五十六億七千万年後も愛してる


 俺の名前は一瀬万里(いちのせ・ばんり)。二十歳の大学生。
 どういうわけか、俺は、昔っから運が悪い。事故に遭う。物は失くす。ついでに、おみくじを引けば、いつも大凶。
 今日もバイト先のオヤジに夜逃げされ、途方に暮れて街を歩いていたら、突然怪しげな男に「きみ、憑りつかれてますよ」なんて声をかけられた。
 男の名前は、伊集院弥勒(いじゅういん・みろく)。白いタキシードにマント姿の、超絶美形。本人はゴーストハンターだって言ってるけど、でも、なんとなく、信用できない感じの男だ。
 弥勒に言わせると、俺って、ものすごく憑りつかれやすい体質らしい。
 タダで除霊してくれるという弥勒の言葉に乗せられ、半信半疑ながらも弥勒のオフィスへとついていった俺は、そこでとんでもない目に遭ってしまう。
 これってセクハラだろ? こんなこと、許されていいのか?
 でも、弥勒にエッチなことをされたあと、俺の運がいきなりよくなったのも確かで……。
 戸惑う俺だったが、しかし、タチの悪い霊に憑りつかれ、再び弥勒の除霊の秘術を受けることに。
 弥勒の与える快楽に翻弄され、前回よりも更にとんでもない目に遭わされた俺は、おまけに、信じられないような額の請求書まで突きつけられてしまう。
 愕然とする俺に、弥勒は、自分の下で働いて返せと言った。
 かくして、俺は、借金のかたにゴーストハンター・伊集院弥勒の助手になったわけだが、弥勒の執り行う除霊の儀式はインチキばかり。一方で、俺には繰り返し除霊の秘術とやらを施してくれるわけなんだけど(頼みもしないのに)、これが、ただのエッチとどう違うのか俺にはよくわからない。
 弥勒って、ほんとにすごいゴーストハンターなんだろうか? それとも、俺って、口の巧い弥勒に、だまされているだけ???
 そんなある日、弥勒は高速道路の建設中の事故で亡くなった作業員の霊を浄霊してほしいという依頼を受ける。儀式のために事故現場に赴いた俺と弥勒を襲う怪現象。果たして、その正体とは……。

 とっても運の悪い大学生万里と、とってもとっても美形だけど、とってもとってもとっても怪しげなゴーストハンター弥勒のお話。
 ゴーストハンターのお話ですが、ちっとも怖いお話ではないです。
 いささかおポンチさんな万里と、口の巧い(もちろん手も早い)弥勒の楽しいお話になっている予定。ついでに、エロ満載(だから、当社比)。 ちょっとだけせつないシーンなんかもあり、かな?
 挿絵は、うさぱらさま。元々、姫野はお話を書いている時に、登場人物の容姿などをあまり明確にはイメージしていないことのほうが多いです。イラストさまが描いてくださった絵を見て、初めて、「こいつ、こんな顔だったんだー」と思うこともしばしば。特に、今回は、弥勒と万里の容姿について文中に詳細を書いていなくて、うさぱらさまにお任せ、という感じだったのですが、描いてくださったラフを拝見したら、これが、もう、ほんとうにカッコいいんですよ〜。こんなにカッコいいのに、姫野がひとりじめするのはもったいないので、ラフを皆さんにもお見せしてもいいか、うさぱらさまにお伺いいたしましたところ、快諾してくださいました。是非、是非、ご覧くださいませ。
ここをクリック!
うさぱらさまのキャララフを見る!


 ちなみに、うさぱらさまのサイトでもご紹介いただいているようです。うさぱらさま、ありがとうございます♪

うさぱらさまのサイトへはこちらから

うさぱらさまのキャララフを見る!