キンギョ万年筆 |
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柄の可愛らしさに惹かれて我慢できなかった。。。 ロングプロダクツのセルロイド万年筆です。なんだか懐かしい色柄というだけでなく、手触りもやんわりした感じです。 なんかね、本当に可愛らしいもんだから眺めてはニヤニヤ、手にとってはニヤニヤしてしまうのでした。 さてさて、肝心の書き味ですが、紙の上からちょっと浮いた感じがするのはこういうものなのかしら?それともインクのせい?書きづらいってことはないけど、名もなき乙女ちゃんがとても気持ちよく書けたので「あれれ?」って感じで…もう少し書いてみれば慣れるかしらね。 入れているインクは、先にエントリーしているドクターヤンセンのベートーヴェン。 何を書くかなぁ〜とペン先から出てくるインクを眺めていて思い出した漢詩をば。 残紅(ざんこう)落ち尽くして 始めて芳(はな)を吐く 佳名(かめい)呼びて百花の王となす 競い誇る天下無双の艶(えん) 独り占む 人間(じんかん)第一の香り 「春の花が咲き誇り散っていく。そして最後に咲き始める花。美しきその名は花の王と呼び讃えられ、天下に比類なき艶やかさを誇り、この世で最もかぐわしき花としてその名を独り占めしている」 というような意味。 皮日休という人の「牡丹」という漢詩。ついこの間読んだばかりのものですが、牡丹の美しさを褒めちぎってるすごい詩です(笑) すべての花の王様で、天下に並ぶものがない艶やかさで、この世で最も芳しい花と。。。確かに牡丹って華やかで存在感がありますね。 楊貴妃も牡丹の花に譬えられておりましたな。確か。(と言っても具体的なものを思い出せませんが…) 私、牡丹亭のストーリーを知らなかったのですが、少し読んでみると王力宏の“花田錯”って「牡丹亭」なんですね。映像的にも歌詞的にも。 麗娘は親に決められた結婚をしなくてはならない自分の身を嘆いて塞ぎこみます。そして夢の中の花園で逢った書生に恋をして、夢が醒めても春の夜の夢を忘れられなくて病になり、息を引き取ります。 彼女は死ぬ間際、自分が死んだ後は花園に大きな梅の木の下に埋めて欲しいと頼むのでした。 あるとき、ある若者が病にかかりこの付近で養生していました。名前は柳夢梅、実は麗娘が恋をした夢の中の書生でした。 少し回復した夢梅がこの花園を通りかかった時、偶然にも麗娘の肖像画を見つけどこかで会ったことがある気がしてその絵を持ち帰るのでした。 見れば見るほどその乙女のことが気にかかり、毎日絵の乙女に話しかける夢梅。 花園に残っていた麗娘の魂は、彼の一途な思いに感激しいつしか夜は彼に会いに行き、朝になると花園に戻るようになります。 「どうしたら一緒にいられるのか?」と問う夢梅に麗娘は答えます。 「お墓を開ければ生き返るわ」 そこで夢梅が墓を開けると、美しいままの麗娘が蘇ったのです。 すごい話だ・・・・ でもハッピーエンドなのは嬉しいな。ちょっとツァイサンとスー・シンみたいじゃない? …キンギョとはまったく何の関係もない話になってしまった。 |
2006年11月11日 |