王子さまと極甘ロマンティック


フランチェスカは貧乏伯爵家の令嬢。
家は没落しきって、借金まみれ。お役所で働くフランチェスカの兄シルヴィオの稼ぎだけでは、到底返しきれません。
思い余ったフランチェスカは、少しでもシルヴィオの助けになればと、王女さまの教育係に応募します。
しかし、面接に集まっていたのは名家のご令嬢ばかり。
どうやら、みなさん、この機会にとってもすてきな第二王子のヴィンチェンツォさまとお近づきになりたいと狙っている模様。
唖然とするフランチェスカに話しかけてきたのは、バルトと名乗る下級兵士ふうの男でした。
なんでも、シルヴィオの飲み友だちらしいのですが、粗野で、横柄で、失礼という、なんとも怪しげなヤカラです。
尻ごみするフランチェスカにバルトは言うのでした。
「これは予言だ。おまえは、きっと、王女の教育係に選ばれる」


貧乏伯爵令嬢の初恋物語、ですかね???
家の借金の足しにしようと王女さまの教育係となったフランチェスカが、王宮で出会った粗野な男と恋に落ちて、けんかしたり、いちゃいちゃしたり、市場でデートしたりと、そんな感じのお話です。
たぶん、ほのぼの純愛ストーリー(たぶん)。
事件も起こらず、悪い人も出てきません。
明るくて、気軽に読んでいただけるお話ではないかと思います。
ちなみに、このお話には三人の『お兄ちゃん』が登場するのですが、姫野は、うーん、ヒロインであるフランチェスカのお兄ちゃんシルヴィオあたりがお気に入り、かな???
シルヴィオは、器用ではないけれど、まじめで、誠実で、妹思いで、やさしい人です。
シルヴィオみたいなお兄ちゃんがいてくれたらなー(シルヴィオって、ものすごくいいところのお姫様とうっかり恋に落ちそうな気がする……)。
まあ、そんなわけで、ちょっとホームドラマっぽいところもある一冊です。
禁断の恋もいいけど、家族に認められ祝福される恋ってのもいいねって思っていただけたら幸いです。