スカルパT4もどき vs やわらか革靴アンターティック

 今年は雪が多めにもかかわらず天候の巡り会わせと雑用の多さで一度も山頂に行けないままでしたが、ようやく好天の山頂に上る機会を得ました!! ただ山頂を滑るのも勿体無い(?)ので、以前から気になっていたT4と革靴の比較をしてみることにしました。ま、T4は未だ持っていないのでT3のシェルに初期型茶色T3のインナーを押し込んで代用です。革靴は歩きやすさ抜群のクリスピ・アンターティック、スキーは火打山定番の10thマウンテン。知りたかったのはT4のバックルを緩めることで歩きやすさがどれだけ向上するか(バックルを普通に締めると岩場の下り等、とても歩き難い)と、条件の良い雪での滑りの差。これで春の火打山のベストチョイスが決定する訳である。
 ヒュッテ前で右足:アンターティック、左足:T4もどきを履き出発。革靴はきちんと紐を締めています。一方のT4もどきはインナーの紐は普通に締めますがラチェットバックルは一番緩くしてあります。さすが足にぴったりフィットの革靴は歩きが快適です。でもT4もどきもバックルがユルユルなので踏み出すたびにガポガポと音を立てますが意外なほど歩きやすい。反対の足が歩きやすい革靴なのに対比しても十分許容範囲。写真のような岩の多い登山道でも足首の自由度が確保されるので予想以上に快適に登下降できました。
 さてさて、山頂からは待望の滑りです。雪質は表面だけが緩んだザラメで、所々にスプーンカットが目立ち始めています。今回はスプーンカットの一番少ない急斜面を滑ることにしました。滑り出してみると雪の表面が緩んでいるだけに革靴でも全く不安無く滑れます。しかし急斜面の入り口で少々氷化したスプーンカットを通過したとき、右前足(革靴)が大きく落とされ始めました。反射的に角付けを強めてスキーを身体から離してしまったため、革靴+センタ-68mmの10thマウンテンは果てしなく滑落‥、転倒して止まりました。気を取り直してメインディッシュの急斜面に入ります。ここから先はスプーンカットも無く極上の春雪♪先ほどの失敗を教訓に革靴の右スキーは身体から離さず真上から乗るようにして滑ります。結果、大満足の火打山滑走を満喫いたしました。

 結論:歩き易さと滑りでの雪質対応の幅広さを両立できるT4(もどき)+10thマウンテンが春の火打山ベストチョイス

 雪が良ければ歩きやすい革靴でも楽しく滑れるが、アイシーだったりスプーンカットが育ってくると難易度が一気に上がります。気合と技術で克服するテもありますが、鍛錬よりも快楽を望む私はやっぱりT4(もどき)を選びます。T4といえども歩くときはラチェットバックルを大胆に緩めるのがおススメ、凸凹のある登山道でもぐっと歩きやすくなります。
というわけで、T4生産継続、宜しくお願いします。