略奪の花嫁


ナイトフォールベイの王女フィオナには婚約者がいる。
ランズエンドの王子ライアンがそれだ。
ライアンとは数度顔を合わせたことがあるだけだし、正直、彼のことを好きになれるのかもわからない。
それでも、いずれ、おとなになったら、彼の妻になるのだろう。 漠然とそう感じながら成長したフィオナに、父であるランズエンド王は、突然、ライアンとの婚約を破棄し、ダルモアの大公のもとへ嫁ぐよう命じる。
フィオナの父は、ランズエンドを見限り、大国ダルモアとの誼を結ぶために、フィオナを生贄にしようというのだ。
ダルモアの大公は、フィオナの父よりも年上で、しかも、好色。
フィオナは、いやでたまらなかったけれど、父の言うことには逆らえない。
憂いの日々を過ごすフィオナだったが、ある日、ナイトフォールベイは、予期せぬ敵襲を受ける。
ナイトフォールベイの城は陥落し、フィオナは敵兵の手に落ちた。 フィオナを略奪した、その男とは……。


短めのお話です。
ほんとうは、もう少し短くしなくてはならなかったのですが、結局、このサイズになってしまいました。
短いお話は難しい……。
お話の内容は、すれ違い初恋物語的な感じです。
オーソドックスに姫嫁(たぶん)。
最初はじめついた展開ですが、最後は大団円だと思います。
文庫よりはボリューム少なめなので、さくっと軽く読んでいただけるのではないかと……。
姫野個人としては、ハイランドっぽい景色など書けて楽しい一作でしたv