クールビューティーは甘いのがお好き


白鳥弓弦は有能である。
白鳥弓弦はどんな時も冷静である。
白鳥弓弦は冷たく整いすぎて近寄り難いほどの美貌の持ち主である。
白鳥弓弦は極度のスイーツ嫌いである。
だが、しかし……。
総合不動産開発会社の業務企画室に勤務している白鳥は、新規開発予定の商業施設のテナントに有名パティシエである七天京太郎のショップを承知するよう、上司から直々に命じられる。
自分がスイーツ嫌いであることをたてに拒む白鳥だったが、そこは宮仕えの悲しさ。上司に逆らえるはずもなく、結局は、いやいやながらも上司の命に従う羽目に。
天才の名をほしいままにしている七天は、自分の欲望に忠実で、仕事にはいっさいの妥協を許さない、手ごわく厄介な男。
白鳥がスイーツ嫌いなことも事前に調査され、交渉は見事決裂、のはずだったのだが……。
実は、白鳥は、スイーツ嫌いではない。むしろ、口にした途端人格崩壊を起こしてしまうほどのスイーツ好き。 普段の白鳥とのあまりのギャップに周囲から気持ち悪がられたことがトラウマとなり、以来、自分がスイーツ好きであることを頑なに隠している。
ひょんなことから、七天にその秘密を知られてしまった白鳥は大いに絶望した。
これで、今までひた隠しにしてきた秘密が皆にも知れ渡ることになるのだ。そして、再び「キモイ」と後ろ指を差される日々に逆戻り。
けれども、七天は、その秘密を誰にもバラすことはなく、それどころか、白鳥に「友だちになろう」などと言い出す。
七天の真意に戸惑う白鳥だったが、七天が自分のために特別に作ってくれるスイーツは甘く、そして、七天と過ごす時間は心地よくて……。

天才パティシエ×鈍感天然ツンデレ、ですかね?
軽〜く読めるラブコメになっていると思います。おやつ感覚で楽しんでいただけたら幸いです。
いろんなスイーツがたっくさん出てきますので、読み終わったあと、スイーツが食べたくなっちゃうかも。姫野は、そば粉のガレット生姜コンフィチュール添えが食べたい……。
余談ですが、昨今、パリあたりで、日本のケーキが話題になっているみたいですね。ヤマ○キのケーキが人気って、時代は変わったなぁ。