GO! GO! ハダカ天国


 内山知憲は製薬会社に勤務する研究員。頭のデキはいいけれど、その無愛想さはほとんど対人障害クラスで、周囲からはブキミな存在として「バイオハザードしちゃいたい」などと陰口を叩かれているほどだ。
 そんな知憲に人事異動の通知が来た。異動になった先は入浴剤担当の15番ラボ。そこで知憲をまちかまえていたのはひげ面のクマ男、奥村広大だった。入浴剤の開発のために、知憲と温泉に出張に出かけた広大は、知憲の人間離れした生態(笑)を知って驚く。
 他人に触られるのはイヤ。一緒に風呂にも入れない。誰かと食事を共にするなんて、人間として恥ずかしいと思っている……。
 広大はそんな知憲を人間らしく更生させようとする。広大にあれこれ命令され、渋々従っているうちに、しかし、知憲の心にも変化が訪れて……。

 以前、小説ショコラに掲載していただいたものです。これに、ラブラブにはほど遠いけれど、それなりにエロエロでイチャイチャなふたりのその後のお話『十五番ラボのもしかしたらそれなりに長いかもしれない一日』(長いって……)をプラスして一冊にしていただきました。とにかく、お風呂にばかり入っている一冊かも。温泉気分をたっぷり味わってください。
 しかし、続編を書いてみて姫野も初めて知ったのですが、奥村広大、彼は、デリカシーに欠ける意外にむっつり助平な男でありました。オヤジなんだよなぁ……。