恋におちそう


 鷹司誠(たかつかさ・まこと)は25歳の銀行員。立派な体格と生まれつきの怖い顔のせいで、愛想笑いをしても「似合わないからやめろ」などとと言われてしまうが、ナカミは勤勉実直な体育会系である。
 ある日、誠は、預金の勧誘に出かけた先で、とんでもない男に出会ってしまう。男の名前は篠宮直(しのみや・すなお)。篠宮が住む、幽霊屋敷とも見まごうばかりのあばら家は、玄関を開けてみればおそるべきゴミ屋敷だった。印鑑と通帳を捜すために篠宮家に上がり込んだ誠は、そのありさまに呆然とする。
 篠宮は、誠よりも三つ年上だが、仕事にも出かけていないようだし、身体が弱いのか、毎日家でふらふらしている。おまけに、家事能力はほぼゼロ。見かねて世話を焼いてしまう自分を、誠自身「おかしいなー?」と思わないではないのだが、年上のはずの篠宮は、子供のように天衣無縫、天真爛漫で、なんだか放っておけない気分???

 ちゅーわけで、三つ年上なのに少年のように無邪気な篠宮さんに翻弄されまくるマコりんのお話。
 ご存知の方がいらっしゃるかどうかわかりませんが、2001年に小説ショコラに掲載していただいたアレです。
 これに、短めの続編『どうにもとまらない』をプラスして一冊にしていただきました。
 雑誌からの再録分はほとんど当時のままなのですが、実は、エッチの部分だけ、ちょびっと書き足しちゃったりなんかして……(てへ)。
 続編の『どうにもとまらない』は、銀行のお得意先さまからお見合いを押し付けられたマコりん。それを知った篠宮さんは、やっぱり、とんでもないお見合い妨害作戦を決行するのであった、ってな感じの、結局は、できあがっちゃった恋人同士がいちゃいちゃしたり、ドタバタしたりするだけのお話です。
 バカです。とにかく、バカップルです(嗚呼)。でも、その分、ラブラブなふたりかもね(苦笑)。
 まあ、全編コメディですので、肩の力を抜いて軽い気持ちで楽しんでいただけたら、と……。
 土方さんが、うなじすっきり、肩幅がっしりのマコりんと、ぽよぽよ・らぶりーな篠宮さんを描いてくださってますので、楽しみにしててくださいね。
 ちなみに、マコりんが攻め、篠宮さんが受けです。年下攻めのはずなんだけど、でも、なんか、そんな感じ、全然しないよなぁ。なんでだ?(苦笑)