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音楽のシャングリラを目指し続けて

95年のデビュー以来、彼が目指してきた音楽。
それは、独創性に富んだ王力宏にしかできない音楽の創造。
ソニーに移籍後発表したアルバム「公轉自轉」('98)以降、その思いは様々な側面を見せながら、
自身へのチャレンジと共に聴衆への挑戦状のようなアルバムを発表することとなる。
徐々に独自のスタイルを確立させながらも、一方ではクラシック・ジャズ・ポップス・R&B・ヒップホップといった
彼ならではのアプローチを織り交ぜ、親しみやすく誠実であることを忘れない。
これは彼の音楽に対する一環した姿勢でもあるように思う。
「永遠的第一天」('00)の中で、彼はかつて台湾でヒットした“龍的傳人”のリメイクを発表する。
アメリカで生まれ育った彼自身のルーツをこの曲に見出したのかもしれない。
あるインタビューで彼は次のようなことを語っている。

 (なぜイングリッシュネームを使わないのかという質問に対して)
 「アメリカで育った中国人にとってはイングリッシュネームなんて必要ない。
 リーホンという名前は自分だけかもしれない唯一のもの。だから特別なものを感じている。」

 (それはあなたの歌う“龍的傳人”と関係があるのではない?という質問に対して)
 「実は当時(この曲を初めて聴いた時?)、そのようには感じていなかった。しかし今は意味深いものを感じている。
 それでラップを加え後半の歌詞を書き換えた。ABC(American Bone Chinese)の見方から言うと
 中国人の定義はますます国際化している。民族の歌でありポジティブな曲である“龍的傳人”は、
 国境を越えた制作方法を取りアレンジした。みんなに新しい“龍的傳人”の一面を共感してもらいたくて。」

 (2001年中国語ジャーナルより)

今こそchinked-outを世間に知らしめる時。
その意思をハッキリと表現した“放開[イ尓]的心”(心中的日月/'05)で彼は、
“龍的傳人”を効果的に使用し、彼のルーツ(アメリカ人であり中華民族である)を威風堂々と見せつけた。
王力宏の音楽が決して独りよがりにならず自由で誰からも愛される理由の一つには、
彼の力強い野心と情熱がもたらす未来に誰もが期待せずにはいられないからではないだろうか。
それはまるで黒人音楽の未来系と言われたプリンスのように、
中華音楽の持つ果てしない可能性への挑戦と意欲に満ちている。
これこそ彼が求め続ける音楽の原動力であると感じずにはいられない。


 國語歌壇要復活了 我們讓創意再現
 由 Homboy Music 製作 索尼唱片出版
 繼"龍的傳人" "2000" "唯一" "不可思議"之後最新巨獻
 [イ尓]們期待了很久
 Now Here It is Ladys and Gentlemen This is chinked

 國語歌謡界は復活した 我々のアイデアが再現させる
 Homboy Music 製作 ソニーレコードより
 "龍的傳人"を継ぎ "2000" "唯一" "不可思議" を経て
 諸君がずっと待ち望んでいた 新しい世界をお見せしよう
 さあ今、ここに! 紳士淑女諸君、これこそ そのchinked!

 (放開[イ尓]的心 Intro) 許諾番号 J020505206

(2006.4.26)