ハートにウェディングベル


  高校生の円(『まどか』と読んでね)は、突然の事故で両親と大好きだったおばあちゃんを失い、ひとりぼっちになってしまった。身寄りのない円を引き取ってくれたのは、田野倉フォレスト・リゾート社長である田野倉涼。円の祖母が若いころに好きだったという人の孫である。円は、愛し合いながらも結ばれなかった祖母たちのロマンスをちゃんと覚えていて、孫である自分まで引き取ってくれるという涼に興味を覚えるが、初めて会った涼は、傲岸不遜で横暴でひどく冷たい男だった。
 はじめは涼に対して反発を覚えた円だったけれど、「俺は愛情を信じない」と言う涼の中の孤独に、いつしか引かれていく。涼は涼で、円の存在をうとましく感じながらも、円の一途な素直さに心を乱されて……。

 今回はハーレクインです。派手さはないけどしっかり者で身寄りのない女の子がお金持ちの家に引き取られ、そこの家の主人(の息子、というのもアリか?)と、最初は反発しあいながらも、いつか互いに好きになってデキあがる、というパターンにハマってると思う(しかし、姫野はハーレクインって二冊しか読んだことがないので、実はちょっと自信がない)。かわいいお話を目指したのですが、成功してるかな???
 姫野的には、久々に痛いエッチを書けて楽しゅうございました(るん♪)。ラストはちゃんとラブラブなので安心してくださいね。ラブラブになったあとの涼さんがあまりにもベタで、キィを叩きながら「恥ずかし〜いっっっ」を連発しておりましたよ。
 しかし、『恋の奇跡〜』が4月にズレちゃったせいで、似たような話が二か月連続で続いちゃったなぁ。どっちも年齢差カップルだし(三十前後の大人の男×高校生だよ。ごめんよぅ。姫野、このくらいの年齢差カップルって、もろツボなんだよぅ)、ついでに拉致られるとこまで一緒やん。ううっ。でも、お話の雰囲気はまったく違うんで、気にせず、さらっ、と読んでやっていただけるとうれしいです。
 んー、でも、『恋の季節〜』のみっちゃんにしろ、このお話の円にしろ、どっちもとっても前向きで精神的に強い子たちだったので(みっちゃんは『雑草のようにしぶとい』で、円は『芯のしっかりした』と、強さにも多少ニュアンスの違いはありますが)、書いていて元気が出ましたね。これも楽しかった!