『愛娘の日記』

 先ずは大きく息を吸って頂き、小学校4年生の愛娘の日記をご一読。命があったら又後ほどお会いしましょう。
それでは。。。

 「今日は、朝学校に行くときには少し雨が降りそうだったので家を出る時にお母さんが傘を持って行くようにいいましたが、傘はカナコの家に昨日忘れきてしまっていたのでそのまま傘を持たずに学校に行って帰りにカナコの家に行って傘を持って帰ることにしたのですが、学校で今日も、学校が終わったらカナコと遊ぶことになったのでその時カナコに傘を持ってきてもらうことにして、そのまま家に帰ってカナコから電話がかかってくるのを待っていたのになかなか電話がかかってこないので、近所のコンビニに買い物に行ったらその間にカナコから電話がかかって来たとお母さんが言っていたので、何て言ってたかきいたら、これから家を出て『栗の木公園』に行くからそこで待ち合わせをすることになっていると言ったので、私はすぐに家を出ようと思ったんだけど、その時にカナコに傘を忘れないように言っておいた方が良いと思ったのですぐにまたカナコの家に電話したんだけど、カナコの家は電話を何回鳴らしても誰もでないので、もうカナコは『栗の木公園』に行ってしまったのかなぁと思って急いで『栗の木公園』に行きましたが、カナコは来ていなっかたので、しょうがないから独りで、公園のブランコに乗って待っていたけどなかなかカナコが来ないので携帯電話で電話していたら、カナコが向こうから自転車に乗ってやってくるのが見えたので私も自転車でくればよかったなぁって思ってから一緒に公園で遊んでいたらしばらくして、朝、お母さんが言ったみたいに本当に雨が降ってきたので、カナコに『傘は』って聞いたら、『忘れた』と言ったので2人で大笑いして、雨にぬれながらカナコの家に行ってゲームをして遊びました。5時になって家に帰るときは雨がやんでいたので、そのまま帰ってきたら、またカナコの家から傘を持って帰るのを忘れてしまいました。」

 本当はここまでは凄くないんだけど、確かに一日分の日記の中には多くても、『』(マル)は2個ぐらいしか無い。
読んでいて楽しいのだが、流石に野放しにはできず、つい、娘にもう少し文章を短く切って書くように伝えてしまった。
これはすぐに理解できたようで、次の日からは普通に読める文章を書くようになった。
キチンと書かれた日記を読んで。
「そう、これで良いんだ。ちゃんと書けるじゃないか」
と娘を褒めはしたのだが、なんか、大事な個性をあまりに簡単に一つ削いで締まったような後味の悪さがしばらくしてからやって来た。
娘は日記を書き終わると、みせてくれるが、何か読む時の愉しみが一つ減ってしまった。
いずれは、学校の先生や周囲の人に言われて治される事だったのだろうけど。もう少し、このままにしておいたほうが、将来、思い白いのができていたのかも知れない。
でも、マダマダ面白いところを持っているし、我々の知らない物が潜んでいる。彼女には。。。


(2005.10.22):なぜ、殺人かというと、息継ぎをする間が無くて(『』がないから)息継ぎをしないまま読んでいて窒息してしまう場合がある。という意味
(2005.11.29):タイトルを「殺人日記」から「愛娘の日記」に変更しました。それから内容に少々