愛よりも深く |
![]() 病気の弟を助けてもらうことの見返りとして、その命令を受け入れたアデルの教育係となったのは、灰色の瞳をした得体の知れない男。 灰色の瞳をした男は、『メイナード』と名乗り、アデルに様々なことを教え込む。 昼間は貴婦人としての心得を。 そして、夜になると、男を魅了する女としての技を。 夜毎、男の、唇に、指に、肌に、快楽を刻まれ、アデルは作り替えられていく。 やがて、貴婦人らしい振る舞いも身についたころ、アデルはラングフォード伯爵夫人の姪として王宮に向かうよう命じられた。 そこでアデルを待っていたのは、新たなる策謀と、恐るべき秘密。 灰色の瞳の男の正体とは。 そして、絶望の淵で、彼がアデルに告げた言葉とは……。 ネタバレ要素が多くてうまくまとめきれないので、今回は登場人物も記しておきます。 アデル …… 奴隷。弟思いのやさしい姉。 謎の男 …… アデルの持ち主。傲慢で尊大。ふつーにヤなヤツ。 灰色の瞳の男 …… 謎の男の下僕。イケメン。細マッチョ。寡黙。常にアデルに寄り添い、アデルを調教する。 高貴な男 …… アデルのターゲット。 モードリン …… 謎の男の姉。既に鬼籍の人。アデルと顔だちが似ている。 ウェルズワース …… 宰相。 以下、お読みいただく際の注意をいくつか。 ・このお話を読んでもしあわせな気持ちにはいっさいなれません。 ・糖度低めです(おそらく、微糖以下)。 ・無駄に長いです(ほんとに長いです…)。 ・地雷多数設置です。 ・平素姫野が書いているものよりも、服を着ていないシーンが多いです(つまり、いわゆる『濡れ場』が多いです……)。 ・登場人物全員が、どこか歪んでます(あるいは、歪んでいきます)。 ・残酷なシーンも少々あります。 何かと事件が多い上に、死人も幾人か出る、ちょっとサスペンスなストーリーとなっております。 一点の曇りもないハッピーエンドではないにしても、アデルは不幸にはなっていませんので、そのあたりはご安心を。 ラストは、ある程度はスカッとしていただける部分もあるのではないかと……。 恋とか愛とかいう言葉で簡単にカテゴライズできない、ちょっと大人な情念の世界です(言い過ぎ?)。 ちょこっとした箸休めにでもしていただければ幸いです。 しかし、このプロット、よく通ったなと、いまだに思います。 おまけに、この長さで本にしていただけて、姫野のほうがびっくりしてしまいましたよ。 編集さまには色々とお手を煩わせてしまい(タイトルもつけていただいてしまいました……)、恐縮至極な一冊となりました。 姫野的には、逃げずに攻めた部分と、攻めきれなかったと感じる部分と、両方ありますが、なんにしても、とっても楽しんで書かせていただくことのできた一冊でもあります。 よろしかったら、お手に取ってやってくださいませ。 イラストは、蜂不二子さまです。 表紙のふたりの表情には特にこだわってくださったとのこと。 本文イラストは、服を着ていないシーンが多くて、書き分けが大変だったかも……。ほんと、すみません……。 |