暗闇で愛してる


 俺の名前は片桐貢(かたぎり みつぐ)。実は、株式会社片桐っていう大手アパレルメーカーの御曹司。だけど、会社のことは母や姉たちにまかせて、ひとり、アメリカで自由な生活を楽しんでいたんだ。
 な、の、に。
 いきなり、横暴な母親に連れもどされ、無理やり片桐の子会社の社長職を押し付けられてしまった。おまけに、母がつけてくれた秘書、東雲千歳(しののめ ちとせ)は、秘書のくせに、態度はデカいし、口うるさいし、俺の言うことなんかちっとも聞きやしない。それどころか、俺が暗いところが苦手と知るや、それを楯に、俺を脅迫する始末。俺の人生、それこそ、真っ暗闇だ。
 仕方なく、いやいや社長職を務める俺。しかし、俺の会社の中では、ひそやかな陰謀が進行中だった。今度はその陰謀を暴くよう東雲に強要されて……。
 東雲っていったい何様だ? ほんと、腹が立つったらありゃあしない。だけど、その一方で、時折東雲が見せるふとしたやさしさが気になりだして……。
 どうして、東雲に抱き締められると、こんなにもなつかしい気持ちになるんだろう? 東雲の腕は、なぜあんなにあったかいんだろう?
 気になる。東雲のことが気になる。東雲って、いったい、誰なんだ???

 っちゅーわけで、東雲の正体は本文読んで確認してください(笑)。
 超有能だけど慇懃無礼な秘書と、とてもいいとこのおぼっちゃんとは思えない、ちょっとボケぎみの社長(25歳……)のオフィス・コメディ(でも、少々変則かも)。姫野のキャラには珍しく、Hの時、人の腹の上でべらべらしゃべるタイプの攻めです。めっちゃウザいです(笑)。
 しかし、苦しかった。ようやく上がりました。6か月もかかりました(有り得ない〜っっっ)。今度ばかりは、マジでダメかと思いましたが、上がってよかった(涙)。無事、当初の予定どおりの日程で発行になったし。
 編集さんにも、挿絵の隆巳さんにも、ほんと、申し訳ない限りです。ごめんなさい。くすん。