HIPな関係


 俺、各務隆也。大学で建築学を学ぶ二十一歳。友だちに頼まれて行ったバイト先であいつに出会ったのが、俺の不幸の始まりだ。
 あいつ、弓削丈二。下着メーカーの偉い人。ついでに、極度の尻フェチ。
 女の尻にフェチるだけならまだしも、ヤツはいきなり俺の尻をなでくり回した挙句「きみの美しいヒップに一目惚れした」なんてぬかしやがる。ついでに、男性用下着のモデルになってくれだって???
 いやがる俺をあの手この手でだましてすかして、結局、言うことを聞かせてしまったあいつ。
 仕方なく、あいつのセクハラに耐えつつモデル修行に励む俺だったけれど、そのうち、俺の周辺で事件が起こり始める。
 もしかして、これって、いやがらせ? 俺、ヤバいことになってる??? 
 だいたい、弓削、あんた、俺のことが大事なのかよ? それとも、俺の尻が大事なのかよ?
 尻だけ愛されるなんて、俺はいやだーっっっ。

 ってな感じの、尻フェチおやじ弓削と、彼に魅入られたごくごくフツーの大学生隆也のお話。隆也の一人称で、ヒップでポップにお届けしちゃいます。
 姫野的には、ルネ・マルブランシュが妙にお気に入りでした(笑)。当時はツンデレなんて言葉もなかったけど、やっぱり、姫野ってツンデレ好きなんでしょうか???【