてくる。そして火打山の手前にもこれまた快適そうな広々斜面が嫌でも目に入る。通称「高谷尻」。ヒュッテからそのまま滑りだせるお手軽・メローな斜面である。朝早くは標高の高いところは雪が未だ硬いのでここで1本楽しんだりする。あるいは行程が早く終わってしまい時間と体力をもてあましてしまった人もここで2,3本滑って完全燃焼すると良い。
ヒュッテから南東に10分も行くと黒沢岳がある。この山の東面は滑り応えのある急斜面として人気がある。朝一番で日が当るので雪も早めに緩む。高谷尻で物足りないツワモノはこちらに行くと良いであろう。
斜面の紹介ではないが、ここで紹介したようにあちこちの斜面を楽しむにしてもリフトがあるわけではないので全て自分の足で登らなければならない。また、広いエリアは登り一辺倒でなく傾斜の緩いところも多い。基本はスキーにシールを貼って登り、歩くわけだが、慣れた方には写真のようなステップカット付のスキーが火打山エリアではオススメである。最近では複数のメーカーから幅広タイプが売られており多少雪が腐っても楽しく滑れるようになったのが良い。滑走面に凹凸があるし軽量タイプなのでスピードを出して楽しむには向かないが、それとは違った視点でゆったりとした春山の楽しみ方を発見できる。