名もなき乙女万年筆 |
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オークションでぶらついていたら目に入った、とても可愛い万年筆。スケルトンなボディに青や黄色や赤で花柄が描かれています。情緒的なんだけどどこか南国風で一目ぼれしました。 説明には昭和40年代のドイツ製、と書いてありましたが、メーカーも名前もわからない万年筆なので、私が命名することにしました。 黒いインクが刺さった状態で届いたのですが、形状はヨーロッパタイプのカートリッジでしたので、この黒を書き終えたらエルバンの忘れな草ブルーを使うつもりです。 金色のペン先です。IRIDIUM POINT GERMANYと書いてあります。 これが何を指しているのかよくわかりませんが…このペン先がドイツ生まれの娘さんってことだけはわかります。 ニュアンスのある綺麗な文字が書けました。やわらかくてふわふわした書き心地です。ボディの太さも乙女らしくふっくらとしてるけど太すぎない。好好。 お嬢さんはとても品がよく、文学少女のようだったので「名もなき乙女」さんということにしました。 ドイツの女の子の名前・・・というと私にはクララくらいしか思い浮かばなかったので(笑) ドイツの文学乙女なので、やっぱりゲーテでしょうな。 “何ひとつわからない” あらゆる学問を修めたファウスト博士が、結局はすべて無なのかと絶望のままつぶやくひとこと。 休みなく考え続けても、心から満たされることがないまま老齢になってしまった博士。 「神?神が何をしてくれる?何を教えてくれる?愛や青春を返してくれるというのか?」 そこへ悪魔メフィストフェレスが登場し、博士の失われた青春を取り戻させてあげる代わりに、あなたが心からの快楽を味わえたと満足したときには、あなたの魂を私に…と血の契約を持ちかけます。 美しい青年となった博士は美しく聡明なマルガレーテに恋するのですが・・・ 西洋と東洋では考え方が根本的に違うのだなぁ、と感じた作品です。 だから納得できなかった点もいくつかあるのですが、それでもこの作品が好きなのは確固たるテーマがあるからです。 人間は努力しつづける限り迷い、間違いながら自分を見つけていくものなのだと。 “喜びには悩みが、悩みには喜びがなくてはならない” |
2006年11月03日 |