彼と彼たち


千尋は恋をしている。
相手は同じ大学に通う月森栄。
思慮深く穏やかな栄の性質そのままに、栄との恋は静かでやさしい。
友だちだったはずの栄と、同性でありながら愛し合うことに戸惑いを覚えつつも、千尋は栄への思いを少しずつ深くしていく。
そんな千尋の前に、ある日、突然現れたのは凶暴で獰猛な男・ハル。
ハルは、暴力で千尋を言うなりにし、拉致した挙句、手ひどく凌辱した。
こんなことは栄には決して言えない。言えば、栄との淡い恋は終焉を迎えるだろう。
必死に平静を取り繕う千尋だったが、ハルは、何度も千尋の前に現れ、卑怯な手段を用いて千尋を脅し、凌辱し続ける。
ハルとの行為に、日に日に心と身体を蝕まれていく千尋。
栄は、無理に理由を聞き出そうとはせず、ただ千尋をやさしい目で見守っている。
栄のそのやさしさゆえに、千尋は絶望した。
もう、自分には、栄に大切に思ってもらう資格なんてない。
だからといって、栄から離れることもできない。
そのくせ、身体はハルの与える快楽に次第に飼い慣らされ、そして……。

殴る蹴るの暴力の上、凌辱に次ぐ凌辱なので、そういうのが苦手な方はご注意ください。
ついでに、ドロドロ修羅場続きの三角関係なので、そういうのが苦手な方もご注意ください。
最後はラブラブです(たぶん)。ちょっと怖いかも…。でも、ラブラブなはずです(た、たぶん……)。
実は、すごーい昔に同人誌で出したものです。
当時は、何か、ほんわかかわいい感じのお話ばかり書いていたので、たまにはがっつりハードなものが書きたくて、こんな感じのお話になりました。殴る蹴るはかわいそうだったけど楽しかったです。
  ちなみに、デジタル化にあたり、現在の情勢に合わない部分や、あまりにも拙いと思える場所を書き直しております。昔書いたものを読み直すって、ほんっっっっっと、心臓に悪いですね……。