人形遊戯


 文学青年だった神志那鴇哉(かみしな・ときや)は、自身の手で文芸書を手がけることを夢見て出版社に就職するが、配属されたのは低俗で猥雑なエロ雑誌の編集部だった。いやいやながらも仕方なくエロ雑誌の編集を務める日々の中、鴇哉はとある官能作家のパーティーで九鬼秀雪(くき・しゅうせつ)という不思議な雰囲気をまとった男と出会う。九鬼秀雪は人形作家だった。彼が造るのはラブドール。人間の代わりに、人間のように抱かれ愛玩される人形……。取材嫌いで有名な九鬼秀雪になぜか気に入られた鴇哉は、彼のアトリエへと招かれる。だが、そこには、恐るべき罠が鴇哉を待ち受けていて……。

お耽美です。本気でお耽美書きました。ついでに、陵辱監禁です。楽しかったです(笑)。姫野的には、大盛り・つゆだくな気分で書かせていただきました。
言ってみれば、フェチなサド男に手ひどくいたぶられまくる清楚で可憐な(笑)編集さんのお話でして、姫野のほわほわ〜っとかわいいお話しかご存じない方には驚かれてしまうかもしれません。ごめんなさい。とはいえ、どうせ、姫野が書くものですし、自分で心配しているほどの違いはないのかも。これはこれで「あんたら実はラブラブだよね」とも思いますし……。
ほかには、せっかくのお耽美ですので、舞台設定や衣装などのガジェットにもちょびっと凝ってみました。九鬼秀雪は旧子爵家の別邸だった広大なお屋敷にひとりで住んでいます。離れの洋館がアトリエ。広い日本庭園では、山茶花、梅、椿、桜、と、季節を追って花が咲き、そして、その片隅にひっそりと立つ土蔵には秘密が眠っている。人形は赤い振袖をまとい、ほの暗い情欲に包まれ、甘美な悪夢へと堕ちていく……、と、まあ、こんな感じでしょうか?
ラブドールも、百聞は一見にしかずと言いますし、本物を見学してきましたよ。乳ももんできました(おい)。お値段の高いのは特によくできていて(お値段もほんとにすばらしいですけど)、妙にリアルで怖かった……。本文中の鴇哉の人形に対する感想は姫野が感じたものでもあります。ちなみに、実在の人物をモデルにして勝手にお人形を作るのは違法です。そんなことをすると肖像権の侵害で訴えられてしまいますので、よい子は真似しないでくださいね〜。
そうそう。今回は楠木潤さんが挿絵を描いてくださってるのですが、九鬼秀雪はとことんクールでカッコよく、鴇哉は清楚で美しい! そして、脇役の井野っちがこれまた一癖ありそうでカッコいい!! ですが……。井野っち、挿絵には出番なしなんですよねぇ。ラフだけのおまけでした。うーん。もったいないっっっ!!!!!
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あまりにも、もったいないので、楠木さんにお願いしてみましたところ、ご快諾いただくことができましたので、皆さまにも公開しちゃいます(ここからどうぞ)。楠木さん、ほんとうに、ありがとうございました♪
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更にもったいないことに、直筆カラーの井野さんをいただいてしまいました。こちらも公開させていただきますね(ここからどうぞ)。重ねて御礼申し上げます。ほんとに、ほんとに、ありがとうございます♪