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レスリーづいてる。

東雲さんから過去のレスリーインタビュー記事を読ませてもらいました。
いやぁ、、ますますアナタが好きになりました。
ほんにまぁ、なんでこんなに正直な人なんだろう。あんな世界に生きてて不思議だよ。やっぱし彼は宇宙人なんだわ。
内容は、王家衛絡みが半分以上占めてる感じで、あとは今(98年ごろ)の香港映画界を含め国際的な映画界についての見解とか。とにかく映画にかける彼の情熱や希望は半端じゃないし、ものすごいポリシーを持ってる人だってことはヒシヒシ伝わってきました。
しかも言葉がね、まんまなんだろうな。日本語に訳してるんだけど、これが無防備っていうかデコレーションされてない感がアリアリです。だからこそ余計にレスリーの言葉って感じがして、非常に満足感を味わえました。

王家衛とのすれ違い・・・ものづくりの上での衝突っていうのが、レスリーの視点から語られてるのが興味深かったです。互いに芯があるからぶつかるんであって、仕事上、火花が散るのはホンモノ同士だからですよね。
王家衛的には、あの人ラテンなのかな。レスリーに対してまずラブがありますよね。衝突したことはない、レスリーと自分の間にトラブルはない、みたいなことを語ってましたが、それはレスリー的にもそうなんだと思う。
だけどレスリーの方が言葉・態度含めて攻撃的に取られてるかなぁ、と思いました。
あんな発言してたら仕方ないか。真意はそこじゃない、ってわかる人にはわかるだろうけど、そんなこと無視な中華マスコミには恰好の餌食だわね。
根本的に妥協できない点があるにせよ、それは仕事の上であってそれ以外の部分では別の話、っていう感覚なんだと受け止めました。あちらさんはプロですもん。その辺の線引きはしてるでしょ。
だってレスリー自身、王家衛の才能は認めてるし、それはちゃんと明言してる。その上で、自分のやり方と合わないって言ってるんだもの。これはケンカとか仲たがいっていうのとは違うお話だよね。

あと一つ感じたのは、レスリーは既に認められた才能よりも新しく芽吹いてきた才能との仕事を望んでいたんじゃないか・・・ってこと。
自身の長いキャリアから、自分の立場、使命、役割、みたいなものを感じていたように思います。
受賞することよりもノミネートされることの方に意味がある、的な発言にもそれが見え隠れしてました。
ノミネートされるってことは、つまり一年間第一線で活躍していた、その世界に存在感を残したってことの証明で、常に最前線にいる人間としてやるべきこと、一線にいるからこそアピールできること、彼はそういうことを念頭においていたんだと思う。その上での発言や行動があったんだなぁ。

やっぱりすごい人だよ、レスリー・チャン。

何がって、周りの反応がわかってるだろうにやってのけてしまう度胸、すっごく繊細なくせに敢えて攻撃的に生きてる。彼自身は穏やかな優しい人なんだと思うけど、やってることは挑戦的だわよ。信念を持ってても、それを貫き通すって誰でもできることじゃない。ホントに尊敬する。
いやぁ、今日はホントにいい気分だ。


(2006.05.11.)