スカルパT2R 2011モデルの超私的レビュー 2011.2.3 ※2011.2.22加筆
0.レビューの補足情報
・テスターの私は昨シーズンまでスカルパT3とK2ワールドピステ&コブラR4を気に入って愛用していた
・本レビューはBDグールー(2010モデル・チューンナップ済)とBD_O2(フリーフレックスカートリッジ)でのものである
・本レビューは全て妙高の粉雪圧雪バーンで、アイスバーンは未だ滑ったことが無い
・ちなみにテスターの私は足首がガッチリ固定されるのが嫌いな人で、滑る時も常に「歩行モード」。下のエナGもT2Rも同じく歩行モードでしか滑っていません
 (2011.2.22 加筆)過日、滑走モードで滑ってみました。T2R+O2の組み合わせでは大変メリットを感じました。,以後、滑走モードで使ってます。人並みに。
1.ファーストインプレッション
 できるだけソフトなブーツを、ということでT4と悩んだが、未だ初代T3(1998モデル、茶色)が健在でT4とかぶるのでこちらを選んだ。ところが新品のT2Rは期待したほどソフトではなかった。O2との組み合わせではお気楽にテレマークスタンスをとると、なんと上げた踵が押し下げられてアルペンスタンスに戻ってしまった。ちなみにブーツを茶T3に替えると踵はさほど違和感なく上がったので、新品T2Rの蛇腹とブーツソールが相応に硬いということである。また、踵が上がったポジションを維持するのに努力が必要なだけあって、テレマークで期待していなかった「前圧」が効く。ゆえにターン前半から面白いようにトップが雪面を捉えてくれて、これはこれで楽しかった。 
2.しばらく使い込んで
 1ヶ月ほど使って(実際は短時間しか滑らない日も多いので、普通の人の丸5日分ほどの滑り込みか)だいぶこなれて来たので、ハイスペックブーツとしてガルモント_エナG(2004モデル、古くてスミマセン)との履き比べをしてみた。写真で見ての通りアッパーシェルやタンの高さはほとんど同じだが、プラスティックの厚みや硬さはけっこう違います。また、ロワシェルのせり上がりはやはりエナGの方が高くなっていて、ブーツの性格を表しています。
 ちょっと恥ずかしいですが、左右の足にそれぞれのブーツを履いてゲレンデに行くことにします。ちなみにインナーは平等にT2Rのノーマルインナーを入れてあります。足入れしてすぐ感じるのはエナGのタイト感。私はバックルをほとんど締めないのですが、それでもT2Rより足全体が圧迫される感じがありました。それに比べるとT2Rはツアー向けコンフォート仕様って感じです。
 滑り出す前にエナGの方がソール長が長いのでO2のカートリッジ調整を忘れずに行います。さて、滑り出します。いきなりエナGを履いている左スキーがインにグインと切れ込んできてちょっとびっくり。一方、T2Rの方は新品時の切れ味もすっかり大人しくなって、エナGよりだいぶダルです。ターン中もエナGはインエッジからシェル全体を通して足&脛に敏感に情報を伝えてくれますが、T2Rは足裏に近いところを主としたややダルな伝わり方です。
 というわけで、さすがにハイスペックブーツ(古いけど)と比べてしまうとT2Rはツアー向けって感じです。でもT3愛用者だった私にとっては「比べさえしなければ」T2Rは昔のT1並のハイスペックブーツです。T3ではちょっと頑張らないと滑れなかった斜度&スピードが楽々に滑れてしまいます。それでいて、エナGのように「横方向はガチガチの高剛性」では無いのがお気に入り。すっかりエナGはお蔵入りになってしまいました。
 ただ仕方の無いことですがT3対比で滑りの性能がアップしている分もはや軽快感はガタ落ちで、3ピン金具&ステップソールスキーに組み合わせる気はしません。ゲレンデ&滑り主体のツアー用です。おかげで革靴や休眠していた茶色T3の活躍の場が増えたので、これはこれで良しとしましょう。

(2011.2.22 加筆)INDY長谷部さん宅に遊びに行ったとき、室内のみであったが同じサイズのT2eco に足入れすることができた。インナーをT2Rと同じノーマルインナーにして左右にそれぞれRとecoを履き、同様にバックルを締め、足首を前後に動かしたり角付けの動作を模してみたりした。この限りではほとんど違いを感じることができなかった。双方ともハイカットブーツとしてはとてもしなやかに動く。ここから先は推測であるが、T2ecoはT2R対比で同等のフレックスを保ちつつトリプルインジェクション技術を駆使して滑走時のダイレクト感を向上させたモデルなのかと感じた。
エナGとシェルの高さはほとんど変わらない このエナGはインナーが青T2の物なので悪しからず。
T2R:ロワシェルの立ち上がりは控えめ エナG:ロワシェルの立ち上がりが大きめ
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同じインナーを押し込んで滑り比べ